明日絶対に寝坊できないなら試してほしい方法
絶対寝坊できない朝におすすめの「寝坊しない方法」。今回は、心理カウンセラーの小日向るり子さんに心理学的側面から、寝坊してしまう原因や回避方法を教えてもらいます。
時計を見て「まずい、寝坊してしまった!」と、一気に目が覚めて呆然とした経験はありませんか?
寝坊は大きなトラブルに発展することもありますし、寝坊による遅刻を繰り返していると社会的信用もなくしてしまいがちです。
今回は、寝坊してしまう心理的な要因から、絶対に寝坊しない方法までを解説してみたいと思います。
アラームを多用したり、モーニングコールの依頼に頼らず、気持ちよく目覚めてみましょう。
寝坊してしまう原因
まずは、なぜ寝坊してしまうのか。その原因をお伝えします。
1.心配事や不安があり眠りが浅くなる
人間は副交感神経が優位になると自然と眠くなりますが、副交感神経が優位な状態になるためにはリラックスすることが必要です。
不安や心配事があると、神経は緊張して交感神経が優位の状態になります。そのため寝つけなくなったり眠りが浅くなったりして体内時計が狂ってしまう結果、いつもの時間に起きられなくなります。
2.逃避
「明日は気が重い客先対応がある」など、不快なことと対峙しなければならないといった場合。自分の意識では「絶対に寝坊できないぞ」と思っているのですが、無意識では「逃げたい」という逃避願望が生じています。
この無意識が「起きる=会社に行く」ということを避けて寝坊につながってしまうのです。このような逃避心理は、腹痛や腰痛といった身体の不調として表れることもあります。
3.精神的な余裕のなさ
睡眠時間が不足すると、やはりなかなか起きることができません。睡眠時間の確保は本来「やるべきこと」として、日々の計画に組み込んでおかなければならないのです。
しかし、睡眠時間をおろそかにしてしまい、仕事のあとに趣味や飲み会など予定を詰め込みすぎてしまうと、就寝時間を削ることになり寝坊につながりやすくなります。
絶対に寝坊しないための5つの方法
さまざまな原因はあれど、「明日は絶対に寝坊できない!」という方に向けて、絶対に寝坊しない方法を心理学的側面からご紹介します。
1.翌日の準備を完璧にしておく
明日着る洋服を出しておく、持ち物をすべてカバンに入れておくなど翌日の準備を完璧にしておきましょう。
これは少しの寝坊ならリカバリーがしやすいという現実的な対処法でもありますが、「準備は全部できている」という心の余裕を作ることで、安心して眠りにつきやすくなるという効果もあります。
2.スマホを見ない
スマホを片手に眠りにつくというタイプの方も、明日は絶対に寝坊できないという日の前日だけはスマホを見ないようにしましょう。
少しだけニュースをチェックして……などと見始めるとそこからネットサーフィンを始めてしまったり、知人がSNSにアップした内容で心が揺れてしまったりといったことも容易に起こり得ます。
そうした意味ではスマホは刺激の宝庫ですので、注意が必要なのです。
3.読みなれた本やマンガなどを読む
明日のために寝よう! と意気込み過ぎると、興奮して交感神経が優位になってしまうため、逆に寝つけなくなります。
そうなると眠れないことに焦ってしまい、ますます眠れなくなるという悪循環に陥ってしまいます。
こうした神経質なタイプの方は、読みなれた本やマンガを持ってベッドに入ることがおすすめです。展開がわかっている退屈な状態は、リラックス効果をもたらして寝つきをよくします。
4.寝坊した場合の想像をする
前述の「読みなれた本やマンガを読む」という方法は神経質なタイプの方に有効な方法ですが、能天気なタイプの方はこちらの方法をおすすめします。
朝から猛ダッシュしている自分、上司に酷く怒られて凹んでいる自分、などを思い浮かべることで寝坊に対する抑止力が働きます。
寝坊しない習慣の作り方
最後に、日ごろからできる「寝坊しないための習慣作り」をご紹介します。
1.睡眠時間の優先順位を上げる
前述したように、睡眠時間は日常の優先事項の最下位に組み込んでしまいがちです。
つまり「○曜日は習い事で、そのあと飲み会に合流するから寝るのが遅くなるけど仕方ない」といった考え方です。
しかし、睡眠不足は寝坊だけでなく身体の抵抗力を弱くしたり、気力・意欲の低下など心身の不調に直結したりすることもあります。就寝時間をしっかりと予定に組み込み、優先順位を上げましょう。
2.寝酒をしない
アルコールには寝つきを良くする効果があるため、眠れないとお酒を飲むという習慣がついてしまっている方もいるかもしれません。
しかし、アルコールによる眠りは浅いため、質の良い睡眠はとれません。途中で起きてしまい朝まで眠れず、やっとウトウトしたら寝坊してしまった、という悪循環がつきやすいのです。
アルコールは耐性もつきやすく依存性もあります。眠れないときにお酒の力を借りるという寝酒の習慣はやめましょう。
3.朝のルーティンを作る
寝坊しないで起きる、ということだけに焦点を当てるのではなく、もっと大きな時間のくくりでルーティンを作りましょう。
たとえば、「軽いストレッチ」「豆から珈琲を入れる」「観葉植物に水をあげる」「朝シャワー」といったことです。
ルーティン化してしまうと、寝坊してそれらができなかったときにストレスを感じるため、そのストレスを回避しようという心理が働き、無理なく早く起きられるようになります。
4.自分の睡眠サイクルを把握する
睡眠には眠りが深いノンレム睡眠と、眠りが浅いレム睡眠があります。就寝直後はノンレム睡眠から入って約1.5時間毎にレム睡眠に切り替わり、それが交互にやってきます。
起きるタイミングはレム睡眠(浅い眠り)のときのほうがスッキリと起きられますので、この睡眠サイクルを逆算し、自分の体質と環境に最適な就寝時間と起床時間を把握しておきましょう。
ストレスを緩和して良質な睡眠を
寝坊を防ぐためには目覚まし時計を複数使う、アラームの多用、モーニングコールの依頼など色々な方法があります。しかし、今回はそうしたハード面ではなく心理的な要因からの対策をお伝えしました。
不安や心配事があると眠れなくなったり、嫌なことがあると無意識に逃避したりといった「心のありよう」も寝坊の要因となります。
寝坊に対するハード対策だけでなく、ストレスそのものに対する耐性を強くすることも意識してくださいね。
(小日向るり子)
※画像はイメージです
※この記事は2020年01月30日に公開されたものです