温厚な人の特徴8つ。イライラすることはある?
温厚な人に共通する8つの特徴を心理カウンセラーの秋カヲリさんが解説。怒ることはない? 性格のメリット・デメリットはある? 温厚な性格に見られる特徴を長所として伸ばすためのコツを紹介します。
温厚というと日本人らしく謙虚な印象もありますが、実際に「温厚だよね」といわれる人は、まわりからどんなイメージを持たれているのでしょうか?
今回は温厚だといわれる人に向けて、その特徴や性格の活かし方を紹介します。
「温厚」ってどんな性格?
温厚とは、穏やかでやさしく、情に厚い性格のことです。
にこやかでおとなしく、暴力的な態度をとらず、ぶっきらぼうな対応もしません。常に相手のことを考えて愛情深い行動する人が多いでしょう。
協調性が高い人によく見られる性格のため、比較的日本人に多い性格だともいえます。
温厚な人の8個の特徴
では、どんなタイプが「温厚な人」とされるのか、具体的な特徴を見ていきましょう。
(1)滅多に怒らない
温厚な人は滅多に怒らず、常に穏やかです。
会話の際は声を荒らげずにゆったりと落ち着いた声で話すので、柔らかい口調でまわりを安心させるでしょう。
そのため初対面でも打ち解けやすく、気難しい人の心も開かせるスキルを持っています。
(2)のんびり屋
温厚な人はのんびりした雰囲気があり、いつもゆったりとした立ち振る舞いを見せます。
バタバタしている場面でもひとりで寛いでいるなど、落ち着いた言動で周囲を和ませることもあるでしょう。
また、ふとした瞬間物思いにふけることがあります。自分の殻に閉じこもったり空想にふけったりして、じっくり物ごとを考えるのが好きなのです。
(3)我慢強い
温厚な人は自分よりも他人を優先するため、意見を一方的に主張したり、口をはさんだりすることがなく、とても我慢強い一面を持っています。
利他的な行動をとり、自分の願望をおさえて相手に譲ることもよくあります。
(4)気遣い上手
慈愛の心を持つ温厚な人は、まわりに気を遣いながら行動します。
困っている人を助けるのは当たり前で、とても親切なのが特徴。たくさんの人から頼りにされているでしょう。
(5)競争心がない
温厚な人はまわりと争うのを嫌います。
競争や口論を避け、なるべく穏便にことを運ぼうとするのです。
まわりが揉めていても加わることはなく、黙って見ているか、間に入って仲裁しようとすることがほとんどでしょう。
(6)愛情深い
温厚な人は慈愛の心を持っている傾向があります。
家族から愛されて育った人が多く、まわりにも同様に深い愛情を持って接することができ、物ごとも肯定的に捉えます。
(7)狭く深い交友関係
温厚な人は広く浅い関係よりも、狭く深い交友関係を好みます。
大勢でワイワイ騒ぐよりも、少人数でゆったりじっくり話すのが好きだからです。気が合えば長期的な関係を築き、親密な友人になるでしょう。
(8)直観力がある
温厚な人は常にまわりを見ているので、ちょっとした物ごとから状況を察知する直観力に優れています。人の感情にも敏感で、相手がどんなことを思っているか想像でき、気遣いある行動をします。
ただし、直観力があるとはいえ温厚な人は思慮深く、短絡的に行動することはほとんどありません。
相手の立場を考えて冷静に行動するので、行動のスピードは速くありませんが、人を傷つけることがなく、プライバシーにも配慮した行動をとります。
温厚な人診断
温厚な人の特徴が分かったところで、あなたの「温厚度」をチェックしてみましょう。10の質問で診断します。
落ち着いてる? あなたの「温厚な人度」を診断します。
温厚な人はどんな瞬間に怒る?
普段怒らない温厚なタイプは、どんなことで怒るのでしょうか? 実は、温厚な人が怒りやすいポイントがあります。
(1)空気が読めない言動をされた時
温厚な人は穏やかな環境を好みます。そのため自己中心的で協調性がなく、集団の輪を乱す人に対して怒りを感じる傾向があります。
また、騒々しい場や人混みが苦手なこともあり、空気を読まずに大きな声で話したり笑ったりと騒がしい人にも嫌悪感を抱くでしょう。
(2)プライベートに踏み入られた時
また、温厚な人は自分の世界を持っていて、ひとりで空想にふけることが好き。
無遠慮に自分のプライベート領域に入ってこられたり、プライバシーを侵害されたりすると強い不快感を覚え、怒ることもあります。
温厚な性格のメリット
続いて、さらに温厚な性格を知るためにそのメリットを挙げていきましょう。
(1)大きな失敗をしない
温厚な人は行動する前にじっくり考える慎重なタイプが多く、大きな失敗をすることは少ないもの。
入念に計画を立ててから行動するので、緻密な作業にも向いているでしょう。地道にコツコツ努力できる性格は、投資家にも向いています。
(2)調整役に向いている
協調性があり周囲の状況を踏まえて行動できるので、調整役や仲裁役に向いています。
双方にとってより良いことは何かを考え、うまく折り合いのつくポイントを見つけるのも上手。物腰がおだやかなので、ピリピリしやすいシーンでも場を和ませて丸くおさめる力があります。
(3)単独行動を楽しめる
自分の世界がありマイペースに物ごとに取り組むため、単独行動も楽しめる性格です。
ひとりでもいろいろな場所に出かけたり、新しいことにチャレンジしたりと自由に行動できる強さを持っているでしょう。
(4)まわりから頼られる人気者
温厚な人はいつも穏やかで優しく接することができるので、まわりから頼られます。
悩んだときや苦しいときに相談しやすい相手として人望を集めるでしょう。黙っていてもたくさんの人が集まってくる人気者の素質を持っているのです。
温厚な性格のデメリット
一方、どんなデメリットがあるのでしょうか。普段はあまり目を向けたくないデメリットとあえて向き合うことで、性格の特徴をより長所として活かすことができるのです。
(1)大勢で動くのが苦手
狭く深い交友関係を好む温厚な人は、大勢で動くのが苦手です。
これは人混みや騒がしい場が苦手で、ストレスを感じてしまう傾向があるからです。また、まわりに気を遣うため人が多いと気疲れしてしまうことも理由のひとつ。
仕事で大人数のチームに配属されてもなんとなく距離をとってしまい、積極的にかかわらず主体性に欠けることもあるでしょう。
(2)押しが弱い
日常生活では、押しが必要な局面があります。
営業職では最後のクロージングが必須で、クライアントの背中を押さなければなりません。恋愛でもアプローチするときはある程度の押しが重要で、引いてばかりではなかなか気持ちが伝わりません。ここぞというときはグッと押す力をつけましょう。
温厚な性格のデメリットを克服する方法
「大勢で動くのが苦手」「押しが弱い」といった性格の裏には、こうした性格のもととなる感情があります。
この感情に向き合うことが、温厚な性格のデメリットを克服するカギになります。
まず、デメリットとなる性格の裏にある感情を見つけます。
たとえば「大勢で動くのが苦手」なことの根幹には、「騒がしいと落ち着かない」といった感情があるでしょう。
次に、落ち着かない感情が生まれるきっかけになった出来事を考えます。「騒がしいカフェで仕事をしたら捗らなかった」などです。
そして「この出来事によって仕事が捗らなかったのではなく、自分の考え方によって仕事が捗らなかった」のだと本質的な捉え方をする練習をしましょう。
「カフェが騒がしくて仕事ができない」と考えるのではなく、「カフェのようなにぎやかな場所ではなく、静かな場所で仕事したほうが捗ることがわかった」と考えるなどです。
このように、同じ出来事でも自分の考え方次第で感じ方が変わり、イライラしなくなれば苦手意識もなくなるといったように、デメリットの解決につながります。
すぐには克服できないかもしれませんが、(1)感情→(2)出来事→(3)考え方の順番に分析し、少しずつ意識を変える努力をしましょう。
温厚な人は好かれやすい
温厚な性格の人は、基本的にまわりから好かれ、信頼されます。また、思いやりがあり思慮深い行動は異性の目に魅力的に映るでしょう。
その一方で意志がなく頼りない人だとも捉えられやすいので、時には自分の意見をしっかり伝えていくことが大切です。
自身の温厚さを長所にして、その魅力をより一層磨いていってくださいね。
(秋カヲリ)
※画像はイメージです
※この記事は2019年08月27日に公開されたものです