「懐が深い」の意味とは? 懐が深い人の特徴や恋愛傾向も紹介
「懐が深い」とは「包容力がある」という意味。では、懐が深い男性にはどのような特徴や恋愛傾向があるのでしょうか。また、懐が深い女性になるには? マジシャン兼催眠心理療法士の浅田悠介さんが解説します。
なんやかんや「懐が深い人」っていいと思うんですよ。
そこそこ生きたからこそわかることもあるじゃないですか。恋愛をするのにもってこいというか、恋愛を長続きさせるのにもってこいという感じ。大人の付き合い方ができそうですよね。
今回のテーマは「懐が深い人」です。
「懐が深い」の意味や語源とは? 「懐が広い」は誤り?
まずは「懐が深い」の意味と語源を確認しましょう。また、似た表現である「懐が広い」は誤用なのか気になる人がいると思いますので、その点についても解説します。
意味は「包容力がある」
広辞苑で「懐が深い」を調べると、以下のように記載されています。
懐が深い
1.相撲で、四つに組んだ時、胸のあたりが広くて相手になかなかまわしを与えない。
2.包容力がある。度量が広く、寛容である。
(『広辞苑 第七版』岩波書店)
性格についていう時の「懐が深い」は2の意味です。簡単にいえば「心が広い人」ということになります。
語源は懐に財布を入れていたことから
「懐が深い」の語原としては、その昔、私たちが着物の懐(胸のあたり)に財布を入れていたことに由来します。
そこから転じて「大事なものを入れる場所が深い」=「心の容量が大きい」という意味になったのですね。
「懐が広い」より「懐が深い」が一般的
ところで、「懐が深い」の他に「懐が広い」という表現も見聞きしたことがあるかもしれません。
「懐が深い」と「懐が広い」は意味が違うのでしょうか? また、「懐が広い」は誤用なのでしょうか?
一般に、「懐が広い」は「懐が深い」と同じニュアンスで使われる傾向にあります。しかし、複数の辞書を調べてみると、「懐が広い」の記載はありませんでした。
このことから、「懐が広い」と「懐が深い」に意味の違いはないものの、「懐が深い」の方が一般的であるといえます。
「懐が深い」の類語・言い換え表現
「懐が深い」という言葉のイメージを膨らませるため、類語や言い換え表現もチェックしておきましょう。
(1)「器が大きい」
「器が大きい」の「器」には、「事を担当するに足る才能。器量。また、人物の大きさ(出典:『広辞苑 第七版』岩波書店)」という意味があります。
つまり「器が大きい」とは「才能が十分ある。また、人物として優れている」ことを指します。
「懐が深い」が精神的な大きさを指すのに対し、「器が大きい」は才能も指すという点で若干ニュアンスが異なるでしょう。
(2)「度量が広い」
「度量」とは「心が広く、人をよくうけいれる性質(出典:『広辞苑 第七版』岩波書店)」を指します。
「度量が広い」は「人をよくうけいれる性質が広い」ということになり、「寛容であるさま」を指す「懐が広い」と似た意味になります。
(3)「心が広い」
「心が広い」は文字通りの意味です。こちらも包容力のあるさまを指す「懐が広い」と意味が近いといえるでしょう。
懐が深い男性の特徴
「懐が深い」の意味を確認したところで、今度は懐が深い男性の特徴を見ていきましょう。
(1)怒らない
懐が深い人はめったに怒りません。
感情の起伏がおだやかなのです。腹が立つことがあっても、その感情を他人にぶつけることはしません。なんの解決にもならないからです。
冷静に注意やアドバイスをする、という形をとるでしょう。
(2)ミスを認められる
自分のミスを認められます。
妙なところでプライドを出して問題をこじらせることもしません。逆にいえば、案外、ミスを認められない男性が多いということですね。
失敗したときに、その人物の懐の深さがわかるものです。
(3)聞き上手
聞き上手でもあります。
自分の話ばかりすることもありません。もちろん誰しも「理解されたい」という欲求はありますよね。つい自分の話をしたくなるものです。
しかし、それよりも「相手を理解したい」と考えることができるのです。
(4)トラブルを冷静に対処する
懐が深い人は感情的になりません。
それがわかりやすいのはトラブルのときです。まわりを怒鳴ったり、慌てたり、逃げだしたりすることもありません。淡々と対処するのみです。
トラブルを「プロブレム(課題)」だと受けとることができるのですね。
(5)観察力がある
懐が深いとは「相手を受け入れる器が大きい」という意味です。
ゆえに他人を観察する力も身につくわけです。どんな性格で、どんな行動をとるのか。もちろん指摘することは少ないでしょう。しかし冷静にデータをためているのですね。
懐が深い人は、人間を良く知っています。
▶次のページでは、懐が深い男性の恋愛傾向やそのような男性を見抜くコツ、落とし方を紹介します。
懐が深い男性の恋愛傾向
それでは本題に移りましょう。なぜ、懐が深い男性との恋愛がオススメなのか。彼らの恋愛傾向から読み解いていきます。
(1)話を聞いてくれる
上にも書きましたが、基本的に聞き上手です。
他人を受け入れるのが上手なのです。だからこそ「話を聞いてほしい!」という貴女にはピッタリです。しっかり聞いてくれている、という安心感があります。
(2)不安にならない
懐が深い人は、他人が傷つくことを知っています。
ゆえに恋人を傷つけません。帰りが遅くなるときは連絡してくれるでしょう。「たまには友人と遊んできなよ」と提案もしてくれるでしょう。
自分が不安にならないでいられる──恋愛において重要なことです。
(3)ケンカが少ない
懐が深い人は感情をぶつけることをしません。
ゆえにケンカが生まれにくいのです。むしろケンカを避けるような振る舞いや提案をしてくれることでしょう。
もしケンカしたとしても、すぐに仲直りできる空気を作ってくれます。
(4)トラブルも楽しめる
男の価値はトラブルに直面したときに表れます。
例えばレストランの予約ができていなかったときも不機嫌にならずに「逆にあの店行かない?」と楽しいイベントに変えてくれます。
人生を楽しもうとする姿勢を感じることでしょう。
(5)自己肯定感があがる
一番大事なことです。
懐が深い男性と付き合っていると、自己肯定感が上がります。私たちは他人に受け入れられることで「生きていていいんだ!」と許された気分になるからです。
いつも笑顔でいられる恋をしたいものですよね。
懐が深い男性を見抜くコツ
恋愛の相手として「懐が深い男性」は理想的だと貴女も感じたのではないでしょうか。では、そんな男性を見つけるコツとは。
(1)自分の話をするか?
ズバリ会話の内容でわかります。それは「自分の話ばかりするかどうか」です。
あまりにも自分の話ばかりだと「他人を受け入れる余地がない(器が小さい)」と考えざるをえません。他人の話にじっくり耳を傾けられるほど己をコントロールできているか、がわかるのです。
(2)誰に対してもフラットか?
他人への態度でもわかります。懐が深い人は、誰に対してもフラットです。
逆にいえば、遠い関係や、下の立場だからといって、急に態度を変えるようではアウトです。急に店員さんに偉そうにする男性もいますよね。
しかし、基本的に人生で「上から目線になるべきとき」なんてないのです。
(3)待たされたときにも寛容か?
待たされたときにも懐の深さは表れます。
アトラクションかもしれません、電車の遅延かもしれません、居酒屋かもしれません。そこでイライラと不機嫌にならないことです。
時間を奪われることに寛容でいられるか、です。
(4)否定するとき慎重か?
懐が深い人は何かを否定することに慎重です。
そもそも否定を好みません。否定しなくてはいけないときも、そっと提案やアドバイスという形をとります。
その彼がものごとを否定するときの顔を見つめましょう。それが、いつか貴女に向けられる顔なのですから。
懐が深い男性を落とすコツ
さて、懐が深い男性を見事見つけ出したとして、どうこちらを振り向かせたらいいのでしょうか。懐が深い男性を落とすコツをご紹介します。
(1)恋愛以外もがんばる
懐が深い男性は、深いレベルで女性を見抜きます。しっかり人生を生きている女性なのか、です。
恋愛以外にも、仕事や、趣味や、交遊など、ものごとを前進させられる女性なのだとアピールしましょう。
彼の器の大きさに見合うものを身につけるのです。
(2)あえて甘えさせる
懐が深い男性はいつも「癒やし役」になっています。
だからこそ甘えさせることで貴女の価値を高めるのです。「なんだかんだ、いつも気をつかってるよね……」というふうに語りかけて、心の内をさらけだせる女性、というポジションを狙うのです。
相手と同じ「包容力」という武器で勝負です。
(3)めちゃくちゃ甘える
上とは真逆の作戦です。
相手は受け入れるスタイルの男性です。そこで、なんだかんだ甘えて、こちらのペースに持ちこんでしまうという力技です。
もちろん自分勝手にふるまえばいいわけでありません。あくまでリスペクトや感謝を忘れないようにしましょう。
(4)こちらも懐の深さをアピール
究極的にはこれです。
こちらも懐の深さを見せて対等な関係になること。日常のちょっとしたことから、トラブルのときも器の大きさを見せつけるのです。尊敬を勝ちとりましょう。
簡単なことではありません。しかし、それだけの価値はあります。
▶次のページでは、懐が深い女性になるにはどうすれば良いか解説します。
懐が深い女性になるには
前段では、懐が深い男性を落とすコツとして「こちらも懐の深さをアピールする」を紹介しました。では、懐の深い女性になるにはどうすれば良いのでしょうか。
(1)感情のコントロール方法を学ぶ
懐が深い人はめったに怒りません。手を煩わされたとしても、寛容な態度で人と接することができます。懐の深い人間を目指すのであれば、この態度はぜひまねしたいところ。
とはいえ、「何をされても一切イライラするな」というのは無理な話でしょう。人間ですから、思い通りにならなければ多少気持ちがざわつくのは仕方ないことですよね。
大事なのは、そこで気持ちを爆発させず、うまくコントロールすること。深呼吸したり、物事のポジティブな面に目を向けたりして、イライラを手放せるようになると良いですね。
(2)相手の立場に立って考える
懐の深いがあまり怒らなかったり誰にでも優しかったりするのは、「相手の立場に立っているから」でもあります。
例えば、カフェで店員さんが水をこぼし、そのせいで自分の服が濡れたとします。この時、懐が深い人は
「この店員さんはさぞ焦って申し訳ない気持ちになっているだろう。ここで自分が相手を責めたら、追い打ちをかけることになってしまう」
と考え、店員さんを責めず紳士的に振る舞うでしょう。このように、相手の立場に立てる人は、自ずと寛容な振る舞いができるようになるのです。
(3)「まず聞く」姿勢を大切にする
相手の話をしっかり聞くことは、相手を受け止めることでもあります。これができる人は、包容力があるといえるでしょう。
懐が深い人になりたいなら、相手の意見に対して反論したくなったり言葉をさえぎりたくなったりしても、まず落ち着いて最後まで聞く姿勢を大切にしてみてください。
(4)相手を否定する言葉は使わない
(3)で相手を受け止められる人は包容力があると述べました。相手を受け止める方法として、「話を聞く」以外に「相手を否定する言葉は使わない」があります。
あまり自覚していなくても、ちょっとした会話の中で「いや、それはないでしょ」「ありえない」など、相手を否定してしまうことはあるもの。
それを意識してなくしていくと、相手はあなたに「受け入れられている」という感覚を抱きやすくなるでしょう。
「懐が深い男性」は理解されたがっている
懐の深い男性──いいですね。恋愛の相手として申し分ない感じがします。
とにかく、懐の深い男性は、相手を受け入れることに慣れています。
しかし他人を受け入れるというのは、すごく大変なことです。
ここがポイントです。
だからこそ、どんなふうにアプローチするにしても、そこに敬意と共感を示すのが大事になってくるのです。言葉でも、態度でも。
いつも他人を理解しようとする人は、理解されることに弱いんですよ。
貴女の恋が叶えられることを祈っております。
(浅田悠介@令和の魔法使い)
※画像はイメージです
※この記事は2020年01月09日に公開されたものです