同棲すると「結婚が遠のく」3つの理由
カウンセリングをしていると、「結婚前に同棲をしてもいいのでしょうか?」というご相談をいただくことがよくあります。今回の記事では、結婚前の同棲についてのメリットやデメリットについてお話させていただきます。
結婚前に同棲するメリット
僕個人の見解としては、結婚前に同棲しないのは、内覧せずに家を買うような危険行為だと思っています。
なぜ結婚前に同棲したほうがいいのか、そのメリットをまずはご説明させていただきますね。
(1)相手との生活スタイルの相性がわかる
一番の理由はこれに尽きると言っていいでしょう。恋人同士で旅行すると、今まで知らなかった相手の一面を見てケンカすることがあるとよく聞きますが、同棲生活は、否が応でも相手のそういった一面を見てしまいます。
生活リズム、食の好みや価値観、家事の方法など、こういったことがズレればズレるほど、どちらかの人間が同棲生活にストレスを感じる傾向にあるようです。
長時間一緒にいてお互いがストレスを感じないかどうかはものすごく重要です。生活スタイルの相性がいいカップルなら、部屋が多少狭くても共同生活を運営できますし、相性が悪いカップルなら、たとえ広々とした3LDKの部屋で別々に暮らしていたとしても、同じ空間にいるというだけでストレスを感じます。
いくらお互いのことを知っているといっても、一緒に住まないとわからないことのほうが多いです。もし、同棲をせずに結婚をして相性が最悪だった場合のことを想定して、僕は結婚前の同棲を推奨します。
(2)金銭的な負担が減る
これも大きいです。もともと実家住まいだった人や、カップルの収入格差が激しい場合は当てはまらないかもしれませんが、家賃や光熱費、食費や雑費を折半にすることを最初に決めておけば、金銭的な余裕がかなりできますし、浮いたお金を結婚資金や2人の将来のために貯蓄することも可能です。
また、恋人の金銭的な価値観も同棲生活を通じて知ることができますね。
(3)物理的な距離が近いので寂しさを感じにくい
寂しがり屋の女性にとっては最大のメリットになるといってもいいのではないでしょうか。
そしてこれは女性だけに限らず、ひとり暮らしが長かった男性だと、「家で待っていてくれる人がいる」という安心感はかけがえのないものです。
とはいえ、これは同棲して最初の数カ月限定の楽しさであることが多いです。この楽しい期間だからこそ、今後のことを踏まえていろんなことを話し合っておくことをおすすめします。
結婚前に同棲するデメリット
それでは次に、結婚前の同棲によるデメリットを3つお話ししたいと思います。
(1)結婚が遠のいてしまう
結婚前に同棲することの一番の不安材料といっていいかもしれません。
ただ、なぜ遠のいてしまうのかという理由は明確です。
・一緒に生活をして結婚したいと思えなくなった
・もともと相手に結婚願望がないまま同棲してしまった
・同棲生活が長くなり、惰性で一緒にいるようになってしまった
という3つのどれかです。
(2)小さないさかいが増える
一緒に生活をしていると、いつもなら怒らないようなことでもイラッとすることがよくあります。晩ごはんを何にするかで喧嘩になったという話はよく聞きますね。
これも根本にあるのは前述したように生活スタイルの相性です。小さな問題が積み重なり、いつの間にかイライラに変換されます。たとえ小さな問題であったとしても、その都度話し合って問題を解決することが大切です。
生活スタイルが完全に合致するなんてことはほぼないと思っておきましょう。些細なことであったとしてもお互いが話し合う習慣を作っておくことで、こういった問題だけではなく、大きなトラブルが起こったとしても、解決に向けて話し合うことが可能です。
(3)相手を性的な目で見られなくなることがある
これもよくありますね。恋人のだらしない部分や萎える部分を見続けていると、だんだんと性的な目線で見られなくなってしまい、セックスの回数が激減したり、そのままレスになったりします。
ルックスの劣化が代表的な例だと思われがちですが、人それぞれ「そういうことされると萎えるわ~」というポイントがちがいます。
たとえば、家の中でオナラを頻繁にする彼氏に萎える女性もいれば、冷蔵庫の開け閉めを足でする彼女に萎える男性もいるので、一概にルックスの劣化が原因とは言えません。
同棲する前にしておくべきこと
同棲する前にこれだけはしておいたほうがいいというポイントを5点お話しさせていただきます。
(1)同棲期間を決める
結婚前の同棲によるデメリット(1)を防ぐためにも、同棲する期間は一緒に住む前に決めておいたほうがいいでしょう。
そして2人で決めた期日がきたとき、問題がなければ結婚に踏み切ると約束しておくことも大切です。
(2)生活のルールを決める
これを決めていないカップルや夫婦がものすごく多いです。
ルールを決めていないからこそ、人それぞれ解釈のちがいによって起こる問題があるのではないでしょうか。
お互いがお互いに向けて「してほしくないこと」や「してほしいこと」を同じ数だけ出し合って、生活ルールを作ることをおすすめします。
(3)同棲前に相手の親に挨拶する
こういった挨拶の場は、ただの顔合わせで済ませてはいけないと僕は考えます。
なぜなら、結婚というものは当事者同士の問題だけではなく、相手の親族も絡んでくること。なので、相手の親との相性が悪ければそこから問題が派生して、最悪の場合は離婚になってしまうからです。
挨拶をしたからといって、相手の親のすべてがわかるわけではありませんが、なんとなく受け入れてもらってないなと感じた場合、彼氏の親に対する対応を見ておきましょう。
こういった部分を見ておくと、結婚後に相手の親との関係がもしうまくいかなかったとき、彼氏があなたのことを守ってくれる人間かどうかの判断材料になります。
そもそも、「うちの親、こういうところあるけど大丈夫?」「もしうちの親がこういうことしてきたらどう対処する?」など、結婚前にお互いの親のことをしっかり話し合わないまま結婚しているカップルが世の中に多すぎます。
(4)萎えるポイントが出てきたら注意すると決めておく
レス防止のために、お互いのどちらかが萎えるようなことをしてきた際に「そういうことをされると女(男)として見られなくなるからやめてほしい」と伝え合うことは非常に大事なことです。
パートナーがセックスをしてくれないからといって、「私のこともう好きじゃないのね!」とか「俺のこと愛してないのか?」なんてことを言う人がいますが、そこに愛だの恋だの関係ありません。
相手のことを「エロい目」で見られなくなっただけです。
(5)どちらかが結婚できないと思ったら、そのときにちゃんと相手に伝えると決めておく
「そんなうしろ向きなことを決めるのは嫌だ」という声が聞こえてきそうですが、こういったことを最初に決めておかないから、どちらかが結婚に期待して、もう一方の人間が結婚する気もないのに惰性で一緒に住み続けるという状況になってしまうわけです。
そんな状態になってしまった場合、結婚できたとしてもうまくいくはずがありません。
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「結婚=幸せ」とは限らない
以上になりますが、結婚すれば必ずしも幸せになれるわけではありません。結婚して得られるものは何かというと、「結婚できた」という安心感だけです。
「まわりのみんながしているからどうしても結婚したい」という「みんな持っているからゲームボーイがほしい」というような理由で焦って結婚した女性の多くが、選ぶ相手をまちがっているため、夫婦生活がうまくいっていないという現実があります。
そうならないためにも、結婚前の同棲生活は、お互いがお互いのことを「この人だったらずっと一緒にいてもかまわない」と確認するために必要なことではないでしょうか。
同棲生活でうまくいかないことが結婚後にうまくいくわけないですし、「結婚したら変わるはず」という期待なんてただの幻想ですよ。
(藤本シゲユキ)
※この記事は2019年03月07日に公開されたものです