「冗談が通じない人」の特徴
ちょっとした冗談はその場の雰囲気を和ませますが、冗談が通じない人がいると場が凍りつくこともありますよね。また冗談のつもりが、相手が本気にしてしまうと人間関係さえも壊れかねません。この記事では、冗談が通じない人の心理・特徴と上手な付き合い方について、心理カウンセラーの小日向るり子さんに解説してもらいました。
自分は冗談で言ったつもりだったのに本気で相手を怒らせてしまった、冗談が通じない人がいたために場の雰囲気が和まなかった……といった経験はありませんか?
おのおのが感じる「冗談」の範囲は線引きが難しいところですよね。
今回は冗談が通じない人の特徴を解説しながら、そうした人に対する対応方法やNG話題まで解説していきたいと思います。
冗談が通じない人の心理・特徴
それではまずは冗談が通じない人に共通する特徴をあげていきます。
(1)生真面目
ここでいうところの「生真面目」とは真面目とは少しニュアンスが異なり、真面目に加えて融通がきかないという性格を含むタイプのことです。
真面目な人は言われたことをストレートに受け止めます。
それは本来よいことなのですが、場の空気によってはすべてを正面から受け止めず、多少はかわすことも必要。
そうしたことができない、あるいはするべきではないという価値観になっている人には、冗談が通じないことがあるでしょう。
(2)心に余裕がない
誰でも忙しいときやイライラしているときなどは、一時的に心に余裕がなくなりますよね。
そうしたときに呑気に冗談を言っている人を見ると不快になってしてしまうのは、一般的な心理です。
したがってこのケースは、心に余裕がない人だけに問題があるのではなく、余裕がない相手の状態を把握できずに冗談を言ってしまう側にも問題があるといえるでしょう。
(3)プライドが高い
プライドが高いということは、自分に関係がある物事や事象に対する感覚が高くて鋭いということです。
それゆえ、冗談を言う側がその人個人をおとしめたり刺激をしたりするつもりで言ったわけではなくても、言われた側の自尊心は傷ついてしまうのです。
(4)正義感が強い
このタイプの方は自身の正義に従って動くため、自分に向けて言われた冗談ではなくても「そういうことは冗談でも言うものではないよ!」などと言って不穏な空気を作ってしまい、言われた本人が言った当人との間に挟まれて困惑してしまう場合があります。
正義感が強い性格はプラスに働くことが多いのですが、このようなことが起きるために他人からすると少し厄介な人と思われてしまうことがあります。
(5)空気が読めない
気質ではなく疾患、あるいは障害という観点でとらえるケースです。
後天的な性格形成で修正できるものではありませんので、本人の認識と周囲の理解が大切となってきます。
あなたの生真面目度はどのくらい? 10の質問で診断します。
冗談が通じない人との付き合い方
それではこのように冗談が通じない人とはどのように付き合っていけばよいのでしょうか。
ここからはぜひ心にとどめておいていただきたいことを3つあげていきます。
(1)冗談を言わない
基本はこれです。たとえば、以下のケースならあなたはどう思うか想像してみてください。
A:(Bさんが苦手なことを)「私が代わりにやってあげる!」
B:「ありがとう」
A:「でも高くつくよー」
あなたはこのやりとりを冗談と受け止めますか?
この程度なら冗談で受け止められるという方と、善意をお金に換算するなんて不快だ、と思う方に分かれるのではないでしょうか。
この例のように、自分の善意が受け止められないばかりか相手に不機嫌になられてしまっては双方が傷つきます。
特に上記にあげた『冗談が通じない人の心理・特徴』にあてはまる方には冗談を言わないことが原則です。
(2)まずは信頼関係を構築すること
冗談を言わなければいいと言われても、自分は冗談を言うことが好きだし、そうすることで場が楽しくなることも多いと思う、という方もいると思います。
そういう方は、まずは相手との信頼関係を構築することに注力しましょう。
つまり、初対面の相手には言うべきではないということ。
逆に相手が自分に心を許してくれたタイミングで言えば、2人の距離が一気に近づきます。
(3)自虐もほどほどにする
場の空気を楽しませたいあまり、他人を傷つける冗談でなければいいだろう、と自虐を言ってしまう方もいますが、冗談が通じない人には自虐もほどほどにしましょう。
「そんなに自分を卑下してはダメだよ」などと正論で返されてしまう可能性があります。
自虐はコンプレックスの暴露ですから、正論で返されると傷つくのは自分です。
冗談でも言ってはいけないNGな話題と注意点
それでは最後に、冗談でも言ってはいけないNGな話題や注意点をあげていきたいと思います。
(1)宗教、政治、セクシャリティの話題
宗教と政治については個人の価値観が大きく関係してきます。
また、セクシャリティについては、マジョリティとマイノリティで話題にすること自体に大きな感覚のちがいがあります。
特に誰が聞いているかわからないような公の場所では、冗談であってもなくても話題にすること自体がNGです。
(2)身体的特徴に関する話題
身体的な特徴は、コンプレックスに感じている人がとても多いです。
メディアでは笑いに変換されることもあるため、笑いにできれば許容されていると勘ちがいしがちですが、芸能の世界は一般社会とはちがいます。
そこには芸のプロであるという双方の自覚と報酬など、特殊な事情が働いていることを理解しましょう。
(3)文章での冗談は避ける
具体的な話題に関わらず、どのような話題でも文章で冗談を伝えることは、よほど信頼関係がある場合を除いて避けたほうがよいです。
文章の最後に(笑)や笑っている絵文字をつければ大丈夫と思う方もいるかもしれませんが、これらは場合によってはバカにされた、侮辱されたなどと受け止めかねられません。
冗談は、基本的にその場の空気や相手の表情とセットになったときに成立するものだと認識しましょう。
冗談は相手との関係が温まってから言うこと
冗談を言うのは難しい、と思われた方も多いと思いますが、まさにその通りで、冗談は非常に高等なコミュニケーション手法です。
でもだからこそ、冗談を言い合える相手はとても良好な関係なのです。
誰かと親密になりたいときは冗談から入っていくのではなく、相手との関係性が温まってから冗談を言う、という逆の発想が大切です。
(小日向るり子)
※画像はイメージです
※この記事は2019年09月28日に公開されたものです