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屋根葺き替えの様子

屋根葺き替え工事の費用を解説!リフォーム修理の相場とは?

2024.07.16
屋根葺き替えの様子

住宅の屋根は、24時間365日紫外線や雨風、ほこりなどの影響を受けているため、外壁と比較しても劣化が大きく、定期的なメンテナンスやリフォームが必要です。メンテナンスやリフォームとして行われる屋根の葺き替え工事は屋根リフォームの中でも主流の工事です。

この記事では葺き替えや重ね葺き(カバー工法)、さらに屋根塗装にかかる費用相場を紹介します。さらに屋根材ごとのメリット・デメリットも併せて解説していますので参考にしてください。

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屋根の葺き替えとは

屋根の葺き替えは、現状設置されている古い屋根材を一度撤去して、新しい屋根材を設置するリフォーム方法です。 葺き替え工事では屋根材を撤去することで屋根の下地の状態を細かく点検することができ、徹底した屋根リフォームとして行われます。

屋根リフォームの代表的な方法である屋根の葺き替えについて、メリット・デメリットを解説します。葺き替え工事を検討している方は、これを踏まえて工事の内容を検討してください。

屋根葺き替え工事のメリット

葺き替えを行う最大のメリットは、屋根材の下に敷設された防水シートまで交換することで屋根そのものが新品になるため、建物自体の寿命を大きく伸ばせることです。

そのため、費用や工期はかかりますが、建物自体の寿命を伸ばせるため、長期的に見るとコストパフォーマンスに優れ、安心して住むことが出来ます。 加えて、屋根材を新しいものに替えて軽量化をすれば地震にも強くなるだけでなく家全体のイメージチェンジにもつながります。一度を屋根を撤去しているため普段はメンテンナンスの難しい屋根の下地なども目視で確認ができることは大きなメリットです。

屋根葺き替え工事のデメリット

デメリットとして、リフォームの選択肢の中では施工費用が高いこと、撤去した際に廃材が発生することなどが挙げられます。

特にアスベスト入りの屋根は扱える業者が少ないのはもちろんですが運搬や処分に関しても免許が必要で高額になりやすいです。そのため目的と予算双方をすり合わせたうえで工事を行う職人に相談して決めるのがおすすめです。

葺き替え工事にかかる費用相場

葺き替えにかかる費用の相場を、表で紹介します。なお、ここで示すのは、防水シートや足場代も含む工事一式の費用です。また、金額はあくまでも目安で、使用する材料や現場の状況によって変化します。

リフォーム内容と費用の目安
  • 瓦 → 瓦:100万円~266万円
  • 瓦 → スレート:70万円~200万円
  • 瓦 → ガルバリウム鋼板:80万円~210万円
  • スレート → スレート:70万円~200万円
  • スレート → ガルバリウム鋼板:90万円~200万円
  • セメント瓦 → 瓦:100万円~250万円
  • セメント瓦 → スレート:98万円~260万円
  • セメント瓦 → ガルバリウム鋼板:80万円~200万円

上記を踏まえると、屋根の葺き替えリフォーム一式の費用は、70万円~250万円程度が相場です。屋根材によって発生する費用の違いは、後ほど詳しくご紹介します。

葺き替え工事の内容

屋根の葺き替え工事では以下のような工事工程で行われます。

葺き替え工事の工事工程
  • 足場設置作業
  • 既存の屋根材撤去作業
  • 野路板(のじいた)の設置
  • 防水シートの設置
  • 新しい屋根材の設置
  • 足場の解体

上記は一般的な工程なため、具体的な手順については屋根の状態や施工する業者によって多少異なることがあります。施工内容は工事費用にも関わるので、作業内訳が気になる方は施工前に依頼した業者に確認してください。

足場設置作業

屋根のリフォーム工事は高所作業なので安全確保のために必ず足場が設置されます。足場は高所作業時に設置を義務付けられているものなので足場を設置せずに施工をすることはありません。そのため、費用に関しても必ずかかるものとなります。

既存の屋根材撤去作業

この工程では既存の屋根材だけでなく、屋根材の下にある防水シート(ルーフィング)まで撤去します。一時的とはいえ防水シートの撤去を行うため施工期間中は天気の影響を大きく受けるため注意が必要です。

野地板(のじいた)の設置

野地板とは屋根材を置くために敷く板です。古くからある杉板や、野地合板、野地耐火合板の3種類が存在します。

野地板は普段確認することができず、防水シートを剥がしたこのタイミングでしか点検できません。屋根の葺き替え工事は何度も行う工事ではないためこの機会に状態を確認して適切な処置を施す必要があります。

防水シートの設置

野地板の上には雨漏りなどを防ぐために防水シートを設置します。防水シートはルーフィングともいい、アスファルトルーフィングや改質ゴムアスファルトルーフィングなどの種類があります。防水シートを張り替えることで今まで負っていたダメージをリセットできるほか、屋根の状態を細かく把握できる点もメリットです。

防水シートがない状態で雨が降らないようにここまでの作業は天気とも相談しつつ素早く行います。

新しい屋根材の設置

新しい屋根材を設置します。屋根材は瓦から瓦というように同じ素材を使うこともできますが、瓦からスレート瓦やガルバリウム鋼板など、材質を変更することも可能です。それぞれの屋根材にメリットがあるので、業者と相談して予算や求める機能に合う材料を選びましょう。

屋根材が既存のものよりも重くなる場合には要注意で、建物が重さに耐えられる構造になっているかを確認してから作業を行います。

足場の解体

屋根材の葺き替えが終わったら足場を撤去して現場を片付け、作業終了です。

使用する屋根材で異なる費用相場

屋根材には以下のようにさまざまな種類があり、その特徴や費用なども変わってきます。

葺き替え工事で使用できる屋根材
  • ガルバリウム銅板
  • ジンカリウム鋼板(天然石粒付き屋根)
  • ルーガ
  • トタン(瓦棒)
  • コロニアル(スレート瓦)
  • アスファルトシングル
  • 陶器瓦

ガルバリウム鋼板に葺き替える場合

「ガルバリウム」は、アルミニウムと亜鉛とシリコンの合金で、アルミニウムの耐食性(サビに耐える性質)と亜鉛の防食作用(サビにくさ)を持っているため雨の影響を受けやすい外壁におすすめの素材です。屋根材として使用する「ガルバリウム鋼板」は、鉄をガルバリウムでメッキしたものです。

一般には、断熱材入りの成型ガルバリウム鋼板が用いられます。2016年からは、メッキ方法を改良した「SGL(超高耐久ガルバリウム)」も販売されています。

ガルバリウム鋼板が持つ最大のメリットはサビに強く、屋外で使用しても長期の耐久性を持っていることです。加えて他の屋根材より薄いにも関わらず強度はしっかり備えているため、家全体の重量を軽くできて且つ地震に強いという特徴もあります。また、加工や着色のしやすさからデザイン性が高く、耐熱性に優れる点も魅力です。

デメリットとして、他の屋根材よりも素材が薄いため防音性がやや低い点が挙げられます。また、水たまりができると劣化は早まる傾向にあるため、勾配のない屋根には向かないことなどがあります。平米当たりの施工費用は6,000円~9,000円程度で、耐用年数は30年程度です。

ジンカリウム鋼板(天然石粒付き屋根)に葺き替える場合

「ジンカリウム」はアルミニウムと亜鉛、シリコンの合金で、成分としてはガルバリウムと大差ありません。日本では天然石の粒をコーティングした「ジンカリウム鋼板」が屋根材として多く出回っています。

ジンカリウム鋼板はガルバリウム鋼板のように耐久性や耐震性、防火性が高いうえに、石粒のコーティングによって断熱性や防音性も高まっています。平米当たりの施工費用は8,500円~22,000円とガルバリウム鋼板より高価な点や、表面の石粒が少しずつ剥がれて、雨どいに溜まることがある点などは、明確なデメリットです。

ルーガに葺き替える場合

「ルーガ」とは瓦屋根の一種で、ケイミュー株式会社が販売している商品の名称です。 見た目は瓦と区別が付きませんが、瓦より割れにくく重量も半分程度しかないので、瓦の見た目を持ちつつ、重量というデメリットを改善した屋根材と考えてよいでしょう。

製造方法としては、セメントに特殊な繊維を混ぜ込み気泡を作っています。平米当たりの施工費用は、7,800円程度を見込んでおきましょう。

トタン(瓦棒)に葺き替える場合

「トタン」は鉄に亜鉛メッキを施したもので、屋根材として安いこと、軽いことなどのメリットがあります。平米当たりの施工費用単価は4,000円~10,000円と底値の安さが魅力です。

しかし、素材の軽さに比例して耐久性が低いことから、近年は金属材料であればガルバリウム鋼板を使用することが多いです。

コロニアル(スレート瓦)に葺き替える場合

「コロニアル」とは、ケイミュー株式会社が販売しているスレート瓦の商品名なのですが、市場シェアが大きかったことから、スレート瓦のことをコロニアルと呼ぶことが多くなりました。ここでも、コロニアルという名称を使って説明します。

コロニアルのメリットは、価格が安くデザインも豊富、軽量で耐震性が高いこと。そして普及率自体が高いので、扱っている業者も多いため依頼しやすい点が挙げられます。

一方、デメリットは、他の屋根材よりも薄くつくられていることからひび割れが起こりやすいこと、さらに素材自体には防水性がないため、定期的に塗装を行う必要があることです。平米当たりの施工費用は、7,800〜17,300円程度です。

アスファルトシングルに葺き替える場合

「アスファルトシングル」とは、グラスファイバーにアスファルトを浸み込ませ、砂粒を表面に施したシート状の屋根材です。アメリカでは住宅の8割以上に使用されていますが、日本では現在それほど広まっていません。アスファルトシングルはシート状なので施工性がよく、防水性や防音性も優れています。

デメリットとしては、強風で剥がれてしまうケースがあること、勾配の小さい屋根には向かないこと、表面の砂粒が少しずつ剥がれることなどがあります。平米当たりの施工費用単価は、5,000〜6,500円程度と安さでも利点があります。

陶器瓦に葺き替える場合

「陶器瓦」は一般的な瓦(粘土瓦)の成形後に、色合いやツヤを強調するための釉薬(ゆうやく)を塗って作ったものです。特に和風の家屋に非常に合う意匠性の高さと耐久性が魅力で、瓦自体はメンテナンスを必要としないと言われています。(屋根全体で見ると、漆喰や防水シートのメンテナンスは必要です。)

一方、瓦自体に重量があるので耐震の面ではあまり良いとはいえず、また単価が高いことから施工費用は高額になりがちです。費用面ではメンテナンスをあまり必要としないことを踏まえて、ほかの素材と比べましょう。平米当たりの施工費用単価は5,500〜16,000円程度です。

屋根の葺き替え以外のリフォーム方法

屋根の葺き替え工事以外にも「重ね葺き工事(カバー工法)」と「屋根塗装」の2種類のリフォーム方法があります。 それぞれの特徴やメリット・デメリット、費用の相場などをご紹介します。

屋根重ね葺き工事(カバー工法)とは

屋根の重ね葺きは、既存の屋根材を撤去せずに、上から新しい屋根材を敷設する方法です。 その施工方法から「カバー工法」とも呼ばれています。新しい屋根材を上から被せることで短期間で屋根表面新品に替えます。

屋根重ね葺き工事(カバー工法)のメリット

重ね葺き工事のメリットは、既存の屋根材を撤去しないため、葺き替え工事より費用も工期も掛からない点です。 また、屋根材が二重になるので断熱性や防音性が高まること、撤去工事をしないのでホコリや騒音が少ないなどの利点もあります。

既設の屋根にアスベストが使用されている場合、撤去すると大きな費用が発生しますが、重ね葺き工事ならその心配はありません。

屋根重ね葺き工事(カバー工法)のデメリット

重ね葺き工事のデメリットとして、既存の屋根が大きなダメージを受けている場合は施工できません。また、材料によっては重ね葺き工事が選択できない(瓦などの重い材料には向かないため)、材料によっては屋根が重くなるため耐震性の面で不利になります。

それ以外にも、雨漏りなどが起こったときに、原因の特定が通常よりも困難になるというデメリットもあります。

屋根重ね葺き工事(カバー工法)の費用相場

屋根の重ね葺き工事では、足場の設置、既存の屋根の洗浄作業、養生作業、防水シートの敷設、新しい屋根材の設置、新しい棟板金などで雨仕舞をする作業、が必要です。 費用は、施工面積や材料、現場の状況にもよりますが、工事一式で80万円~140万円程度が相場です。

屋根の塗装工事とは

屋根の塗装は、リフォームやメンテナンスの一環として行うもので、屋根材を新しくするのではなく、塗料によって防水性などの機能を復活させます。 屋根材を新しくする葺き替えや重ね葺き工事とは異なり、現在使っている屋根材をそのまま長持ちさせることを目的としたリフォームです。

屋根塗装工事のメリット

塗装工事のメリットは、葺き替えや重ね葺きより工事が短期間で終わり、費用が少なくて済む点です。 また塗装だけなので屋根の形状は変わりませんが、色を変えて家のイメージを一新することもできます。塗装は防水性を上げるだけでなく、塗料によっては断熱効果や遮熱効果を改善できるものもあります。

また、高性能な塗料の中には汚れが付きにくいものや、セルフクリーニング機能を持つものもあります。

屋根塗装工事のデメリット

屋根塗装は定期的な塗り替えが必要になり、塗料には耐用年数があるため、その度に塗装工事が必要になります。

また、塗装業者によりますが、経験や技術が未熟な職人が塗装を行うと塗りムラや塗りすぎなど、美観を損なう可能性もありますし、その結果塗料本来の耐用年数に満たない期間での塗り替えが必要になるケースもあります。

屋根塗装工事にかかる費用相場

屋根の塗装工事費用の相場を、塗料別に表で紹介します。なお、費用や耐用年数はメーカーや商品によって異なります。また、現場の劣化状況で左右されることもあるため、各数値はあくまで目安としてください。

塗料の種類 平米単価 30坪住宅の相場 耐用年数
アクリル塗料 1,500円~1,800円 18万円~21万円 2年~3年
ウレタン塗料 1,800円~2,200円 21万円~26万円 3年~5年
シリコン塗料 2,800円~3,100円 33万円~37万円 5年~8年
ラジカル塗料 3,200円~4,000円 38万円~48万円 5年~8年
フッ素塗料 4,200円~4,500円 50万円~54万円 7年~10年
光触媒塗料 4,200円~5,000円 50万円~60万円 7年~10年

上記に足場や諸経費などを含めると、屋根塗装の費用相場は35万円~120万円程度です。費用と耐用年数だけを考慮すると、ウレタン塗料が最もコストパフォーマンスに優れますが、塗料によって特徴がありますのでどの塗料にするのか・どの色にするのかなどの詳細は業者と相談したほうが良いでしょう。

屋根の葺き替えリフォーム工事は信頼できる業者に相談

ここまで説明してきたように、屋根のリフォームには、葺き替え工事、重ね葺き工事、塗装工事と3つの選択肢があります。それぞれにメリット・デメリットがあり、費用や耐用年数も違うため、この記事を参照して予算や求める機能に合わせて選択してください。

また、屋根のリフォーム工事はしっかりした経験と知識がある業者でないと、材料が本来持っている機能が発揮できない場合もあります。屋根のリフォームを行う際は、ぜひ信頼できる業者に依頼するように心がけましょう。

マイナビニュース外壁塗装業者Naviではさまざまな市区町村に対応している外壁塗装業者を独自に調査し、信頼できる業者を厳選してご紹介している記事もありますので、ぜひそちらも参考にしてください。

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