「不動産会社に査定を依頼したいけれど、その後の営業攻勢が心配。良い断り方はないかな」と思っていませんか?
不動産の売却にあたっては、まず複数の不動産会社に査定を依頼して条件のよい1社を選びます。そして契約を結ぶ不動産会社以外には、断りの連絡を入れなければいけません。断り方を間違えると執拗に営業され続ける可能性があるので、簡潔に理由を伝えてしっかりと断る姿勢が重要です。
本記事では、不動産会社への断り方のポイントや注意点について解説するとともに、実際に断る際の手段や文例を紹介します。いま現在、不動産の売買を検討している人は参考にしてください。
- 不動産会社に対する断り方として、早めに伝える、正直な理由を伝える、感謝の気持ちを伝えることが重要。
- 悪い断り方には、連絡を無視する、予算を理由にする、悪口を言う、検討中と言う、曖昧な理由、嘘をつくなどがあるようです。
- 勧誘を断る場合、曖昧にせず興味がないことを伝え、会わないことが効果的です。また、メールや電話で断る際の具体例も紹介されています。
不動産会社への良い断り方3つ
契約する不動産会社以外の業者に断りを入れる場合には、次の3つのポイントを意識しましょう。
- 断るなら早く伝える
- 理由を正直に伝える
- 感謝を伝えて断る
特別なテクニックが必要なわけではなく、断る旨を正直に、感謝の意を添えながら伝えることが重要です。以下で詳しく解説していきます。
断るなら早く伝える
この会社とは契約しないと決めたならば、すぐに断りの連絡を入れることが重要です。
連絡するかどうか悩んでいる間も、先方の営業担当者はこちらの希望条件に合う不動産物件を探している可能性があります。場合によっては紹介する物件を押さえてしまっているケースもあるので、どっちつかずの状態を続けると、相手企業に迷惑をかけることになってしまいます。
相手に余計な手間をとらせないためにも、できるだけ早く連絡を入れましょう。断りを入れずに放置していると、いつまでも営業電話がかかってくることになります。
理由を正直に伝える
契約しない理由を正直に伝えることも大事です。理由を事細かに説明する必要はありませんが、他の不動産会社の方が「査定額が高かった」「条件がよかった」など、理由を簡潔に伝えて断りましょう。
特に不動産の購入を検討している場合、内見後に契約を断るのは失礼と感じる人もいますが、内見はあくまでも契約のための情報収集の一環なので、内見後に断ってもまったく問題ありません。内見の結果、想像していた物件と違っていたり物件情報に掲載されていない問題があったりして、断る人は少なくありません。
不動産の購入・売却にかかわらず、断る際には理由をはっきりと伝えるようにしましょう。不動産会社の方も断られることには慣れているので、遠慮する必要はありません。
感謝を伝えて断る
断りを入れる際には、不動産会社にしてもらったことに対して、感謝の気持ちを伝えるのを忘れないようにしましょう。相手方も人間なので、断られるにしても感謝の意を伝えられた方が心象がよくなります。
断りの連絡は電話だけでなくメールでも問題ありません。口で伝えるのは気が引けるという人はメールを利用することをおすすめします。断る理由を簡潔に書くとともに、感謝の一言を添えるとよいでしょう。
不動産会社への悪い断り方6つ
不動産会社への断り方を間違えてしまうと、その後もしつこく営業されてしまったり、関係が悪くなってしまったりする可能性があります。次のような断り方はしないように気をつけましょう。
- 連絡を無視する
- 予算と合わないことを理由にする
- 悪口を言う
- 検討中と言う
- なんとなくという曖昧な理由で断る
- 嘘をつく
連絡を無視したり悪口を言ったりするなど、世間一般で非常識と思われることはしないのが基本です。以下でそれぞれ解説していきます。
連絡を無視する
不動産会社からの連絡を無視してはいけません。契約を断るのであれば、できるだけ早く自分から連絡を入れ、先方から電話が来た場合にはしっかりと出て断りを入れましょう。
相手からの連絡を無視し続けても、不動産会社のリストには見込み客として掲載されているので、いつまでも営業の電話を受けてしまうことになります。連絡を無視したり回答を先延ばしにするのは何の意味もありませんから、はっきりと断ることが重要です。
予算と合わないことを理由にする
予算と合わないことを理由に契約を断るのはマナー違反なのでやめましょう。
賃貸物件を借りる場合、大前提として自分の予算内で探すのが常識です。毎月の家賃についてはインターネット上の物件情報や不動産情報誌に必ず掲載されているので、内見後に予算不足を理由に断るのはモラルに反する行為となってしまいます。
不動産会社を直接訪れて物件を紹介してもらう場合でも、担当者はまず予算や希望立地についてヒアリングを行い、それに合った物件を紹介してくれます。そのため、内見後に予算を理由に断られたのでは、先方の担当者としては手間と時間の無駄になり、「なぜ最初に言ってくれなかったのか」と不満に感じるでしょう。
内見後に契約を断るのは問題ありませんが、たとえ悪気がなくても、事前にわかっている予算を理由にしないように気をつけてください。
悪口を言う
不動産の査定を行ってくれたり、物件を探してくれたりする不動産会社の不満や担当者の悪口を言って断るのもやめましょう。
不動産会社のなかには対応が悪いところもあり、今後関わることはないからと不満をぶつけて断る人もいます。しかし、正式に不動産の売却を依頼した会社が買い手を見つけられるとは限らず、断った不動産会社の方が買い手を紹介してくれるかもしれません。
一度は断った相手でも、その後に付き合いが出てくる可能性もあるので、関係を悪くしないように悪口は言わない方が賢明です。
検討中と言う
契約を断る際には、相手に意思が伝わるようにはっきりと断ることが重要です。
「検討中」や「考えておく」などと言って回答を引き延ばす人や、回答しないことで断ったつもりになっている人も多いですが、相手はそれを断りの文句と思わないこともあります。不動産会社によっては断りの意思を理解しているにもかかわらず、はっきりと断られなかったことを理由に何度も連絡をしてくるケースもあります。
お茶を濁すような表現を使わずに、簡潔に理由を伝えて、はっきり断るようにしましょう。
なんとなくという曖昧な理由で断る
「なんとなく自分に合わない」「イメージが違う」といった曖昧な理由で断るのも避けましょう。
理由が明確でなければ不動産会社は何が問題なのかがわからないため、何が悪かったのか突っ込んで聞かれることもあります。特に賃貸や売り物件の場合、不動産会社は相手が何を求めているのかがわからないため、紹介する物件選びに難儀してしまい、今後は物件そのものを紹介してくれなくなるかもしれません。
嘘をつく
嘘をついて断るのも避けた方がよいです。たとえば、不動産売却を他の業者に任せることに決めた場合、選ばなかった不動産会社に「売却をやめた」と言って嘘をついても、相手は売却される不動産物件の情報を簡単に入手できます。
結果として嘘をついて断ったことが分かってしまい、相手の心象が悪くなってしまう可能性もあるでしょう。正直に理由を伝えて断るに越したことはありません。
不動産を勧誘されたときの断り方
不動産の一括査定を利用したり、賃貸物件について問い合わせをしたりすると、不動産会社から連絡が来ます。その際の断り方のポイントは上述の通りですが、営業に積極的な不動産会社は、一方的に自宅や勤め先に投資用不動産の営業電話をかけてくることもあります。
その場合の断り方も、次のようにはっきりと断りの意思を伝えることが重要です。特に営業に熱心な会社は相手の都合を考えずに何度もアプローチしてくることがあるので、毅然とした態度で不要であることを伝えましょう。
- 曖昧に濁さない
- 興味がないと伝える
- 買う気がないなら直接会わない
それぞれ具体的に説明していきます。
曖昧に濁さない
勧誘に対して曖昧に濁すような返事では、相手もどちらか判断できません。はっきりと「お断りします」「不要です」と断る意思を伝えることが大事です。
特に投資用不動産の勧誘は営業担当者に厳しいノルマが課せられている場合が多く、こちらが拒絶の意思を示していることがわかっても、繰り返し営業をかけてくるケースは珍しくありません。
少しでも長く話を聞いてしまうと、相手は契約してくれる可能性があると判断し、断ってもしつこく食い下がってくる可能性もあります。その場合は「契約はしません」とはっきり告げて、そのまま電話を切って構いません。
興味がないと伝える
不動産売買に興味がないならば、その旨をきちんと伝えることも大事です。電話の場合は「興味がないので、二度とかけてこないで欲しい」と伝えて、さらに自分の名前と電話番号などの個人情報を営業リストから削除するように依頼しましょう。
特に近年は、投資用マンションの勧誘に関するトラブルが増えたことで宅建建物取引業法が改定され、業者は営業相手が断る意思を示した場合、それ以上の勧誘ができなくなっています。
したがって、拒絶する意思を示した後、相手がしつこく営業してきた場合は無視して電話を切って問題ありません。あまりにも執拗なときには、相手に対して「勧誘をやめなければ監督官庁に相談する」と伝えましょう。
買う気がないなら直接会わない
投資用不動産の営業に関しては、電話やメールなどで「直接会って話を聞くだけで構わない」と言われても、購入する気がないなら絶対に会うべきではありません。
実際に会ったことで長時間にわたって拘束されてしまい、帰宅するためにやむなく契約してしまったという事例も多く報告されています。投資用不動産に興味がないのであれば、どんな誘い文句を言われても直接会わないように気をつけましょう。
不動産会社からの勧誘を断る手段と参考文例
次に、不動産会社からの勧誘を断る具体的な手段と参考文例を紹介します。直接不動産会社の店舗に出向いて断ることもできますが、電話やメールを使って断りの連絡を入れることが多いです。いずれの手段でも構いませんが、簡潔に理由を伝えて、はっきりと断りの文言を入れるようにしてください。
断り方の手段
断りの手段としてもっとも多く利用されているのが電話です。先方の担当者に「これまでお世話になったのに恐縮ですが、他社の方が条件がよかったため、そちらと契約することに決めました。アドバイスいただいてありがとうございました」といった内容を告げれば問題ありません。相手に理由を聞かれたら簡潔に答えるとよいです。
それでもしつこく連絡してくる不動産会社もありますが、上述のように宅地建物取引業法では、相手方が契約しない旨の意思表示をした後に勧誘を続けることは禁止されています。しつこい営業担当者に対しては「これ以上営業を続けるのは宅建業法違反なので、監督庁に相談します」と告げてください。
よほどの悪徳業者ではない限り、一度はっきりと断れば、その後にしつこく営業電話をしてくることはありません。理由を正直に伝えてしっかりと断りましょう。
メールで断るときの参考例
断りの連絡はメールでも構いません。直接担当者と顔を合わせたり、電話でやりとりするのが気が引ける人は、早めにメールを使って断りを入れましょう。
たとえば、査定の依頼後に断る場合、次のような文面が考えられます。
株式会社〇〇 担当〇〇様 お世話になっております。 先日、査定を依頼した物件についてですが、今回は御社の提示した価格が私の希望と合わなかったため、他社と契約させていただくことに決めました。 親身にアドバイスいただいて、本当にありがとうございました。また機会がありましたら、よろしくお願い申し上げます。 |
このような簡単な文面で問題ありません。断る理由と謝意を簡潔に伝えましょう。断りのメールに対する返答は不動産会社によって違います。丁寧に返信してくれる場合もあれば、何の返答もないこともありますが、特に気にする必要はありません。
不動産会社は断られるのに慣れている
不動産会社に断りの連絡を入れるのは気まずいと感じる人は多いです。優柔不断になってしまったり、はっきりと断ることができなかったりする人もいますが、曖昧な返答はどちらにとってもよい結果とはなりません。
多くの人は複数の不動産会社に査定を依頼したり、問い合わせをしたりするので、基本的に不動産会社の営業担当者は断られることに慣れています。立場上、断られるのも仕事のうちと考える担当者がほとんどですから、断りの際のマナーさえ守れていれば、余計な気を回す必要はありません。はっきりと断るようにしましょう。
早く断わったほうがいい理由
断りの連絡を早くすることは、不動産会社にとっても、他の案件に時間を使えるようになるなど多くのメリットがあります。依頼者は余計な気を回さずに、はっきり断った方が双方にとってよい結果となります。
不動産会社の労力を減らせる
早めに断りの連絡を入れてもらうことで、不動産会社は余計な労力をかけずに済むようになります。
営業担当者は見込み客からはっきりと断られるまでは営業活動を続けるのが基本なので、いつまでも返事をせずに放置していると、担当者は返事を聞くために電話やメールなどで連絡をし続けなければいけません。依頼者の方から早めに連絡を入れることで、業者側も無駄な時間と労力を使う必要がなくなります。
不動産会社が他の物件に時間を使える
はっきりと断ることで、不動産会社が他の物件に時間を使えるようになります。それまで依頼者に向けていた労力を他の案件に向けられるので、業者にとっては機会損失を防げるわけです。
断るのが気が引けるからといって、返事を先延ばしにするのは不動産業者にとっても迷惑になります。別の業者に依頼すると決めたのならば、すぐに断りの連絡を入れましょう。
不動産取引で断るときの注意点
これまで不動産業者への断り方について説明してきましたが、状況によっては断ることで違約金が発生するケースがあるので注意が必要です。具体的には売買契約の前後でペナルティの有無が変わってきます。
購入する場合のペナルティ
不動産の購入申し込み後にキャンセルした場合は、申込時の預り金や申込金が返還されます。たとえ不動産の購入や売却を依頼しても、実際に売買契約を結ぶまではペナルティなしでキャンセルが可能なので、すぐに業者に断る旨を伝えましょう。
不動産会社のなかには、申し込み後にはキャンセルできないと言ってくるケースもありますが、売買契約前であればキャンセルは問題ありませんし、手数料などを支払う必要もありません。
売買契約後のキャンセルは不可
売買契約前まではキャンセルが可能ですが、売買契約を結んだ後は原則として契約のキャンセルはできないので注意が必要です。どうしてもキャンセルする場合は解約扱いになり、預り金や申込金などは返還してもらえません。
さらに契約によっては違約金がとられてしまう可能性もあるので、契約内容をよく確認しておきましょう。不動産売買の場合、売主の事情によるものか、住宅ローンの審査に落ちてしまった場合には買主側のペナルティなしで契約解除が可能です。
不動産会社への断り方に関するよくある質問
まとめ
不動産会社への断り方のポイントを解説しました。断るという行為に気が引けてしまう人も少なくありませんが、一度しっかりと断りを入れてしまえば、その後はしつこく営業をかけられることはまずありません。
返事を保留したり、業者からの連絡を無視し続けたりしても、不動産会社の見込み客リストに入っている限りは営業電話が続くことになります。しつこく連絡されるのは依頼者の精神衛生上よくありませんし、業者にとっても労力の無駄となりますから、断る場合は早めにはっきりと返事をするようにしてください。
※「マイナビニュース不動産査定」は以下に記載されたリンク先からの情報をもとに、制作・編集しております。
・https://www.land.mlit.go.jp/webland/
・https://www.rosenka.nta.go.jp/
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