Hondaの子会社で航空機事業を手がける米国のホンダ エアクラフト カンパニーは、小型ビジネスジェット機「HondaJet(ホンダジェット)」の新型となる「HondaJet Echelon(ホンダジェット・エシュロン)」の型式認定用テスト機の製造を開始した。
HondaJet Echelonは、ノンストップでのアメリカ大陸横断を可能とするライトジェット機。2026年の初飛行を目指して開発が進んでいる。
ここでいうライトジェット機とは、最大離陸重量が12,500ポンド以上、20,000ポンド未満の双発エンジンを搭載した機体を指す。既存のHondaJet Elite II(ベリーライトジェット)の一つ上のカテゴリーとなり、このクラスでノンストップのアメリカ大陸横断を実現する機体は世界初という(同社調べ)。
「HondaJet Echelon型式認定用テスト機」の開発としては、2025年2月に最初の製造工程である主翼の組み立てを開始。また、今後の製造および将来の量産開始を見据えて、ホンダ エアクラフト カンパニーの生産工場内にHondaJet Echelon専用の生産ライン開設を進めており、2024年末に各工程で使用する主要設備の搬入を完了した。
2025年1月には、システム統合検証施設(Advanced Systems Integrated Test Facility)にてフライトシミュレーターによる初飛行を行い、飛行制御システムなど、主要な航空機システムの検証を始めている。今後は型式認定用テスト機の初飛行および型式証明取得に向けた取り組みを加速していくとしている。
ちなみに「Echelon(エシュロン)」とは、航空機における「梯形編隊飛行」の意味。高効率な空力性能を実現する飛行パターンとして、燃費や二酸化炭素排出量削減などに効果があるとされる。HondaJetの特徴を表すとして「HondaJet Echelon」の名前の由来となった。合わせてフランス語では「梯子の段」という意味もあり、プレミアムカテゴリーを指す言葉として使われるため、「HondaJetブランドの最上級モデル」という意味を込めて「HondaJet Echelon」と命名されたという。
HondaJet Echelonの仕様
- 航続距離(NBAA IFR Range, 1乗員+4乗客の目標性能):2,625ノーティカルマイル
- 最大定員:乗員1名+乗客10名、または乗員2名+乗客9名
- 最大巡航速度(目標性能):450ノット
- 最大運用高度(目標性能):47,000フィート