うるさい人が嫌い! うるさい人の心理と対処法
職場や周囲のうるさい人に困っていませんか? 彼らの心理や特徴を心理カウンセラーの大塚統子さんが解説。効果的なうるさい人対策や伝え方を紹介します。
職場でのコミュニケーションが大切なのはわかっていても、「雑談に巻き込まれて仕事が進まない」「ほかの人の話し声が気になって仕事に集中できない」「仕事内容よりもうるさい人の対応で疲れてしまう」といったストレスを抱える方は少なくありません。
職場にいる「うるさい人」とはどのように関わったらいいのでしょうか。今回は、その対処法を紹介します。
うるさい人の特徴とは?
具体的に、わたしたちはどんな人を「うるさい」と感じるのでしょうか。人々が嫌悪感を抱いてしまうのには次のような特徴があります。
(1)声が大きい
“声が大きい”というのは、もともと地声が大きい場合もありますし、まわりの環境や高揚した気分が影響して大きくなっている場合もあります。
本人にとっては「いつも」または「無意識」な中での声量なので、うるさくしている自覚がないことが多いでしょう。
逆に、周囲にいる人はそれを客観視できるため、他人の声の大きさに敏感になります。したがって不快になることがあるのです。
(2)行動音が大きい
うるさい人は足音・キーボード操作音・ドア開閉音などの行動音が大きくなりがちです。なお、もともと静かに行動する習慣がない人は、行動音が騒音になる認識がないことが多いのです。
行動音が大きいと、周囲の人にガサツな印象や不快感を与え、感情的になって物に当たっているような威嚇や拒絶を感じさせます。
(3)自分のことを話すのが好き
うるさい人は、自分に起きていること・自分がしなければならない仕事など、自身に関わる狭い世界しか見えていません。そのため、小さなことでも自分に関係したり、興味があったりするならそれは“大ごと”で、いちいち人に話そうとします。
本人にとっては目の前の話題が重要で、「話し相手に聞く余裕があるか」「その話を聞かされた人がどう思うか」など、人を気遣う余裕はありません。マイペースすぎて周囲の人を困らせることがあります。
このように、人間には「感情面でうるさいと感じる相手」も存在します。
(4)話が一方通行
うるさい人は、気になったこと・思ったことを誰かに話さないと落ち着かない傾向があります。「自分の話を人に聞いてもらうのがコミュニケーション」と誤解していることが多く、「自分のことを知ってほしい」と一方通行で話をしがちです。
「聞いてほしい」「同意してほしい」と思って話すので、相手に話す隙を与えない弾丸トークを展開。また、別の意見や立場からの考えを聞くことが苦手です。
(5)中身のない話が多い
芸能人のゴシップや流行りのものなど、仕事とは無関係の話題を好んで話したがります。
聞かされる側からは「どうでもいい話」と思われていても、うるさい人は「話題を提供している」「人を楽しませている」「雑談でなごませている」と思っていることがあります。
参考記事はこちら▼
職場のうるさい女性あるある【番外編】
あなたの職場には、声やテンションがうるさいと感じる女性はいないでしょうか?
マイナビウーマンと人気コンテンツ「貝社員」がコラボした、あるある“貝”社員の1つ、「うるさい女性=ヒメイ貝」の特徴はこちらの記事でチェック! 思わず共感してしまうかもしれません。
うるさい女性あるあるを、人気コンテンツ「貝社員」に例えて紹介します。
▶次のページでは、うるさい人の心理を解説します。
うるさい人の心理
無自覚に周囲の人を困らせるうるさい人。どんな心理でそんな行動を取ってしまうのでしょうか。
(1)承認欲求が強い
うるさい人の中にあるのは「自分を認めてほしい」「自分のことをスゴイと思ってほしい」という心理。
つまり、承認欲求が強いのです。承認欲求は誰にでもあるものですが、自己承認ができない人は他人に承認を求めがちです。
うるさい人の言動には自慢話も多く、自己肯定感が高かったり自信満々だったりに見えますが、心理的には逆で、自己肯定感が低く自信がない状態です。
自己肯定できないから周囲の人に肯定や承認を求めますし、自信がないから、「これスゴイでしょう?」などと確認したくなるのです。また、話を聞いてもらうために大声でアピールや、強い自己主張が必要になっているといった具合です。
承認欲求が強い人の特徴を心理カウンセラーの笹氣健治さんが解説します。
(2)承認欲求の裏に寂しさが隠れている
「自分を見て」「自分をわかって」とうるさくなる背景には寂しさがあります。
うるさくしないと注目してもらえない、でもうるさいから避けられるという悪循環が起こりがちで、いつまでも寂しさは満たされません。自分の気持ちをなんとかすることに精一杯で、感情的になりやすく、人を思いやる余裕がないのです。
何をしても寂しい、満たされない心理をカウンセラーの服部希美さんが解説します。
(3)仕事中のおしゃべりは現実逃避
そして、仕事中におしゃべりが止まらないのは、単純にラクで楽しいという感情もありますが、静かにするときに感じる嫌な雰囲気や気持ちを避けるのが目的であることもあります。
例えば、仕事と向き合うと「自分はできない」「自分はダメだ」「自分は劣っている」などと感じて辛いので、おしゃべりに現実逃避する場合などです。
▶次のページでは、うるさい人への注意の伝え方を解説します。
うるさい人への伝え方・注意の仕方
うるさい人への不満を抱えたままではストレスが増す一方。相手を傷つけずにそれを伝えるには、どのような言い回しや態度が有効なのでしょうか。
(1)相手を傷つけずに注意する方法
うるさい人が自分の声や物音が大きいことに無自覚なら、「部屋の外まで声が聞こえていますよ」などと客観的な事実を伝えてみると、気をつけてもらえるかもしれません。
否定しない言い方や親しみも重要
うるさい人を否定しない言い方で、「わたしは静かでないと集中できないので、少しボリュームを落としていただけないでしょうか?」と自分を主語にしてお願いする形で伝えるのも、効果的でしょう。
遠回りに思うかもしれませんが、まず相手の話を十分に聞くことからはじめて親しくなれば、冗談っぽく「ちょっと静かにして」などと伝えることも可能になるはずです。
(2)間接的に伝えて黙らせる方法
うるさく話している人に、「○○の件で確認させていただけますか?」などと質問して話題を変えるきっかけを作ったり、「○○をお願いできますか?」と今すぐする仕事を割り振ったりすることで、その場の雰囲気を変えやすくなるでしょう。
あるいは、うるさい人が話す話題に積極的に参加して、途中で「わたし達うるさくなっているかもね」「静かにしよう」と誘うとか、わざとらしく時計を見て「そろそろ仕事しなきゃ」「続きはまた今度」と切り替えを促すとか、「一緒に○○しよう」と自分のペースに巻き込んでしまうのもひとつの方法です。
▶次のページでは、自分でできる対策を解説します。
自分でできる対策は? 気にならなくする対処法
物理的に距離を作る・忙しそうに振る舞うなど、話しかけられないための予防策はありますが、うるさい人から関心が離れないとイライラは減らないでしょう。
「うるさいから静かにしてもらおう」と相手を変えようとすると、思い通りにならなくてストレスになります。「聞き流せる自分になろう」「相手に振り回されない自分になろう」と自分のことを課題にすれば、自身の意志によって実現していけるはずです。
(1)自分の感情を正しく理解する
ひとつの方法は、うるさいと思うときに感じている気持ちに注目してみましょう。
例えば、「わたしの嫌な気持ちを察してくれない」と思うなら、日ごろから我慢をためやすくなっていないでしょうか。「かまってもらおう」としているのを見て腹が立つなら、「自分ひとりで頑張らなきゃ」と背負い込んでいないでしょうか。
心を乱される出来事は、癒すべき課題を教えてくれます。
例えば、「自分は我慢ばかり」「わかってほしい」「誰も助けてくれない」「正しくなければならない」などの考え方や感じ方を変えていけると、うるさい人に対して思うことが違ってくるでしょう。
(2)イライラした時のストレス発散方法を試す
自分で伝えてみたり、上司から注意してもらったり、消音キーボードなどの物品で環境を整えたりしても、残念ながらうるさい人の意識が変わらないことがあります。
その場合は、うるさい人を静かにするためにエネルギーを使うのをやめて、うるさいと感じたときのストレス発散法をマスターするといいでしょう。
たとえば、身体を大きく動かしてみるとか、気持ちが落ち着く香りを嗅ぐとか、お菓子やドリンクでリフレッシュするとか。また、ゆっくり深い呼吸をしてみるなど、気分転換もおすすめです。
加えて、掃除をしたり、いらない紙を破いたりする発散方法も効果的です。
イライラした時の対処法はこちらの記事も併せて参考にしてみてください。
静かな人がうるさい人に振り回されないためには?
静かな人にとっては、天敵とも言えそうなうるさい人。
うるさくしている人にはうるさい自覚がないことも多いです。ゲームを攻略するような遊び心を持って、いろいろな方法を試してみましょう。
うるさい人が嫌いなのは、突き詰めると「自分がうるさい人に振り回されている」と感じる不快感が理由なのです。
相手を変えようとするよりは、自分が変わるほうが解決への近道かもしれません。
うるさい人と対照的な静かな人の特徴とは? 心理を解説します。
(大塚統子)
※画像はイメージです
※この記事は2020年02月13日に公開されたものです