屋根修理にかかる費用の相場
屋根の修理には以下のような方法があり、どのような修理を行うかによってかかる費用に違いがあります。
- 雨樋の修理
- コーキング修理
- 屋根の塗装
- 屋根の葺き替え
- カバー工法(重ね葺き)
雨樋の修理
「雨樋(あまどい)」とは、軒先に取り付ける部材で、主に雨水を下に流す役目を担っており、屋根についている竹を半分に割ったような形状のものです。
雨樋は屋根のなかでも重要な役割をしているので定期的なメンテナンスが必要で、よく起こる不具合としては雨水と一緒に流れてきたゴミが詰まってしまう、部材のつなぎ目に隙間ができてしまう、突風や積雪による破損してしまう、そして紫外線や太陽熱による経年劣化です。
修理費の相場は、部品交換のみなら1mあたり3,000円~5,000円前後、雨樋の継ぎ手を補修する場合は5,000円~20,000円、雨樋全体の修理は15万円ほどが必要です。
全体の修理費が高くなる原因は、足場の仮設が必要になるためです。高所で作業する場合には安全な足場の仮設が法律で義務付けられているので、材料費のみだけでなく、足場代や人件費などの費用はどうしても発生します。
しかし、不具合を発見した場合には早急に業者に修理・交換をお願いしたほうがよいでしょう。放置してしまうと雨漏りの原因になり、家屋全体の破損へつながる場合もあるからです。
コーキング修理
コーキングとは、目地を埋めたり、ひび割れを補修したりするゴム状の素材であり、雨漏りがおきた場合に比較的多く用いられるものに、穴(すき間)の箇所をコーキングで埋めて直す修理方法をコーキング修理といいます。
屋根から雨漏りしている場合、台風の被害などわかりやすい穴であれば目視で見つかりますが、劣化したすき間から少量が漏れ出てくるケースも多く、その場合は劣化箇所を見つけるのは容易ではありません。
専門業者に依頼すると赤外線を使用して劣化箇所の特定検査を行う場合もあります。修理する箇所が見つかったらコーキングですき間を埋めて塞ぎます。ただしこの際、事前に修理箇所を高圧洗浄してきれいにしておかないと、すぐにコーキングは剥がれてしまいます。
屋根のコーキング補修にかかる費用の相場は、DIYであれば1万円〜10万円ほどです。軽度の劣化や少量の雨漏りであればDIYで直せるケースもあります。劣化箇所が多い場合は業者に依頼するのがよいでしょう。業者に依頼した場合の目安額は15万円〜30万円ほどです。この場合も高所作業になるため、足場の仮設は必要です。
屋根の塗装
屋根材にはいろいろな種類があるため、塗り替えを行う時期は屋根材によって異なりますが、目安としては、スレート屋根は8年~10年ごと、ガルバリウム鋼板(金属屋根)は10年~15年ごと、セメント瓦は8年~10年ごとです。外壁塗装の目安は10年~15年ほどですが、屋根は日光に晒される時間も長く、雨や雪の影響で劣化も早いため、短いサイクルでの塗装が必要になります。
屋根塗装の費用は40万円~50万円ほどが相場です。坪数ベースでの目安は30坪で32万円~52万円、50坪の場合は56万円~73万円です。(家屋の形状や劣化状況により異なります。)
屋根の塗装には、劣化を防ぐという大切な役目があります。雨漏りの起きたあとでは、補修が高額になる場合もあります。そのため、屋根塗装と同時に防水面もメンテナンスしておくと、長い目で見ればコストを抑えられるためおすすめです。
屋根の葺き替え
屋根材を一度すべて剥がして、新しい屋根材に張り替えることを屋根の葺き替えと呼びます。例えば、台風で屋根の瓦が破損してしまった場合などは新しい瓦に葺き替える必要があります。
葺き替えのメリットは一度、屋根を取り外す際に内部の確認ができる点です。下地や防水シートの破損などが見つかる場合もあり、しっかりとメンテナンス可能です。また既存の屋根が瓦で、新しく軽い素材に葺き替える場合、屋根が軽量化されることで耐震性の向上も期待できます。
屋根材の葺き替え費用の相場は、瓦から瓦への交換で100万円〜266万円、瓦からスレートへの交換で70万円〜200万円、瓦からガルバリウム鋼板への交換で80万円〜210万円です。これと別に足場費用が10万円~40万円かかる場合もあります。
カバー工法(重ね葺き)
カバー工法は葺き替えと違い、上から新たな素材を被せて補修を行う方法で、カバー工法に向いているケースは、既存の屋根が比較的新しく劣化の心配が少ない場合、または2004年以前に製造されたスレート屋根で、アスベストを含有している可能性がある場合です。
アスベスト含有の可能性がある屋根を取り除くときには、多額の費用がかかります。そこで、上から新たに覆ってしまうカバー工法が適しています。
また劣化の心配が少ない屋根であれば、取り外しのコストがない分、葺き替えよりは低価格・短期間で修理ができます。屋根の材質にもよりますが、カバー工法の費用の相場は60万円~250万円です。
火災保険や補助金について知っておこう
屋根リフォームの際に利用できる制度について紹介します。保険や制度を上手に活用して屋根のメンテナンスを行いましょう。
加入している保険内容をチェック
新築の場合は多くの方が加入している火災保険ですが、実は火災以外にもさまざまな特約がついているケースも多く、火災保険の場合は風災、雹災、雪災に認定されると保険金がもらえることもあります。
風災は文字通り、風による被害で、代表的なものは台風による瓦の破損などです。雹災は雹(ひょう)の大きな塊で屋根に穴が開いてしまった場合などに適用され、雪災では雪の重みで雨樋の部品などが壊れた場合に適用されます。
しかし条件により適用外の場合もあるので、事前に契約書をよく確認しておくことが必要です。またリフォーム会社のなかには、「保険金が必ず下りるから」と言いつつ、費用面をうやむやにしたまま契約させる業者もいるので、十分注意してください。
自己負担で修理をしたけど、保険適用の対象だったというケースもあります。自身の保険証書や約款を確認してみてください。
補助金・助成金について
屋根のリフォームの際に助成金・補助金を申請し、自己負担を減らせる場合もあります。基本的には、太陽光パネルを設置して省エネに努める「省エネリフォーム」、基準値以下の住宅が耐震性能を向上する場合に行う「耐震リフォーム」、のどちらかに該当すれば申請可能です。
また各地域の自治体単位でもさまざまな補助金制度があります。東京都の例だと、「高断熱窓導入促進事業」を対象とした省エネリフォームの補助金があり、省エネルギー対策に関する工事の一環として、太陽光パネル設置に対して補助金を申請できます。戸建てあたりの補助は、上限24万円で、機器と工事費用の約33%に相当する補助金を受け取れます。
外壁・屋根塗装業者の中には補助金・助成金の申請サポートを行なってくれる業者もいますので、自治体のホームページ内で屋根修理を対象とした助成金制度の記載があれば、そういった業者を選ぶのも良いでしょう。
屋根修理に最適な業者の選び方
屋根修理の業者を選ぶ際には以下のポイントを意識して決めましょう。
- 屋根修理の内容から業者の種類を決める
- 複数業者から相見積もりをとって見積書を比較する
- 現地調査で業者の対応をチェック
屋根修理の内容から業者の種類を決める
屋根の劣化症状や状態はさまざまですが、どのような修理を行うのかによって業者を決める方法があります。
たとえば屋根の塗装が劣化して剥げた、見た目が悪くなったといったケースでは塗装業者に依頼するのがおすすめです。雨漏りしている場合は、迅速な対応が可能な地域密着型の工務店がよいでしょう。部分的な葺き替えや既存屋根材の塗装工事などが必要なら、総合的に任せられるリフォーム会社を、屋根のカバー工法をするのであれば板金屋を選ぶと安心です。
修理業者によって得意としている修理内容は異なるため、業者のホームページに記載されている事例などを参考に、依頼を考えている工事の専門や経験豊富な会社を選んでいくのが重要です。
複数業者から相見積もりをとって見積書を比較する
修理業者によって材料の仕入れ率や職人の(人工)人件費、利益率などは異なるため、見積もり金額には大きな差が生じます。そのため見積もりは一社だけではなく、必ず複数社からとりましょう。
複数社で見積もりをしてもらえば修理費用を比較できます。仮に、法外な金額を請求する悪徳業者が紛れ込んでいたとしても、相見積もりをとれば見極められるでしょう。
また、金額だけではなく使用する材料や工事内容などもチェックしましょう。価格が極端に安い場合は、安価な材料で計算していることも少なくありません。見積もりは総合的にチェックすることが大切です。
現地調査で業者の対応をチェック
修理業者が見積もりをするときは、現地で状況を確認しながら行います。このときの修理業者の対応が丁寧で親身になってくれる場合は、信頼できる業者である可能性は高まります。そのため、現地調査の際はできるかぎり立ち会いましょう。
まず屋根の状態を丁寧にチェックしているかを確認します。丁寧に調査してくれているのなら、確実で間違いのない工事が期待できます。
屋根の状況をわかりやすい言葉で説明してくれるかどうかも大切な判断材料で、業者の中には屋根の状態を写真で撮影し、細かく説明してくれる修理業者もあります。屋根の調査もしない業者である場合は修理の依頼はやめておいたほうが無難でしょう。
見積もりが適正かをチェックする方法
屋根修理業者の選び方で複数業者に相見積もりを依頼すると説明しましたが、具体的には以下の3つのポイントを押さえておきましょう。
- 相場と比較してかけ離れていないか
- 項目が曖昧ではないか
- 他社と比較して不明な点はないか
相場と比較してかけ離れていないか
見積書に記載されている金額が相場より高すぎるのはもちろん、安すぎる場合にも注意が必要です。
屋根修理にはマニュアルがないため、どんな工事にどのような作業をするのか、そしてそれにどのくらいの費用がかかるのかは業者によって違いますが、相場と比較してあまりにも高すぎる場合は業者がぼったくりをしている可能性もあります。
一方で安すぎる場合、使用する材料のグレードが安かったり、人件費削減によって職人の数が少なかったりで適切な工事をしてもらえないという可能性もあります。
そのため、相場と比較してあまりにも金額がかけ離れている場合にはその理由を確認し、適切な工事を適切な値段でしてもらえないと感じた場合にはその業者に依頼するのは避けましょう。
項目が曖昧ではないか
見積書には「工事一式」などではなく、きちんと個々の項目が記載されているかを確認しましょう。
工事の内容によっては「一式」と記載される見積書がありますが、一式と記載されている場合は何にどれくらいのお金がかかるのかが不明瞭なため、業者側で相場よりも高い金額で水増し請求を行うことができてしまいます。
また、一式とまとめられている項目には何が含まれているのかわからないため、例えば本来であれば人件費を一式に含んでいるにも関わらず、追加で人件費を請求されてしまうなどのリスクも考えられます。
そのため、一式と記載されているのであれば、そこには何が含まれていてどれくらいの金額なのかの詳細をきちんと確認し、可能であればそういった詳細をしっかりと記載した見積書を作成してもらいましょう。
他社と比較して不明な点はないか
複数社で相見積もりを行なった場合、どの業者も同じ屋根を見て修理にかかる金額の見積もりを行うため、同じ条件での金額差がはっきりとしますが、業者によって見積書の書き方が違うため、その中で不明な点がないかを確認しましょう。
相見積もりを行なって比較をすることによって悪質な業者を避けるだけではなく、適切な金額で適切な工事をしてくれる業者はどれかを見極めることができますが、その見積書の内容を理解できていないと比較することも難しくなります。
そのため、それぞれの見積書を比較するためにもすべての業者でどのような項目にどのくらいの金額がかかるのかを把握しましょう。
相見積もりをするなら信頼できる業者で
屋根の修理はどんな修理内容だったにせよ安くない金額が必要になりますので、できれば信頼できる業者に依頼したいです。
そのために相見積もりを行うべきではありますが、そもそもどんな業者が屋根の修理に対応しているのかを調べるのも非常に手間がかかります。
そこで、マイナビニュース外壁塗装業者Naviではさまざまな市区町村に対応している外壁塗装業者を独自に調査して紹介しています。屋根リフォームを考えている方は下記よりお近くの業者を探してみてください。