【子連れ再婚】幸せになるための5つのポイント
厚生労働省の「平成28年(2016)人口動態統計の年間推計」という資料によると、2016年に離婚した人数は21万7000組とのこと。もちろんこれはあらゆる世代を含めた数ですが、なかには子どもを連れて離婚というパターンも多いことでしょう。
特に女性は、子どもを引き取るケースが多く、その後子連れで再婚ということも。しかし、子連れ再婚にはただの再婚以上の不安があるものです。再婚していいものなのか、子どもに影響はないだろうか、相手の家族はどう思うだろうか……。
男女の心理と恋愛に詳しい夫婦円満コンサルタントである中村はるみさんに、子連れ再婚のメリットやデメリット、そして幸せになるポイントなどについてお話を伺いました。
子連れ再婚のメリット・デメリット
まずは、子連れ再婚のメリットとデメリットを、女性のみ子連れ、子連れ同士別に挙げていただきました。なお、「可能性がある」ということは、すべてあなた次第という意味なので、お間違いのないように。
女性のみが子連れで再婚する場合のメリット
女性のみが子連れで再婚する場合のメリットは以下の通りです。
メリット1 自分だけの男性ができることでの精神的安らぎを得る可能性がある
離婚とは人生のパートナーを失うことです。離婚した直後は心にポカッと大きな穴が開いた状態で、たいへん不安定になります。法的に保証された自分だけの男性がいるという事実だけで、精神的な安らぎが得られます。
メリット2 経済基盤の安心を得る可能性がある
生活ができる金額を稼ぐことと、育児と家事。この両立は女性にとって大きな負担です。夫婦2人で分担できることで安心できます。
メリット3 子どもに父親ができる
子どもの成長に父親の存在は重要と言われています。連れ子を我が子のように育ててくれる男性ならば、子どもは幸せを感じるでしょう。また、母親が笑顔で過ごせばそれだけで子どもは安心します。さらに新たな兄弟ができるなど、子どもはさまざまな経験ができます。
メリット4 離婚経験から学んだことを活かし、幸せな結婚ができる可能性がある
最初の結婚で自分のことや男性心理を学べた女性は多いのではないでしょうか。それをもとに新たな伴侶にはより適切な対応が可能なはずです。離婚経験から学んだことを生かすことで、次はもっと幸せな結婚生活を送れる可能性があります。
女性のみが子連れで再婚する場合のデメリット
次に、女性のみが子連れで再婚する場合のデメリットです。
デメリット1 前回と同じ失敗をする可能性がある
前回の結婚での失敗点などを反省することなく、次の結婚に臨むのは好ましくありません。自分が変わらなければ、同じことを繰り返すでしょう。
デメリット2 子どもと夫の関係が親子関係にならないことがある
基本、継父と子どもの関係は夫次第だと言えます。子どもがある程度の年齢の場合は、母親が再婚することを素直に受け入れることは難しいかもしれません。さらに夫婦に赤ちゃんができたら、継父が連れ子を邪険にするということも多々あります。連れ子が新しい父親と仲良くなれるような環境を夫婦で真摯に作っていくことが必要です。
デメリット3 夫の親族が反対することがある
離婚歴のある子持ち女性と結婚を考える初婚の男性は存在します。しかし、その男性の家族、特に親が「息子が初婚なのになぜ相手が子持ちなのか」と反対する可能性があります。また、義両親が連れ子の祖父母になれず、子どもに辛い思いをさせてしまうこともあります。義兄弟親戚が連れ子を受け入れられない事実は、夫婦だけで解決できるものではありません。
デメリット4 育児と介護が重なる可能性もある
年上の男性と結婚した場合、結婚してすぐに義両親の介護問題が起きることがあります。連れ子と義両親の年齢次第では、育児と介護が重なる可能性もあるのです。
デメリット5 連れ子の教育費負担などのトラブルが発生する可能性がある
実子でさえ夫婦の教育方針がズレると、夫婦喧嘩の原因になることがあります。まして連れ子の教育方針の足並みをそろえるのは大変なことです。教育費をどこまで出すか、習い事はどうするかなど、しっかりと話し合い、夫婦の認識を共有することが重要です。
デメリット6 相続で嫌な思いをすることがある
再婚しても連れ子は夫の遺産を相続することはできません。連れ子と夫が養子縁組をすると相続が可能になります。夫の遺産を相続した妻の遺産を、妻の実子が相続します。この事実を知らなかったために相続トラブルに発展するケースも。相続に関しては、元気なうちから夫婦で話し合っておくことが望ましいかもしれません。
子連れ同士で再婚する場合のメリット
男性女性の両方とも子連れというケースについて考察します。基本的には女性のみ子連れの場合のメリットと同じですが、子連れ同士ならではのメリットもあるようです。
メリット1 共通点も多く結婚はスムーズに行く
バツイチ同士、子持ち同士ということで共通の話題も多く、結婚までスムーズにいくことが多いです。
メリット2 多種多様の関係で多くを学べる子育てができる
義理の兄弟同士、実の兄弟同士、義理の親子関係と多種多様な人間関係を結べるのがポイント。多くのことを学べます。親は広い視野でそのコーディナーターとして見守り、関わることが大切です。
子連れ同士で再婚する場合のデメリット
基本的には女性のみ子連れ再婚する場合と一緒です。それに加えて、両方とも子連れの場合のデメリットは次のようになります。
デメリット 人間関係が複雑ゆえに問題も起こりやすくなる
義理の兄弟同士、実の兄弟同士、義理の親子関係という、人と人との関係が多いために問題も起こりやすくなる面があります。
後悔しない子連れ再婚5つのポイント
これまで、子連れ再婚のさまざまなケースでのメリット・デメリットについて考察してきました。メリットデ・メリットを鑑みて、子連れ結婚したいと考える人もいることでしょう。そこで、子連れ再婚を決意したときに、後悔しないためのポイントを中村さんに教えていただきました。
ポイント1 自分がどう生きたいか、どうなりたいかを自問し、今後の方向性を定める
どんな生き方をしたいか、大雑把な方向性を決めましょう。「子どもも私も言いたいことを言って夫に守られて笑顔で暮らす」というような感じでOKです。
ポイント2 結婚生活における課題を適切に対応する能力を過去から学ぶこと
離婚で、自分の性格と異性という生き物を知ったと思います。学んだことを活かし問題を課題と捉えると、解決策を見つけやすくなります。目指すは幸せです。
ポイント3 結婚相手の人柄を見極める
子連れ再婚の場合、他人の子どもを自分の子どもとして育てる覚悟が相手にあるかどうかを見極めてください。覚悟があるとあなた自身の心も開き、よい循環ができます。子どもの意見も重要です。
ポイント4 「相手が心地よいと感じる私のアプローチは?」と考えること
甘えること、頼ること、鎧を捨てること、馬鹿になることも立派なアプローチです。それを踏まえ「私がどうアプローチすれば相手が幸せになるか」を考えてください。くれぐれも「幸せにしてもらおう」と考えてはいけません。また、結婚は2人の親族も絡むことです。できることとできないことを分けて考えましょう。
ポイント5 子どもを愛し見守り育てる親の視点と、子どもをひとりの人間として見る俯瞰した視点、2つの視点を共有できる夫婦を目指す
連れ子も実子も、いずれは親離れをするように育てることが大切です。夫婦がこの2つの視点を持ち連れ子も実子も育てれば、子離れしやすくなり、充実した熟年夫婦になる可能性が高まります。
成功も失敗も2人次第
他人同士が生活を共にするという点では、初婚同士でも再婚同士でも同じこと。ただ、子連れ再婚の場合はそこに連れ子が関わってくるのが少し違うところです。
また、自分と相手のことだけではなく、お互いの子どもたちや親族のことなども複雑に絡んできます。そこで必要になるのが、お互いの「覚悟」です。子どもがいる分、慎重になる部分はありますが、あとは大人同士がどれだけ覚悟をもって結婚するかではないでしょうか。
離婚をしたことをプラスに考え、次の結婚に活かす。連れ子を含めての家族間の複雑な関係性を前向きなものとしてとらえる。そのようにすれば、子連れ再婚は楽しいものになるはず。幸せを目指して、家族全員が協力していきましょう。
(文:中村はるみ、構成:三浦一紀)
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※この記事は2018年05月24日に公開されたものです