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色褪せやひび割れが劣化症状として出てきたスレート屋根

スレート屋根とは?特徴や寿命、メンテナンス時期、メリットを徹底解説

2024.07.17
色褪せやひび割れが劣化症状として出てきたスレート屋根

スレート屋根は施工費用が安価で軽量なため耐震性の観点でも屋根工事で採用されやすい屋根材であり、日本でも多くの家がスレートを使用しています。しかし、スレートの寿命やどのくらいなのか、どんなメリットやリスクがあるのか等、気になる部分は多いです。

この記事ではスレートの寿命や特徴、メリットとデメリットを説明していますので葺き替えやメンテナンスの方法、塗装補修の時期について知りたい方は参考にしてください。

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スレート屋根とは

セメント素材を薄く平たく固めた屋根材のことで、厚さ5mm程度の薄い板状の屋根材です。スレートにはさまざまな呼び名があり、「コロニアル屋根」「カラーベスト」などと呼ばれることもあります。これはスレートが流行した際の商品名です。

素材はセメントを主成分としており塗膜保護が必要になる一方で、スタイリッシュなデザインと耐久性の高さが特徴としてあげられます。また、スレート屋根で使用されている棟は金属製であるため棟板金と呼ばれています。

大きな特徴として、スレートは大きく分けて「天然スレート」と「人工スレート」というように、種類があり、それぞれ特徴に違いがあるため、スレートに葺き替え等をする場合は自宅に適した素材を使用しましょう。

スレート屋根の種類

スレート屋根には以下のような種類があります。

スレート屋根の種類
  • 天然スレート
  • 人工スレート(化粧スレート)

人工スレートの中にもさまざまな種類がありますので、そちらも併せて解説します。

天然スレート

泥岩などが地下で固まった素材のことを粘板岩(ねんばんがん)といい、その粘板岩を薄い板状に加工した素材を「天然スレート」と呼びます。その名のとおり天然の素材なので、鉱物のような風合いで独特な模様を成しているのが特徴です。

天然スレートは耐久性に優れていて、色褪せしにくいという特徴がありますが、天然の素材を使用しているため屋根材自体の価格も高くなりがちです。またその取り扱いの難しさゆえに施工できる職人の数も少ないため施工費用も高くなるのであまり利用されていません。このことから希少価値の高い屋根材として知られています。

化粧スレート

天然ではなくセメントを固めた人工のスレートを「化粧スレート」といいます。人工スレートの中でも天然スレートに似せているので”化粧”スレートと呼ばれています。

日本で平らな屋根をしている家屋の大半はこの化粧スレートを用いており、化粧スレートはその形状によっていくつもの種類があります。

平板(へいばん)スレート

薄い板状に成形したスレートを「平板スレート」といい、特にシェア率の高かった商品名である、カラーベスト・コロニアルなどの名称で呼ばれることも多いです。

「薄板スレート」「薄型スレート」と呼ばれることもありますが、一般の住宅で非常に多く見られるのがこの平板スレートで、形状や質感も数多くの種類があり、デザインの選択肢が豊富です。

厚型スレート(セメント瓦)

「厚型スレート」は化粧スレートを瓦の形に成形して厚みをもたせたもので、セメント瓦とも呼ばれます。

本物の陶器素材の瓦よりも安価で施工できるということで1990年代に「セキスイUがわら」という商品が人気でしたが、現在はあまり利用されなくなりました。本物の瓦ほどは耐久力がないことや、平板スレートより高価である事等が、採用されなくなってしまった理由のひとつです。

その他のスレート

化粧スレートの中には他にも、「波型スレート」という波型の形状に成形した化粧スレートや「石綿スレート」という化粧スレートがあります。

波型スレートはその名の通り波型の形をしたスレート屋根のことで、工場や倉庫などに多く使用されており、「大波」と「小波」という波の形状の大きさが違う2種類があります。耐久性や耐火性、遮音性に優れており、比較的安価な価格で購入できることも魅力の一つです。

石綿スレートの「石綿」とはアスベストのことで、建材の耐久性を高める効果があるため多くの建物に使われていましたが人体への有害性が確認されたため、これを含む石綿スレートは現在使われていません。石綿スレートに対して現在のアスベストを含まないスレートを「無石綿スレート」と呼ぶこともあります。

スレート屋根のメリット・デメリット

近年は屋根材の中でも人気のスレート屋根ですが、前述の通り種類によって特徴や価格も異なります。ここでは、スレート屋根のメリットとデメリットについて解説します。

スレート屋根のメリット

スレート屋根のメリットには以下のようなものがあります。

スレート屋根のメリット
  • 比較的安価で施工できる
  • デザイン性が高い
  • 軽量で地震の揺れに強い
  • 施工可能な業者が多い

比較的安価で施工できる

スレート屋根は大きさや形、地域、業者によって多少は異なるものの、他の屋根材と比較すると低価格で施工ができます。一般的には、1㎡あたり5,000円〜10,000円程度で施工が可能ですが、瓦屋根の場合は1㎡あたり8,000円〜15,000円ほどかかります。

デザイン性が高い

一口でスレート屋根といってもグラッサ、プレミアムグラッサ、グランデグラッサなど、カラーバリエーションが豊富で和洋問わず多くのデザインから選ぶことができます。

例えば、グラッサの中でもグラッサ・ブラック、グラッサ・パールグレイ、グラッサ・ココナッツブラウン、グラッサ・アイリッシュグリーンなど多数の色が用意されているため周囲の家とのバランスや自分の好みに合わせて選択できます。

軽量で地震の揺れに強い

スレート屋根は一枚あたりの重量約3.4kgであるため軽量で、一般的な瓦屋根に比べると半分程度の重さしかありません。屋根は外壁の上に乗っているため屋根が重いほど外壁へのダメージは大きく、より軽量なスレート屋根の場合は耐震性の面で優れます。

施工可能な業者が多い

スレート屋根は多くの戸建て住宅でも使われており、シェア率が高いことからもわかるように施工できる職人が多いため安価で施工できるのはもちろんですが、経験豊富な職人に依頼しやすいのもポイントです。

新築家屋の屋根を選ぶ際だけでなく張り替えや今後メンテナンスを行う際も施工できる業者が多いことで依頼しやすくなります。

スレート屋根のデメリット

一方でスレート屋根のデメリットには以下のようなものがあります。

スレート屋根のデメリット
  • ひび割れが起こりやすい
  • 定期的なメンテナンスが必要

ひび割れが起こりやすい

スレート屋根は他の屋根材に比べて軽量でカラーバリエーションが豊富ですが、ひび割れが起こりやすいのも特徴のひとつです。

軽くて薄い反面で丈夫さという点では瓦屋根には劣り、台風や強風が発生した場合に飛来物の衝撃が原因で割れやすくなります。スレート屋根は屋根材同士を重ねて施工されるため多少のひび割れであればすぐに雨漏りするわけではありませんが、他の屋根材と比べると破損しやすい素材です。

また、薄い屋根材のため雨水の吸い込みと乾燥を繰り返すことでの反りも発生しやすいです。スレートの状態についてはメンテナンス時に確認してもらうようにしてください。

定期的なメンテナンスが必要

スレート屋根は経年劣化により塗装が剥げたり、ひび割れが起こります。そのまま放置すると防水性が失われ、雨漏りの原因にもなります。スレート屋根に限った話ではありませんが定期的な点検は必要で、特に屋根材の塗装はスレート屋根を使用する際には必要不可欠です。

スレート屋根にも寿命・耐用年数があるため,メンテナンス時期の目安を知るためにも、およそ5年毎に専門業者に屋根の点検をしてもらうと良いでしょう。

スレート屋根の寿命

スレート屋根の寿命は約30年前後と言われており、スレート屋根を使用して20年以上経過している家であれば葺き替え工事や上張り工事を検討しましょう。

しかし、2004年以前に製造されたスレート屋根の場合にはアスベストが含まれている可能性が高く、その場合には資格を持った業者にしか施工や運搬ができないため費用が高くなるので注意が必要です。

また、寿命・耐用年数を迎える前にスレート屋根が破損してしまう可能性もあり、スレート屋根は厚さ5mmほどの薄い屋根材のため飛来物などの衝撃に弱く、衝撃が加わることでひび割れが起こりやすい傾向にあります。

それ以外にも、塗膜が剥がれた箇所から侵入した雨水とその乾燥によって反りやすいことから定期的なメンテナンスは必要不可欠と言えます。

スレート屋根の劣化症状

スレート屋根の寿命・耐用年数は約30年前後と言われていますが、年数が経過すると以下のような劣化症状が起こります。

スレート屋根のデメリット
  • 色褪せ
  • ひび割れ
  • コケや藻の繁殖
  • 屋根材の反りや割れ、欠け

色褪せ

スレート屋根は、約5年~7年程度で経年劣化により表面の塗膜が剥がれはじめ、結果として色褪せが生じます。

そのため、屋根を見た際にツヤがなくなったり、色褪せを感じたりした場合はメンテナンスの時期に近づいていると言えるでしょう。色褪せが即座に雨漏りの原因になるわけではありませんが、そのまま放置すると屋根材の劣化を早め、結果として雨漏りの原因にもなるため定期的なメンテナンスが必要です。

ひび割れ

軽量で厚みが約5mmのスレート屋根は非常に薄く、釘で固定されていても歪みなどでひび割れが生じる場合があります。スレート屋根の下には通常ルーフィングがあるため、ひび割れが生じたからといってすぐに雨漏りが発生するわけではありません。

しかし、ひび割れを放置すると隙間から雨水が浸入するようになり、雨漏りのリスクが高まります。雨漏りが発生するとスレート屋根自体も腐食が進み、早期の補修が必要になるでしょう。

また、ひび割れのみではすぐに雨漏りにはなりませんが、スレート屋根は桟木が不要でルーフィング(防水シート)の上に直接加工できるため、ルーフィングが破れてしまうと雨漏りが発生します。

コケや藻の繁殖

屋根の色褪せを放置すると防水効果が低下し、雨水を吸収します。これを放置するとカビが繁殖し、さらにコケも発生することがあります。

コケなどが繁殖すると見た目が悪くなるのはもちろんですが、耐用年数より早めの補修を行わなければなりません。そのため、コケやカビの繁殖を見つけた際はすぐに専門の業者に対処してもらうことが望ましいです。

屋根材の反りや割れ、欠け

スレート屋根表面の塗装が経年劣化すると、雨水などの水分を吸収します。水分を含んだスレート屋根は、吸収と乾燥を繰り返すことにより、反りが発生します。また、季節的な要因もあり、夏場は熱による膨張の影響によって、冬はスレート屋根の凍結による膨張で反りが生じやすくなります。

破損では台風や豪雨などの天候による飛来物で軽量で薄いスレート屋根の欠けや割れが生じる場合もあります。ただし欠けや割れが数枚程度であれば、スレート屋根の部分交換で対処することもできるので大きな問題ではないでしょう。

スレート屋根の欠けや割れが多くの箇所で見られる場合は、他の場所でも屋根材自体がもろくなっている可能性があり、状態に合わせて葺き替え工事やカバー工法などを行う必要があります。

スレート屋根のメンテナンス時期

一般的なスレート屋根自体の寿命は20~30年で、厚型スレート(セメント瓦)の場合は30~40年が目安とされており、いずれのスレート屋根も定期的なメンテナンスをしないと屋根の劣化に気づくことができず、放置することで劣化も早まります。

メンテナンスの際の主な修繕の内容は、ひび割れの補修・屋根棟の交換・塗装・屋根自体の葺き替えなどがあります。定期メンテナンスを怠って雨漏りに発展した場合は工事費用が高額になることもあるので注意が必要です。

塗装の劣化が原因の場合のメンテナンス時期

屋根表面の色褪せやコケの発生などの症状が現れた場合はメンテナンスが必要で、目安として5~7年ごとに専門業者に点検してもらうのがよいでしょう。表面の塗装が剥がれると素材のセメントが水分を吸収してもろくなってしまい、一箇所のひび割れが全体に広がって一気に劣化してしまうこともあります。

また、屋根の表面にコケやカビが発生した場合も塗装の劣化により防水効果がなくなっていることを示します。塗膜が劣化してから時間が経過すると、防水機能が徐々に失われ、屋根材自体が水分を含みやすくなった結果コケが生えてきます。

そのため、屋根表面の色褪せやコケが発生した場合はメンテナンス時期の可能性がありますので、業者に連絡をしましょう。

棟の劣化が原因の場合のメンテナンス時期

スレート屋根の多くには屋根の頂上に棟(むね)という板金でできた部位があり、その棟に錆びが発生してしまうケースや、棟を固定しているクギが浮き上がってしまうケースがあり、これらは15年単位でのリフォームが必要です。

しかし、塗装や板金のメンテナンスを定期的に行ったとしても、屋根材自体の劣化は避けられません。屋根材の反り、欠け、ひび割れなどが発生することもありますので耐用年数を過ぎて使用している家庭では屋根のリフォームも検討してください。

スレート屋根のメンテナンス方法

スレート屋根のメンテナンス方法としては以下の方法があります。

スレート屋根のメンテナンス豊富お
  • 屋根の塗装
  • 葺き替えリフォーム
  • カバー工法によるリフォーム

屋根の塗装

スレート屋根の平均的な塗り替えの時期は10年前後が目安とされています。これは屋根が外壁以上に日光の影響を受けやすいためで、屋根材を守るためにも定期的な塗装は行うようにしてください。色褪せ、割れ、塗装のはがれなど屋根材の劣化症状が確認できた際はすぐにメンテナンスを行い、屋根材を劣化させないようにしましょう。

屋根は雨風や紫外線によって日々ダメージを受ける部位なので、塗装をすることで表面をカバーし、屋根材そのものの劣化を抑えています。適切な時期に塗り替えをせず、劣化したままでいると雨漏りなどが起きて、工事費が高額になることもあります。屋根塗装の寿命は、使用した塗料の種類によっても期間が異なるので、事前に業者に確認が必要です。

スレート屋根の塗装にかかる費用は屋根の状態や使用する塗料によって差が出るため詳細は業者に確認すべきですが、30坪あたりおよそ40万~80万円で見ておくと良いでしょう。

工期については平均で10日~14日程度かかります。塗料は気温や湿度によって乾燥にかかる時間が異なるため季節や天気によって左右されますのでタイミングは依頼する職人に相談しましょう。施工中は住宅に足場が架設され、施工箇所によっては窓が開けられなかったりすることもあるので、季節やスケジュールも考慮して依頼するとよいでしょう。

葺き替えリフォーム

葺き替えとは、屋根全体の素材を取り換える工法で、古い屋根材を撤去し、下地を補強してから新たに防水シートと、屋根材を張り直す大がかりな工事です。塗り替えをして塗料で表面だけをカバーをしていても、30年を過ぎると屋根材自体の寿命を迎えるので、葺き替えが必要になります。

古くなった屋根材をまるまる新しいものに取り換えるので状態が非常に良くなりますが、撤去費用や処分費が必要になるため工事費用の相場はおよそ90万円〜200万円とやや高額です。(建物の大きさや屋根材によって金額は異なります。)

カバー工法によるリフォーム

カバー工法とは、もともとの屋根の上に新しい屋根を重ねる工法です。屋根の下地はそのまま使用するのでカバー工法のほうがやや簡易的な工事となりコストは抑えられます。

しかし、下地も当然多少の劣化はしているので、あとから修繕が必要になる可能性もあります。また、屋根材を重ねることで屋根の総重量が増してしまうので、耐震性が低下する点は押さえておきましょう。

工事費用の相場はおよそ80万円~120万円で、もとの素材を撤去する作業がなくなる分、葺き替えよりは安価の場合が多いです。ただし、建物の大きさや状態により金額は大きく異なりますので、事前によく確認してください。

カバー工法は、アスベストを含んだ屋根のリフォーム時にも最適です。アスベストを含む石綿スレートを葺き替えの工法で一度撤去する場合、廃棄には高額な費用がかかります。そのため、アスベスト製品は埋め込んでしまう形で上から被せるカバー工法が重宝されます。

アスベストを含むスレート屋根の見分け方

アスベストとは、天然の鉱物繊維の総称を指します。このアスベストを含むスレート屋根の見分け方として、日本の規制と不具合状況からわかる場合があります。

法規制から見分ける

日本でのアスベストの規制は、法律施行日を見ると目安がわかります。

2004年労働安全衛生法施行令改正により、代替が困難なものを除くすべてのアスベスト製品の製造、輸入、譲渡、提供、使用が禁止されました。しかし、クリソタイル(白石綿)は認められていたため、家を建てたのが2004年以降で粘土瓦と金属屋根材を使用している場合は屋根材にアスベストが含まれていません。

その一方で、2004年以前のスレートなどの屋根材はアスベストが含有されている可能性があります。 アスベストは発じんの度合いによって、レベル1~3に分類されますが、2006年には労働安全衛生法施行令改正により、全面的にアスベストの使用が禁止されました。

不具合状況から見分ける

不具合状況からアスベストを含むスレート屋根の見分けることも可能で、アスベストを含むスレート屋根は含んでいないスレート屋根よりも丈夫でしっかりしてるため、不具合が生じにくいのが特徴です。

一方で、アスベストが含まれていないスレート屋根はひび割れや欠け、剥がれが生じやすくなります。目視で確認することができない場合は、専門の業者に確認してもらいましょう。

スレート屋根の施工は業者に任せましょう

スレート屋根を採用した場合約5年~7年を目安に定期点検、約10年を目安に塗り替え、約15年を目安に棟の交換、約30年を目安に屋根材自体の全体交換、と時期と内容を把握しておくとよいでしょう。

軽度の補修であればDIYでの補修を考えている人もいるかもしれませんが、急勾配の屋根の場合は危険が伴いますし、知識のない方では補修するのが難しいため、プロに依頼することで確実に、そして楽に補修することができますよ。

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