「結婚を断る男性」の根本的な心理
自分から彼氏に満を持してプロポーズをしたのに、断られた。辛いし悲しいけど、まだ諦めたくない。そんなとき、どうしたらいいのでしょうか。恋愛コラムニストの藤本シゲユキさんに「プロポーズを断られたときの対処法」を教えてもらいました。
一昔前は、「プロポーズは男性がするもの」という偏った風潮が一部ありましたが、現代においてその定義は崩れ去ってきています。
「チャンスは自分でものにする」という考えの女性の中には、結婚したいと思える男性が見つかったら、逆プロポーズもいとわないという方も多くいらっしゃいますね。
しかし、逆プロポーズをして断られてしまった場合、そのあとにできることはあるのでしょうか?
今回は、「彼氏にプロポーズを断られた。その理由と今後すべきこと」について、お話ししたいと思います。
プロポーズを断る彼氏の心理
これは3つに分かれます。
1.そもそも結婚願望がない
全員がそういうわけではありませんが、女性と男性の結婚に対する考え方のちがいに大きな差があることは正直否めません。
多くの女性が結婚にいいイメージを持っているのに対し、多くの男性が結婚に悪いイメージを持っているのは、みなさんもどこかで聞いたことがあるかもしれませんね。
具体的にいうと、女性は「結婚したい」と思っているのに対し、男性は「結婚したくないけどいつかはしないといけないもの」という認識である場合が多い。
たとえるなら、多くの男性にとって結婚とは、「行きたくないけどいずれ行かないといけない」という、とある国の徴兵制度みたいなものだといえるでしょう。
中には、「結婚は絶対にしない」と決めている男性も現代では多く、その一番の理由として大きいのは、まわりの男友だちや仕事仲間で、結婚して幸せそうにしている男性がほぼいないということなんです。
僕が会社員勤めをしていたとき、同じような経験をしたことがありますが、仕事が終わって、その場のノリで「今日飲みに行くか!」となることがよくありました。
しかし、奥さんがいる同僚の男性は決まって、「嫁がうるさいから」「嫁に聞いてみないとわからないから」「お小づかいが今月やばいから」というように断っていました。
そういった既婚男性を見て、結婚に対していいイメージが持てないのは当然で、ほかのケースだと、夫婦仲が悪い両親の元で育った人も、結婚にいいイメージを持てない場合が多いようです。
近年では、女性もそういう人が増えているようですね。
2.結婚に対する不安が払拭できない
前述した、「結婚したくないけれど、いつかはしないといけない」と考えている男性のほとんどは、結婚に対して次のような不安を感じています。
ひとつ目は、お金に対する不安
年収が低い男性の多くは、「ひとりでも生活するのが大変なのに、今は結婚なんて到底考えられない」と思っていることが多いとよく聞きます。
たとえ、女性側が共働きを提案してくれていたとしても、子どもが生まれたときのことを考え、一家の主として家族を守っていかないといけないプレッシャーや責任を考えると、そんな簡単に結婚へ踏み切ることができない男性が多いのは当たり前だといえるでしょう。
また、年収が低い人ほど、お金に対する不安を感じている傾向があります。いくら結婚したいと思っている男性がその中にいたとしても、なかなか結婚に踏み込めないのは当然というわけです。
2つ目は、束縛に対する不安
これは、結婚することによって、今までの自由が奪われるかもしれないという不安ですね。
交際相手の女性が依存心が強く束縛がきついと、その不安が増幅されるのは当たり前。前述したような、奥さんが厳しい既婚男性に結婚後の自分の未来を当てはめて考えると、ありありとそのイメージができてしまうわけです。
3つ目は、行事に対する不安
結婚式、年末年始の挨拶やお盆の帰省など、パートナーの両親が絡むイベントに対しての不安です。
こういったイベントは独り身でいると発生しないので、これは不安というより、ただひたすら「面倒」にしか思えない男性が多いようですね。
実際に、「お盆に嫁の実家に行かなきゃいけないんだけど、なんで貴重な休みをそんなことのために使わないといけないんだ」と言ってた知人男性が何人もいたので、別に珍しいことではないと思います。
以上が、結婚を躊躇する男性が考える3つの不安になります。
「どうしても結婚したい」と考える女性からすると、想像できなかったことかもしれません。
しかし、自分がほしいものが必ずしも相手もほしいと思っているわけではないので、ほしいと思わない人には、それなりの事情があるということですね。
3.そもそも、彼女と結婚したいと思えない
残念ながらそういうことです。
つまり、交際相手に、「結婚してもいい」「結婚したい」と思わせるだけの決め手がなかったということです。
その決め手となるものに正解はないので、人それぞれ結婚相手に求めるものはちがうのですが、「その人から見て」足りない部分があるのだとしたら、結婚したいと思えないのは当然というわけです。
交際期間が長いという理由だけで、「いつか彼氏が結婚してくれるかも」という期待をしている女性がいますが、世の中には相手の時間を奪っていることに対して、なんの罪悪感もない人が少なからずいるので、そういう人にとっては、付き合いの長さはなんの決め手にもなりません。
一度でもプロポーズを断られたら、結婚できる確率は低い
身も蓋もないことをお話しさせていただきますと、そのまま付き合い続けるのも、諦めてほかの人を探すのも、結婚自体を諦めるのも、自分で決めるしか方法がありません。
なぜなら、正解がまったく存在しない上に、断られた人の努力次第でどうにかなるかというとその可能性は低いことが多く、最終的には「相手に賭ける」になる場合が圧倒的に多いからです。
つまり、厳しい現実として、プロポーズを断られてOKをもらうためにがんばったからといって、成功するとは限らないので、完全に相手次第で結果が変わるということなんですよ。
ひどく夢がないことをお伝えしているので心苦しいですが、逆プロポーズをしている・していないにかかわらず、「結婚できない」と宣告された女性のほとんどが、その後、同じ相手と結ばれたケースが少ないという事実があります。
とはいえ、「断られたらはい次」と片付けてしまうのはあまりにも投げやりなので、前述した「結婚願望がない」「彼女と結婚したいと思えない」という事例に該当しないのであれば、まだ望みはあるかもしれません。
相手に「結婚願望がない」場合は、そもそも結婚自体したくないということなので、心変わりを期待するのは時間の無駄だと思ったほうがいいでしょう。
そして、「彼女と結婚したいと思えない」場合は、残念ながら、相手から見た足りない部分があるということなので、その部分をもし補えたとしても、すでに相手は「足りないもの探し」をはじめてしまっています。
そうなると、相手の要求どおり改善したとしても、あら探しが止まらないため、「どこかに結婚できない理由があるにちがいない」という証拠探しを無意識にしてしまうんですね。
たとえば、パクチーが嫌だという人がいるとします。
「存在が強烈すぎて、味も匂いもだめ」と言われたので、風味を抑えて匂いを消したとしましょう。
でも、この時点でパクチーの魅力はなくなってますし、この人がパクチーを好きになる可能性って低いですよね。
なぜなら、この人からすると、「別にわざわざパクチーを食べなくても、大葉とか食べておけばいいじゃん」という話になってくるからです。
わざわざ自分を押し殺してまで相手の要求に答える必要はないですし、あなたの魅力をわかってくれて受け止めてくれる人を探したほうが身のためです。
なので、この場合も相手の心変わりを期待しないほうがいいでしょう。
では、望みがあるケースはなんなのかというと、「仕事が落ち着くまで待ってほしい」「○年後まで待ってほしい」といった、「結婚する気はあるけれど、今はタイミングじゃない」という場合です。
ただ、「将来仕事がどうなるかわからないから待たせても悪い」「いつこの状況が落ち着くかわからない」というように、先が見えない返答だった場合は、完全に相手に賭けることになってしまうので、望みがないわけではないけれど、リスクはありますね。
とはいえ、たとえ望みがあるケースだったとしても、なかったとしても、どうなるかはそのときになってみないと、未来のことなんて誰にもわかりません。
ひとつ言えることとしては、はっきりと断られた場合でも、やんわり濁されて断られた場合でも、「いつか心変わりをしてくれるかも」という期待を抱いて、相手の心変わりを待つのであれば、完全なる自己責任だということをお忘れなく。
僕は、「だから言うたやろ?」と言いたくないので、たとえ非難されようが、現実的なことばかりを書いています。
もし、もう一度プロポーズする場合は、3カ月後に
相手のそばにいるかぎり、たとえ一度プロポーズを断られたとしても、時間を置いてからの再プロポーズは別にしてもかまいません。
断られた理由がなんであれ、「再プロポーズしてはダメ」なんてことはありませんからね。
とはいえ、相手に結婚願望がない場合は、本当に結婚自体をしたくないということなので、結果は変わらないと思っておいたほうがいいでしょう。
その上で、再度、逆プロポーズをするのであれば、3カ月ほど経ってからもう一度してみましょう。
言い方に正解不正解はないので、うまくいかせることばかり考えないでください。
こういった場合にかぎらず、なんでもそうですが、うまくやろうとしたことは失敗することが多いという事実があることを忘れてはいけません。
大事なのは、「結婚したいという熱意」と「私と結婚したらこんなにメリットがある」といったことを提示できる「プレゼン力」です。
それに加え、「普通の形式の結婚生活が嫌だったら、週末婚でもいいよ」「お小づかい制はやめて財布は別々にしよう」といった、「提案力」も、別途あるといいですね。
「なんか無理やり結婚してもらってもなんか嫌だ」と言う女性がいますが、大事なのははじまりじゃなくて、結婚後、いかに「幸せな家庭を形成していくか」なんですよ。
数年後に、「なんだかんだ言っても、お前と結婚してよかったよ」というようなセリフを相手から聞ければ、その結婚は正解といえるのではないでしょうか。
結婚したからといって幸せなわけではない
以上が、「彼氏にプロポーズを断られた。その理由と今後すべきこと」になります。
僕がくどいぐらいに言っていることではありますが、結婚したからといって幸せになれるわけじゃないので、その点は忘れないでください。
結婚後に待ち受けている困難や、逃げたくなるような都合の悪いことを、向き合って話し合いを繰り返し、解決して乗り越えられる男女じゃないと、幸せになるどころか結婚生活自体がうまくいかないので、ご注意を。
(藤本シゲユキ)
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※この記事は2019年06月28日に公開されたものです