短気な人の特徴とは? 上手な付き合い方も解説
職場などに短気な人はいませんか? 仕事中、短気な人のイライラに付き合うのは疲れるもの。良い対処法があれば知りたいですよね。本記事では、短気な性格になる原因や心理、短気な人との付き合い方について、心理コーディネーターの織田隼人さんが解説します。
短気な人が近くにいると「ちょっとしたきっかけで怒り出したりして面倒くさい」と思うこと、あるかと思います。
そういった人を遠ざけることができればいいのですが、それが難しい場合も多いもの。
今回は、短気な人とはどんな人なのか、短気な人にどう対応していけばいいのかについて見ていきましょう。
短気な性格になる心理・原因とは?
すぐにイライラしてしまう、短気な人には共通した心理があります。
どんなものなのかを見ていきましょう。
(1)正義感が強く、自分自身を正義と考える傾向が強い
正義感が強く、悪に対して厳しい気持ちを持っています。
さらに、自分自身が正義でありたいなどの気持ちが強い人は、短気になりやすいです。
正義の反対は別の正義なのですが、自分自身が正義と思っている人はほかの正義を認めにくい傾向があり、その結果自分の思った通りにならないことに対して攻撃的になってしまうのです。
(2)疑心暗鬼になり、物事をマイナスに解釈しがち
まわりで自分の悪い噂をされているのではないか、と疑心暗鬼になりやすい人も短気になる傾向があります。
また、いろいろな意見に対して、自分を攻撃してきている言葉、自分を落とそうとしている言葉という風に受け取りやすい人も短気になりやすいです。
物事をプラスに受け取るタイプの人は相手の言葉を攻撃だと受け取らないので怒りっぽくなりづらく、一方、物事をマイナスに受け取るタイプの人は相手の言葉を自分への攻撃だと解釈し、それに対して反抗しようとして怒りをすぐに向けてしまうのです。
(3)悪い情報を仕入れるのが好き
怒りを表明するのは一種の快感です。
「けしからん!」ということで気持ちが一瞬晴れやかになります。
芸能や政治のニュースなどをたくさん見ていると問題点ばかり見えてきて、そして「けしからん」という気持ちがわいてくるもの。
その気持ちをそのまま「これじゃダメだ!」と表現することは一瞬の快感になりますが、これを繰り返すと徐々にすぐに怒る性格になってしまいます。
(4)理想が高い
理想が高すぎるのも、短気な性格につながる可能性があります。
自分の中で「こうあるべき」という高い理想があると、それを満たしていないと許せない気持ちが湧いてきてしまうのです。
もちろん適度な目標を抱くのは良いですが、簡単にはかなえられないような理想を追っていると、いつまでも満たされずストレスを感じやすくなるでしょう。
(5)幼少期に急かされて育ってきた
幼少期に親からいつも急かされていたせいで、短気になる人もいるようです。
急かされていたそのペースが「通常のペース」という感覚になっているので、周りとのペースにギャップを感じ、イライラしてしまうのでしょう。
また、長い間そのペースで生活してきたため、なかなか周囲のテンポに合わせるのが難しく感じます。
(6)忙しすぎて心に余裕がない
忙しすぎて心に余裕がないと、ちょっとしたことでカッとなってしまいがち。
職場にいる短気な人は、もしかしたら業務や責任を抱えすぎてキャパオーバーになっているのかもしれません。
また、普段は穏やかな人でも、あまりに忙しいと一時的に短気な性格となる可能性もあります。
短気な人の特徴
短気な人にもいくつかわかりやすい特徴があります。
どんな人が短気なのかがわかれば、注意すべき相手かどうかも判断ができます。
(1)神経質で細かいところまで気になるタイプ
神経質で、細かいチェックなどもしてダメ出しをするタイプは、短気になりやすいといえます。
神経質というのは問題を感じやすい性質を持っているということで、それだけ毎日問題を感じてその分ストレスにさらされています。
たくさんのストレスにさらされているので、ほかのストレスに対するキャパシティが少なく、ちょっとしたことでストレスがあふれてしまうので短気になってしまうのです。
(2)小心者なタイプ
小心者の傾向がある人も要注意といえます。
小心者というのはいつもどこかに自分のミスがないか、自分が危険に脅かされていないか怯えてストレスを抱えている、ということです。
心が安まる時間が少ないので、そのぶんストレスのキャパシティが小さくなってしまいます。
(3)上下関係に厳ししい
上下関係に厳しい人や、権威や権力に弱い人も短気になりやすい傾向があります。
上下関係に厳しいと、上の人の言うことは、たとえ自分が受け入れられないことでも聞き入れて実行します。
ただし内心では納得できずに相手の意見を受け入れているので、その分自分にストレスが残ります。
そして、そのたまったストレスを他人、特に自分より立場が下の人に向けて発散してしまうことが多いです。
短気の原因は上司ですが、短気を向ける相手が部下だったりするのです。
(4)せっかちな人
信号待ちをしているときにイライラしたり、車の渋滞や人の行列でイライラしたりするようなタイプも短気になりやすいです。
せっかちな人は「効率よく動かないとストレスを感じる」傾向があり、その結果すぐに怒ってしまうのです。
時間に余裕がないということは心にも余裕がないということ。
せっかちな人は時間の余裕とともに心の余裕も失ってしまっているのです。
(5)自分の能力以上のプライドの高さを持っている
プライドは自分の能力に合う程度の高さであれば問題ないのですが、自分の能力以上にプライド、つまり自尊心が高くなってしまうと、プライドに能力が釣り合わない状態になってしまい「こんなはずじゃない」と自分自身にストレスを向けてしまうことになります。
そして、まわりから少しでも能力のことについて指摘されたりすると「図星」になるのですが、心が相手の言い分を受け入れられないので怒り出してしまいます。
怒ることで自分の能力がプライドに釣り合っていないことを自分自身にも相手にもごまかそうとするのです。
(6)他人の言葉に耳を傾けない
短気な人は待つのが苦手で、人の話を最後まで聞くのもなかなか辛抱できません。そのため、途中で人の話をさえぎったり、そもそも話す隙を与えなかったりします。
このように人の意見へ耳を傾けないので、偏った考え方になってしまうことも。
また、自分の成長につながるアドバイスも受け取れないので、能力アップのチャンスも逃してしまいがちです。
(7)怒りをすぐ人にぶつける
多少イラッとしても、すぐ表情や態度に出す人はあまりいないもの。しかし、短気な人はその我慢ができないので、怒りをすぐ人にぶつけてしまいます。
例えば、仕事が遅い人に対して「なんでこんなこともできないの!」などと厳しい口調で言ったり、自分の進路をふさいで歩いている人に「邪魔!」と怒鳴ったり。
そのため、周囲からは「怖い人」として見られている場合もあります。
(8)自分を客観視できない
自分を客観視できていれば、「周りに対してせっかちになりすぎているな」と気づいたり、そのペースを修正したりできます。
逆に、自分を客観視できないと短気なまま突っ走ってしまいます。
つまり短気な人は、自分を客観視するのが苦手な人といえるでしょう。
(9)とにかく早く行動することが目的になっている
短気な人は、「仕事を早く終わらせて早く恋人に会う」ことでも「雑用をさっさと片づけて早く寝る」ことでもなく、「とにかく早く行動すること」が目的になっている場合があります。
そのため、特に差し迫った理由がなくても常にせかせかしているでしょう。これが通常運転になっている人は、ハイペースで動いていないと逆に落ち着かないようです。
【短気な人診断】あなたやあの人はどれくらい短期?
ここまで読んで、自分や身近な人が短気な性格に当てはまるのか気になった人はいるでしょう。
以下の診断では、10の質問で短気な人度を診断できます。興味がある人は試してみてください。
▶次のページでは、短気な人の恋愛傾向を紹介します。
短気な人の恋愛傾向
ここでは、短気な人の恋愛傾向を紹介します。
(1)嫉妬深い
短気な人はプライドが高く、他人をライバル視する傾向にあります。そのため、恋愛でも恋人が自分以外の人に優しく接していると「負けた」と思って焦るようです。
やましいことがないとしても、恋人が他人と関わりを持っているだけで不安になり、嫉妬してしまうことが多いでしょう。
(2)デートで険悪なムードになりがち
短気な人は自分のペースで動きたいので、長時間並ぶ必要があるテーマパークや人混みが多い話題のスポットなどが苦手です。
そのような場所でデートをすると、イライラが募って恋人に八つ当たりしたり不機嫌になったりと、せっかくのデートが険悪な雰囲気になることがあります。
(3)傷つきやすい
短気な人の中には、否定されることを過剰に嫌い、自分を守るため攻撃的になっている人もいます。
このような人は傷つきやすく、恋人のちょっとした一言で自分を全否定されたような気分になるかもしれません。それが原因でますます気持ちに余裕がなくなることもあるようです。
▶次のページでは、短気な人との付き合い方を解説します。
短気な人との付き合い方
短気な人とはできる限り接しないほうが気は楽になりますが、世の中どうしても短気な人はいますし、仕事や家族、友人間系で接しなければいけない機会もでてきます。
そこで、短気な人とはどのように接すればよいのかを見ていきましょう。
(1)反撃して“対等以上”の上下関係を作っておく
短気な人は反撃できない人に向けて怒りを表現することが多いです。
怒りを表現したらやり返してくるような人に対しては我慢しており、だからこそ余計に怒りやすい人に対して強い怒りを向けています。
そこで、しっかりと一度反撃して“自分は対等以上の関係である”ことを見せつけておくと、相手の短気が発動した際の怒りに触れることが少なくなります。
(2)指摘をするなら、あとでこっそりと
短気な人は自分が正しいと思っていて、自分の能力が足りていないことを指摘されると怒り出すことが多いので、人の前ではまちがいを指摘しないほうがよいでしょう。
あとでこっそり相手が落ち着いているときに「これを足しておくと、今の内容がもっとよくなるかもしれませんよ」とアドバイスするといいでしょう。
(3)ママになってあげる
これはあくまでも相手によりますが、短気な人は甘えん坊な性質も持っています。
自分を受け入れてくれる人が少ない、と本人もわかっているので受け入れてくれる人が出てくるとすごく甘える性質を持っています。
短気な人に対して「私はこの人のママなんだ」と思ってやさしく対応すると、思いっきり甘えてきて扱いやすくなります。
ただ、この方法は相手に依存されるやり方でもあるので、しっかりとした長期間の付き合いをしたい人以外にはやらないようにしましょう。
(4)職場の短気な上司や先輩などを味方につけておく
短気な人は上下関係をしっかりと守る人も多いので、短気な人の上司や先輩を味方につけておき、仲のよさを伝えておくとよいガードになってくれるでしょう。
あの人は攻撃してはいけない相手、と短気な人から認識されれば、その分怒りの矛先を向けられずにすむことになります。
(5)おだてたり、ほめたりする
短気な人と短気的にうまく接するためには、短気な人の機嫌をよくすることが効果的です。
長期的にはそれほど効果はありませんが、おだててあげたり、ほめてあげたりすることで機嫌がよくなり短気な人のストレスが一時的に減ることで、その場では怒りづらくなり接しやすい状態を作り出すことができます。
(6)短気な人が怒るポイントを覚えておく
短気な人がどんな時にどんなことをすると怒るのか覚えておくのも有効な方法といえます。
こうすれば地雷を踏むリスクを下げられるので、短気な人から怒りを向けられる頻度も下がるでしょう。
また、機嫌が良さそうな時を見計らって話し掛けるのも、怒られにくくするポイントです。
(7)適度に距離を置く
これらの方法を試しても、短気な人との付き合いがうまくいかないこともあるでしょう。そのせいで「もう疲れた……」と感じてしまう人もいるはず。
こうなったら、うまく付き合うのは諦めて適度に距離を置くのも手です。
会話は必要最低限にとどめ、対面で怒られるストレスを減らすためなるべくメールなどでやりとりするのもおすすめです。
短気な人に振りまわされないようにしよう
短気な人と付き合うと自分自身にもその短気な気持ちが移ってしまうことがあります。
そうならないためにも、短気な人とは距離を置いて付き合い、それが無理な場合には短気な人が怒らないような環境をつくることにも取り組んでみましょう。
みんなが短気になったら、それはそれで住みにくい世界になってしまいます。
日々ほっこりするようなリラックスできる環境を、ちょっとでもいいのでつくっていきましょう。
(織田隼人)
※画像はイメージです
※この記事は2019年07月31日に公開されたものです