空気が読めない人の特徴とは。気が利かない原因と職場での対処法
空気が読めない人とは、場違いな発言や行動をしてしまう人のこと。身近にいると、人間関係のコミュニケーションで悩まされることもあるはずです。この記事では、空気が読めない人の特徴と原因、職場での対処法について、OLコラムニストのぱぴこさんが解説します。
「空気は読むものじゃなくて、吸って吐くものだ」
この台詞は、2019年7月現在放映中のドラマ『凪のお暇(なぎのおいとま)』の、空気を読み過ぎる主人公、凪の台詞です。
空気を読み過ぎてつらくなる凪には申し訳ないですが、職場で「空気を読んで、ケアしてくれる人」がいるのは、周囲としては非常に楽です。
反対に、職場にいると頭を悩ます種になるのは「空気が読めない人」。
悪気や悪意がない分、本人は自分の欠点に気がつきにくい点も困りもの。
しかも、周囲は「空気が読めない人」がそのつもりがなくふんだ地雷によって作り出された雰囲気の悪い状態にとまどったり、ケアするために余計な手間がかかったりします。
そんな「まわりにいると正直困る」、空気が読めない人の特徴と対処法を見てみましょう。
空気が読めない人の特徴とは
まずは「空気が読めない人」の特徴について詳しく見ていきましょう。
(1)空気が読めないという自覚がない
最大にして最強の特徴は「自覚がない」ということです。
先に述べたように非言語コミュニケーションは「わかる人にはわかるし、わからない人にはわからない」類のものです。
空気が読めない人は、相手のちょっとした声の抑揚の変化や、表情のちがいをスルーしてしまうため、自分自身に「そもそも問題がある」ということに気がつきにくいのです。
(2)会話のキャッチボールが下手
空気が読めないということは、はっきり言ってしまえば「コミュニケーションが苦手」ということになります。
相手が盛り上げてほしい部分や、スルーしてほしい部分を読み取る能力が低いため、相手が「しゃべりたい」ことをさえぎったり、逆に「スルーしてほしい」と思っている地雷な話題を深堀りしたりします。
会話が楽しく、盛り上がる状態は「お互いに心地いいテンポで会話を続けられる」状態ですが、空気が読めない人は「お互いに心地いい」状態の検知能力が低いため、会話の型を無視したコミュニケーションをする特徴があります。
(3)自己中心的で気が利かない
2の「会話のキャッチボールが下手」に通じるものがありますが、空気が読めない人は「相手と自分との会話」を考えたり、感じ取ったりする能力が低いため、自分の楽しさを優先してしまう自己中心的な傾向があります。
そのため「自分が話していて楽しい」というスイッチが入ると、相手の反応が微妙でもずっとしゃべり続けてしまい、逆に「自分がつまらない」と感じると笑顔や相槌(あいづち)をうつことなく、無表情をつらぬいてしまいます。
それは相手にとって「気が利かない」と取られてしまうことも。
(4)真面目で頑固。意見を曲げられない
物事を真面目にとらえるため、視野がせまくなり、自分と異なる意見の人たちを受け入れられずに怒ってしまったり、不機嫌さを表してしまったりする場合もあります。
自分の意志、意見を曲げないことは、美徳のひとつでもありますが、「通す、通さない」の判断がなく「いつでも自分の信念をつらぬき通す」という態度は、空気が読めない人だと敬遠される可能性や、相手や周囲の人間を困らせる可能性があります。
あなたは大丈夫? 空気が読めない度を診断でチェック
空気が読めない人の特徴を見て、もしかして自分にも当てはまるかも……と思った人は下記の診断もチェックしてみてください。10の質問であなたの「空気が読めない度」がわかります。
なぜ? 空気が読めない原因
そもそも私たちは何を指して「空気が読めない」という表現をするのでしょうか。
「空気が読めない」とは、その場の雰囲気や状況といったニュアンスを察する能力が低いことをいいます。
「その場のニュアンスってなんだよ」という気もしますが、人は言語以外のさまざまな要素で、相手の感情やその場の空気感を感じとるものです。
具体的にいうと、表情、声の抑揚、身振り手振りなどから情報を読み取っています。
これらの非言語コミュニケーションをノンバーバルコミュニケーションといいますが、「空気が読めない人」はこのノンバーバルコミュニケーション能力が低いといえます。
▶次のページでは、空気が読めない人への対処法を紹介します。
空気が読めない人への対処法
あまりに「空気が読めない人」がいると、あらゆる場面でフォローが必要だったり、ぎこちない空気の中で居心地の悪い思いをしたりと、つらくなってしまう可能性があります。
とはいえ、本人に悪気や自覚がない場合は「今日指摘して、明日直る」というものでもありません。
どう対処すればよいのでしょうか?
(1)距離を置き、あまり関わらないようにする
業務上の必要最低限の接触に留め、空気が読めない人とは極力関わらないようにするというのがひとつの対処法です。
根本的な解決にはなっていませんが、「空気が読めるかどうか」とはコミュニケーション力に依存するため、一朝一夕で改善する問題とはいい難い、難しい問題です。
であれば、他人の改善に期待するより「触らぬ神に祟りなし」を標語に、あまり関わらない道を選ぶのが、有効な対処法です。
よくも悪くも「鈍感」な空気が読めない人は、「避けられている」ことにも気がつかない可能性があり、何も気にせずに話しかけられる可能性もありますが、その際は深入りせずに流すようにしましょう。
(2)徹底的に聞き手にまわる
空気が読めない人が、空気を読めずにその場をクラッシュさせた場合、「自分が修復せねば!」と焦るのではなく、その場の空気にまかれるというのも手段のひとつです。
また、相手が失礼なことを言ったり、地雷をふむ可能性はあるにせよ、「自分からは話を深堀りせず、相手の話を聞くことに注力する」ことで、話をさえぎられたり、無視されたりというダメージの大きい「空気の読めない態度」に凹むことがなくなります。
大ダメージを受けないように、受け流せる程度のダメージを取りに行く「損して得取れ」という対処法です。
(3)コミュニケーションのかけちがいを説明する
相手が後輩といった面倒を見るべき相手や、続けていきたい友人関係の場合は、「空気が読めていない」ことをきちんと伝え、どうすればコミュニケーションのかけちがいが起こりづらくなるのかをその都度伝える、という対処法もあります。
スルーするのではなく、徹底的に向き合って改善してもらうことに協力するということです。
これは非常に骨が折れるので、「やるべき相手なのか、やる必要があるのか」はよく考える必要があります。
しかし、悪気はないが空気が読めないことで損をする相手を助け、よりよい人間関係を築く可能性のある、一番希望がある方法です。
空気が読めない人とは適度な距離で付き合うのが吉
職場で「空気が読めない」人がいると、自分自身がいやな思いをするだけでなく、所属するチームや部の空気が悪くなる可能性があります。
これは正直、厄介です。
空気が凍ればヒヤヒヤしますし、自分の地雷をふまれると気分が悪い。
しかし相手も大人なので、そう簡単に変わりませんし、相手の「変わる」ということに期待したり、できないことに腹を立てたりしてもいいことがありません。
そのため、基本は「仕事自体に影響がないなら、スルーが一番」です。
空気が読めないことで、顧客などに失礼がある場合は上司にエスカレーションして対処してもらうしかありません。
関わり方に困る「空気の読めない人」ですが、悪気がない「そういう種族」として切り離し、自身のスルースキルを磨くようにしましょう。
(ぱぴこ)
※画像はイメージです
※この記事は2019年07月30日に公開されたものです