社交的とはどんな意味? 社交的な人の特徴やそうなる方法も紹介
「社交的」とは「人とのつきあいに積極的で、つきあい方のじょうずなさま」という意味。社交的になると、恋愛も仕事もうまくいきやすいようです。では、社交的な人の特徴や社交的になる方法とは? 心理カウンセラーの森川陽介さんが解説します。
心理学の世界では、「人間の悩みの90%以上は人間関係の悩みである」と言われることがあります。
多くの人たちが悩む人間関係という問題を、社交的な人たちは軽やかに越えていきます。
積極的に人とコミュニケーションを取り、人の話をしっかり聞いて、自分の弱さも素直にさらけ出すことができる社交的な人たちは、いつの時代も人気があるようです。
今回は、そんな社交的な人たちの特徴について考えながら、「どのようにしたら社交的になれるのか?」について解説していきたいと思います。
「社交的」とは? 意味や類義語、対義語を紹介
まずは社交的とはどのような意味なのか、類義語や対義語も交えて紹介します。
意味
「社交的」とは、辞書によると以下のような意味です。
しゃこう‐てき〔シヤカウ‐〕【社交的】
[形動]人とのつきあいに積極的で、つきあい方のじょうずなさま。「―な性格」「―な人」
(『デジタル大辞泉』小学館)
つまり、「社交的な人」とは「周りの人と上手にコミュニケーションを取れる人」「人付き合いの上手な人」といえますし、「世渡り上手な人」ということもできるかもしれません。
類義語・言い換え表現
「社交的」の類義語・言い換え表現としては、以下が挙げられます。
・外交的
・外向的
・積極的
対義語
「社交的」の対義語としては、以下が挙げられるでしょう。
・内向的
・閉鎖的
・内省的
社交的な人の特徴
では社交的な人には具体的にどのような特徴があるのか挙げてみましょう。
(1)親しみやすくて話しやすい
社交的な人の一番の特徴はコミュニケーション能力が高いということです。
分け隔てなくさまざまな人と交流を持つことができるので、周りの人からは親しみやすい、話しやすいという印象を持たれることが多いでしょう。
(2)人の話を聞くことができる
社交的な人は自分が話すことだけではなく、人の話を聞くことにも長けています。
上手に相槌を入れながら話を聞いたり、相手の気持ちに寄り添ったりすることもできるので、相談事をされたり、アドバイスを求められることも自然と多くなります。
(3)素直に自分の感情を表現できる
心理学の世界では、「あなたが分かりやすい人であればあるほど、愛される」という言葉があります。
社交的な人は自分が好きなものや興味のあること、時には失敗談や自分の弱さですら素直に表現することができるので、人から愛されやすくなります。
(4)一緒にいて良い気分になる
心理的に、人の感情は共鳴するといわれています。話し相手が会話を楽しんでくれていると、こちらまで良い気分になるものです。
社交的な人は、人との会話を楽しみ、うれしさや喜びなどの良い感情を抱く達人なので、一緒にいると良い気分になれます。
(5)恋愛にも仕事にも積極的
社交的な人は、恋愛にも仕事にも積極的な傾向があります。
例えば恋愛では、好きな人ができたら自分から話しかけるなどして仲良くなろうとするでしょう。
職場では、周囲とコミュニケーションを取りながら働くのがうまいタイプです。チームで仕事をするのに向いているといえます。
(6)褒め上手
褒め上手なのも、社交的な人の特徴。相手の良い部分を見つけ、言葉にするのが上手なのです。
褒めることで相手の心を開き、仲良くなろうと意識しているのでしょう。
(7)ポジティブな発言が多い
ポジティブな発言が多い人のそばにいると、自分まで前向きになれるようで元気をもらえますよね。できればそんなポジティブな人のそばにいたいと思うもの。
それを分かっているからか、社交的な人はプラスの発言が多い傾向にあります。それが周囲の心を引きつけているのです。
(8)相手の気持ちを考えられる
人付き合いで大事なのが、相手の気持ちを考えること。例えば、いくら話術に長けていても、相手の気持ちを思いやれないと失言につながります。
それを防ぐために人の気持ちを考えられる能力が、社交的な人にはあるのです。
(9)社交的だけど人見知りな人もいる
「社交的」と聞くと、明るくて人見知りしない人を想像するかもしれません。しかし、実際には「社交的に振る舞うことはできるけど内心では緊張している」という人もいます。
逆に考えれば、人見知りであっても訓練によって「社交的に振る舞う」というスキルを身につけられるといえるでしょう。
▶次のページでは、社交的な性格のメリット・デメリットを紹介します。
社交的な性格のメリット・デメリット
幸せな人生を過ごすために必ずしも社交的でなければいけないわけではありませんが、その要素を手に入れることでたくさんのメリットがあるのは事実です。
一方で実はデメリットも考えられます。
続いては社交的な性格の長所と短所について考えてみましょう。
社交的な性格のメリット(長所)
まずは、社交的な性格の長所について考えてみましょう。
(1)人から愛され、慕われる
社交的な人は親しみやすく、周りの人に一緒にいたいと思わせる魅力があります。また、人の話を聞くのも上手なので多くの人から愛され、慕われる存在となることができます。
(2)人から助けてもらえる
社交的な人は自然と周囲からの支援を多く受けることができます。特に、人生がピンチな時ほど、支えになってくれる仲間が多いようです。
(3)多角的に物事を見ることができる
社交的な人の元には、自然とたくさんの人や情報が集まってきます。多くの人と関わることで、多角的に物事を見られるようになります。
(4)恋愛も仕事も出会いが多い
恋も仕事も「人間関係」が基本ですから、人付き合いが上手な「社交的な人」は、もちろんここでも魅力を発揮します。
知り合いや友達の数が多いので、必然的に新しい出会いの数が増えていきます。
社交的な性格のデメリット(短所)
一見して長所にしか見えない社交的な性格ですが、時として短所になることもあります。
(1)妬まれやすい
社交的な人は目立つので、その分嫉妬の対象になりやすかったりします。
(2)悩みがないと思われる
社交的な人は幸せそうに見えたり、成功しているように見えるので、悩みがなさそうに思われたりします。
(3)逆に孤独を覚えることもある
意外に思うかもしれませんが、本当の苦しみを他人から理解してもらえない孤独感を抱える傾向にもあるようです。
▶次のページでは、社交的になる方法を紹介します。
社交的になる7つの方法
デメリットもあるとはいえ、概ね現代の社会を生きる上ではメリットの多い「社交的な性格」。できることならそうなりたいものですよね。
そこで、ここからは社交的になるための心理的なコツをお伝えしたいと思います。
(1)質問上手になる
社交的な人は新しい人に出会うことに興味津々です。そのため、自然と相手の趣味の話を聞いたり、質問することができ、会話をスムーズ進めることができます。
人間は、自分や自分の好きなことに興味を持ってくれる人に対して、自動的に好感を持つ傾向があります。質問上手になることは人間関係を円滑に進める上でとても大切な要素になります。
(2)人前でポジティブな感情を表に出す
人は、自分に良い感情を抱かせてくれる人を好きになる傾向があります。
例えば、ちょっとしたことでも自分がしたことに対して相手が感謝を伝えてくれたらうれしい気持ちになりますし、おいしそうにご飯を食べている人を見るとこちらも幸せな気持ちになれたりします。
このようにポジティブな感情を表に出す習慣を付けるだけで、あなたの印象はガラリと変わるはずです。
(3)社交的な場に出てみる
案ずるより産むが易し。まずは社交的な場に出てみるというのも有効な方法です。
社交の場といってもさまざまですし、そこに集まる人も場所によって違います。
会社の飲み会や、女子会、街コン、趣味のサークルや、静かで落ち着けるバーなどなど、いろいろな社交の場に実際に行ってみると「ここなら大丈夫そう」と思える場所があるかもしれません。
また「この人とならうまく話せる」という人に巡り会うこともできるかもしれませんよ。
(4)一人の時間も大切にする
社交的であることは八方美人になることや、周りに流されたり、同調してしまったりすることではありません。
自分の趣味や興味の惹かれることに時間を割いて、自分を大切にすることも社交的な自分になる上で非常に重要なことです。
人間関係が上手な人は皆、「人も自分も大切にする」という感覚を持っていることが多いようです。
(5)笑顔を意識する
笑顔を向けられると、安心しますし受け入れられている気がしますよね。つまり笑顔を意識するだけで、相手に「話しかけやすい人」というイメージを与えられるのです。
笑顔が苦手な人は、鏡を見ながら笑顔の練習をしてみましょう。自分の笑顔に自信を持てれば、自然と笑顔も増えるはずです。
(6)人に興味を持つ
人に興味がないと、会話が弾みませんし人付き合いも楽しめません。
「この人はどんな考え方の人なんだろう?」「どんなことが好きなんだろう?」と興味を持てば、自然と相手の話を引き出して盛り上げられる会話上手に近づけるはずです。
(7)まずはあいさつから始める
社交的な人にはおしゃべり上手なイメージがあるかもしれません。とはいえ、「いきなり話し上手になろうとするのはハードルが高すぎる」と感じる人もいるでしょう。
そんな人は、まず相手の目を見てはきはきあいさつするところから、人とのコミュニケーションを広げていってみてください。
まずは人に興味を持とう
心理学的には、「人は誰しも心の奥で、『自分は愛されているのだろうか?』と不安を抱えている」と言われています。
だからこそ、人間は「自分を愛してくれる人」や、「自分に興味を持ってくれる人」に好感を抱きやすいのです。
社交的になる上で大切なのは、「人を愛する」、「人に興味を持とうとする」こと。このような姿勢を持つことが社交的な自分を作っていく、そう考えてもいいのかもしれませんね。
(森川陽介)
※画像はイメージです
※この記事は2013年12月02日に公開されたものです