輸入車は「維持費が高い」「修理やメンテナンスをどこに依頼すればいいかわからない」といったイメージを持たれることが多いが、実際のところはどうなのだろうか。カレント自動車が実施したアンケート調査の結果は以下の通りだ。
■約半数のオーナーが日頃の修理や車検を「ディーラー」に依頼
今回のアンケートでは輸入車オーナーがどこに車検や修理を依頼しているのか、また実際の負担感がどのくらいなのかについて聞いた。
輸入車オーナーが日頃の修理や車検をどこに依頼しているかについて調査した結果、最も多かった回答は「ディーラー」の50.4%で全体の約半数を占めた。次いで「民間整備工場」が31.8%となり、この2つの選択肢が輸入車オーナーのメンテナンス先として主流であることがわかった。
この結果から、輸入車オーナーは専門知識や技術力、純正部品の入手のしやすさといった点で、ディーラーでのメンテナンスに安心感を抱いていると考えられる。一方で、民間整備工場も一定の支持を得た。ディーラーよりも費用を抑えられることが多い点や、地域に密着したサービスなどが評価されているのかもしれない。
少数派ではあるが、「中古車販売店」「ユーザー車検」「その他」「車検専門店」といった選択肢も。中古車販売店は購入後のアフターサービスとして利用されているケースや、販売店独自のネットワークを介したメンテナンスに魅力を感じているユーザーがいるものと考えられる。
ユーザー車検を選択する人は、費用を最小限に抑えたいというニーズや自身で車両の状態を把握したいという意向が強いと推察できる。
■輸入車の車検費用は10万円〜30万円の範囲に収まるケースが多い
輸入車オーナーに車検にかかった費用について調査した結果、最も多かった回答は「10万円〜15万円」で33.3%に。次いで「15万円〜20万円」と「20万円〜30万円」(いずれも23.3%)が同数で並ぶ結果となった。これらの結果から、輸入車の車検費用は10万円〜30万円の範囲に収まるケースが多いことがわかる。
「10万円未満」と回答した人は10.9%、「30万円以上」と回答した人は5.4%であり、費用を抑えられたケースや高額な修理や部品交換が必要になったケースも一定数存在することを示唆している。
また、「車検を受けたことがない」と回答した人が3.9%あり、これは購入後まだ車検時期を迎えていないケースや車検を迎える前に売却するケースなどが理由と考えられる。
少し古いデータだが、「平成27年度国産自動車点検・整備料金実態調査」によると、国産の自家用乗用車の車検費用の平均額は「57,213円〜73,092円」だった 。今回の調査で最も多かった価格帯である10万円〜15万円と比較すると、国産自動車と輸入車では、車検費用の相場に大きな開きがあることがわかる。
もちろん、車の状態や整備内容によって車検費用は大きく変動するため、一概に比較することはできないが、このデータからも、輸入車の車検費用は国産車と比較して高額になる傾向があると言えるのではないだろうか。
■修理や車検をきっかけに輸入車の売却を検討したことがある人が約7割?
修理や車検をきっかけに輸入車の売却を検討したことがあるかについて調査した結果、「ある」と回答した人が69%、「ない」と回答した人が31%となった。過半数を超える輸入車オーナーが、メンテナンスを機に売却を検討した経験があるという結果だ。
この結果から、輸入車オーナーにとって、修理や車検が愛車の所有を継続するかどうかを考える大きなターニングポイントとなっていることがうかがえる。
特に、予想外の高額な修理費用や、車検時にまとまった費用が必要になることで、車両の売却や買い替えを検討するケースが多く見受けられる。
■調査まとめ
今回の調査結果からは、輸入車オーナーがメンテナンスにおいて専門性と安心感を重視する一方で、費用負担を課題と感じていることがうかがえる。
また、メンテナンスコストが車両の維持を左右する重要な要素となっており、将来的な負担を考慮して売却を検討するケースも少なくない。
これから輸入車の購入を検討する人はぜひ、今回の結果を参考にしてみてはいかがだろうか。
■調査概要
・調査機関:自社調査
・調査対象:輸入車に興味のある男女129名
・調査期間:2025年3月13日〜3月17日
・調査方法:インターネット調査