「アホ毛」を見つけてしまったときの対処法
毛髪診断士の齊藤あきさんに「アホ毛ができる原因や対処法」を聞いてみました。
頭頂部の毛の一部がぴょこんと立ち上がる「アホ毛」。漫画やアニメのキャラクターはアホ毛があるとかわいらしく見えますが、実際は整っていない、だらしないといった印象を受けるもの。リアルなアホ毛はできれば抑えたいところですよね。そこで今回は、毛髪診断士の齊藤あきさんに「アホ毛ができる原因や対処法」を聞いてみました。
アホ毛とは?
そもそもアホ毛とはなんなのか、またなぜアホ毛が立ってしまうのでしょう。詳しく教えてもらいました。
アホ毛の意味と種類
アホ毛というのは、髪の表面に立ってしまっている短い毛や、うねりが出ている短い毛のこと。こうした髪はまとまりにくいため、パサついてボサっとした感じに見えやすくなります。見た目の美しさも半減し、セットもしづらくなってしまいます。
アホ毛には大きく3つの種類があります。
生えかけの髪の毛
成長している途中の短めの毛が立ってしまっているものです。
傷んでで切れてしまった髪の毛
カラーリングやパーマ、紫外線によって毛が傷み切れてしまっているものです。
うねって生えてしまった髪の毛
毛穴に皮脂がつまることでうねって生えてしまっている毛です。
アホ毛が出てしまう大きな原因とは?
次の3つが考えられます。
(1)髪や頭皮の乾燥
髪や頭皮が乾燥して水分がなくなると、静電気が起きやすくなって短い毛が立ち上がりやすくなります。冷暖房が効いている部屋にいても、空気が乾燥して髪も乾燥し、アホ毛が目立つことがあります。また、ナイロンや樹脂素材のブラシは摩擦で静電気が生じやすいため、そうした製品を使うことでも短い髪が立ちやすくなります。
(2)髪のダメージ
カラーリングやパーマ、紫外線などでダメージを受けた髪はキューティクルが剥(は)がれやすくなります。すると、髪表面がけば立ち、アホ毛が立ちやすくなるのです。また、ダメージを受けた髪は内部のたんぱく質が外に流れやすくなり、髪内部がスカスカになります。内部がスカスカになった髪はちょっと引っ張っただけでも切れやすくなり、これもアホ毛の原因になるのです。
(3)頭皮の老化や毛穴の皮脂詰まり
加齢とともに頭皮は弾力を失っていきます。それに連れ、真円だった毛根が楕円形になり、そこから生える毛にうねりが生じるようになります。このうねった毛がアホ毛となって現れる場合があります。また、毛穴の皮脂づまりも毛根を押しつぶす原因。この場合もうねった毛になり、アホ毛になることがあります。
アホ毛の対処法と予防法
アホ毛が気になったり、増えたりした場合は、どのように対処すればいいのでしょうか? 「アホ毛の対処法や予防法」を教えてもらいました。
アホ毛を見つけたときの対処法
アホ毛を根本から解決したい場合は、以下のことを試してみるといいでしょう。
(1)頭皮や髪に潤いを与える
頭皮や髪が乾燥するとアホ毛が立ちやすくなりますので、保湿ケアが重要になります。肌と頭皮はつながっていますので、肌が乾燥気味の人は頭皮も乾燥しやすい傾向にあります。シャンプー剤は洗浄力の強いものは避け、刺激の少ないアミノ酸系シャンプーを使用しましょう。また、頭皮用の保湿ローションなどで潤いを与えると、髪がしっとりして落ち着きやすくなります。髪の毛はトリートメントやコンディショナーで小まめに保湿することが大切です。
(2)頭皮の毛穴づまりを解消する
頭皮の毛穴づまりも毛根を押しつぶし、アホ毛が立ちやすくなる原因。ですから、皮脂や汚れを取り除くオイルケアをしてみましょう。シャンプー前の乾いた頭皮に植物油や頭皮用オイルをなじませることで、毛穴の皮脂や汚れが落ちやすくなります。また、同時に頭皮マッサージをして血行を促進させ、髪に栄養が届きやすくするのもオススメ。こうしたケアをすることで、しっかりとした髪が生えやすくなり、アホ毛対策になるのです。
(3)髪を傷めない小まめなケア
アホ毛が出やすいのは、髪が傷んでハリやコシがない証拠なので、髪を傷めないように常に心がけることが大切です。カラーリングやパーマをしている人は、特に傷みやすいので、トリートメントはもちろん、日中も「アウトバストリートメント」で髪を保湿・保護するようにしましょう。髪表面のキューティクルを整えることで、髪にハリやコシが出てアホ毛が立ちにくくなります。紫外線が多い季節も髪が傷みやすいため、UVケアスプレーなどで髪や頭皮を保護することも大切です。
アホ毛の応急処置
アホ毛を応急処置したい場合は、以下のような方法がオススメです。
(1)ワックスやスプレーで抑える
今出ているアホ毛をなんとかしたい場合は、ワックスやスプレーを使ってみましょう。ワックスは手のひらで伸ばしてから、アホ毛が気になる部分を押さえるようにしてなじませます。それでもアホ毛が気になるときは、セット用のスプレーを目の細かいコームに吹きかけてから、アホ毛を寝かすようにとかしましょう。
(2)ブローは根元からしっかり押さえるように乾かす
髪は濡れた状態だとくせがつきやすいです。アホ毛が気になる箇所は、ブローの際に根元を手で押さえながら乾かすようにすると、アホ毛が収まりやすくなります。また、分け目をアホ毛が出やすい部分と逆に変えると、髪の重みで目立たなくなることもあります。
もう悩まなくてすむ!? アホ毛の予防対策
アホ毛が立たないようにするには、髪の土台である頭皮を改善することが大切です。頭皮が不健康だと髪が細くパサつきやすくなり、アホ毛もできやすくなります。頭皮環境を整え、ハリ・コシのある髪を育むためにも、まずは頭皮の血行促進を意識すべき。頭皮マッサージを行うなどして血行を促し、頭皮や髪に栄養を届けるようにしましょう。育毛剤を使って髪に栄養を与えるのもいいでしょう。
また、髪にうねりが出やすい人は、頭皮をしっかり洗って毛穴につまった皮脂や汚れを落とすことが重要。ただし、洗浄力の強いシャンプー剤の使用は、皮脂を取りすぎてしまい、乾燥や皮脂づまりの原因になるので注意が必要です。髪を傷めないようにトリートメントや紫外線ケアもこまめに行いましょう。
ほかにも、体の内側からのケアも大切です。食事や睡眠は髪の毛に大きく影響します。揚げ物など油分が多い食事、ケーキやお菓子など砂糖たっぷりの食べ物は、血液の質を悪くします。血液の質が悪くなると、健康な髪が育たず切れやすくなったり、毛穴に皮脂がつまりやすくなります。睡眠不足も髪に栄養が届かず、皮脂が過剰になる原因。アホ毛に悩んでいる人は、食事や睡眠など生活習慣も見直すべきですね。
アホ毛のメカニズムを知って適切な対策を施そう
アホ毛が立ってしまう原因は、「髪や頭皮の乾燥」や「髪のダメージ」、また「頭皮の老化や毛穴の皮脂づまり」などのようです。いつもアホ毛が立ってしまうという人は、思い当たることがあるかもしれませんね。その場合は、齊藤さんのアドバイスにもあった、原因が解消できるよう小まめなケアを心がけたり、日々の生活を見直してみるといいでしょう。そのためにも、今回紹介したアホ毛ができる仕組みを理解しておくといいですね。
(文:齊藤あき、構成:中田ボンベ/dcp)
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※この記事は2018年09月06日に公開されたものです