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スレート屋根を高圧洗浄する職人

コロニアル屋根とは?商品の種類や特徴とメンテナンス方法

2024.07.11
スレート屋根を高圧洗浄する職人

屋根工事やリフォームの際の屋根材として使われているコロニアル屋根。業界では流通も多く有名な屋根材ですが耳慣れない言葉という方も少なくないでしょう。本記事ではコロニアル屋根について詳しく解説していきます。

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コロニアル屋根とは

コロニアル屋根とは、屋根材ではなく戸建て住宅専用のスレート屋根材の商品名です。コロニアル屋根はクボタとパナソニックの合併会社であるケイミュー株式会社が製造、販売しています。本項ではコロニアル屋根の基礎知識を解説します。

コロニアルはスレート屋根材の商品名

セメントと繊維質を混ぜて板状にした屋根材をスレートといいます。「コロニアル」や「カラーベスト」はスレート材の商品名ですが、一番普及している「コロニアル屋根」と呼ばれることが多いです。耐用年数が20年~25年あるコロニアル屋根は価格も手ごろなので、採用実績が最も豊富な屋根材といえます。

スレート屋根の歴史

地震が多い日本では、建物の耐震性能が重視されてきた歴史があります。軽量で耐震性が高いことから、1995年の阪神淡路大震災がきっかけで普及したコロニアル屋根ですが、初期のものには現在使用が禁止されているアスベスト(石綿)が含まれていました。2004年にアスベストの使用・製造が全面禁止されてからは、ノンアスベストのコロニアル屋根が作られるようになり、改良されながら製造されています。

コロニアル屋根材の種類と特徴

コロニアル屋根は種類によって特徴や適切なメンテナンス方法が異なります。ここでは世代別にそれぞれの違いについて確認していきます。

ニューコロニアル(第一世代)

ニューコロニアルはアスベストを使用した屋根材で、耐久性が高いのが特徴です。アスベスト(石綿)は天然の鉱物繊維のことで、優れた耐熱性や扱いやすさからさまざまな建築資材の材料として使用されてきました。

しかし、アスベストが人の肺に入ると長い潜伏期間を経て、肺がんや悪性中皮腫を引き起こすことがわかりました。そのため、現在ではアスベストを含んだ製品の製造は法律で禁止されています。

塗装のみのリフォームではアスベストを気にすることなく工事を実施することができるため再塗装をして施工されることが多いです。コロニアル屋根が劣化した際には葺き替え工事を行なうことがありますが、アスベストを含むニューコロニアルは石綿取扱作業従事者、石綿作業主任者、建設物石綿含有建材調査者、アスベスト診断士といった専門資格を保有する職人が必要です。このことからカバー工法(重ね葺き)が推奨されます。

コロニアルNEO(第二世代)

コロニアルNEOは、2001年頃から販売が開始されたノンアスベストの屋根材です。

健康被害からアスベストを使った製造が中止となり、屋根材メーカーは試行錯誤を繰り返すこととなりました。アスベストに代わる素材は簡単には見つからず、その当時の屋根材は強度が低くさまざまな問題が起こりました。特にコロニアルNEOに見られる劣化症状としては、ひび割れや欠け、変色が挙げられます。

屋根のメンテナンスといえばまず塗装が考えられますが、コロニアルNEOは塗装のために屋根に登った職人の重さでも割れてしまうことがあります。また、大きな欠けも起こりやすく、メンテナンスを行う前に雨漏れに直結してしまう事例も見つかっています。コロニアルNEOは不規則にそして1枚ずつ変色していくのが特徴です。

コロニアルクァッド(第三世代)

現在のスレート屋根材の主流といわれるのが、第三世代のコロニアルクァッドです。コロニアルクァッドは、リフォームに使用されるコロニアル屋根の中で最もベーシックなグレードとされており、2008年に販売が開始された商品です。

高い耐候性をもつアクリルコートと基材、中間層からなるコロニアルクァッドは、表面の塗膜が劣化しても色褪せしにくくなっています。リフォーム販売開始から十数年しか経過していないことから、強度やメンテナンスへの評価はまだ十分に検証されていません。

一方で、カラーバリエーションがとても豊富なコロニアルクァッドは、優れたデザイン性が評価されています。和瓦やガルバリウム鋼板など他の屋根材と比較すると、軽量で施工費用も安く、工期も短いコロニアル屋根は非常に人気がある建材です。

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コロニアル屋根のメリットデメリット

リフォームの際に、最も選ばれているコロニアル屋根。しかしこれまでの歴史を考えても万能というわけではありません。屋根材を選ぶときに注意したい、コロニアル屋根のメリットとデメリットとは何なのか。気になる点について紹介していきます。

コロニアル屋根のメリットとデメリット
  • 【メリット】他の屋根材よりも安価で施工できる
  • 【メリット】カラーバリエーション豊富でデザイン性が高い
  • 【メリット】施工がしやすく工期が短い
  • 【デメリット】瓦が薄くひび割れしやすい
  • 【デメリット】定期的に再塗装が必要

【メリット】他の屋根材よりも安価で施工できる

コロニアル屋根の大きなメリットとしては費用面が挙げられます。和瓦やガルバリウム鋼板といった屋根材がある中でコロニアル屋根は商品代が安いため施工費を抑えることもできます。

また、日本は世界的にも地震が多い地域ですが、地震による倒壊や外壁へのダメージを避けるために軽い屋根材を選ぶことが推奨されています。コロニアル屋根は薄く軽量なため屋根の重量を軽くして重心を下げることが見込め、耐震性の高い屋根材としても人気です。

【メリット】カラーバリエーション豊富でデザイン性が高い

2つ目のメリットとしてはデザイン性です。コロニアル屋根はカラーバリエーションが豊富で住宅のデザイン性を高めたい方にもおすすめです。ブラックやブラウン、シルバー系だけでなく、グリーンやオレンジなど、洋風な外観スタイルにも似合うカラーがそろっていて選ぶ楽しみもプラスされています。

【メリット】施工がしやすく工期が短い

3つ目のメリットは工期の短さです。コロニアル屋根は他の屋根材と比較して工期が短い屋根材として知られています。これは軽量かつ加工をしやすいという特徴をもつためです。さらに主流な屋根材であるため多くの職人が取り扱った経験があり施工品質の安定感もあります。

施工できる業者が多く、工期も短いという点は最初に紹介した安価で施工できるという点にもつながっています。

【デメリット】瓦が薄くひび割れしやすい

実際にコロニアル屋根で施工をするのであればメリットだけでなくデメリットも理解しておきましょう。

セメントと繊維質の混合素材を薄い板状に加工したコロニアル屋根は他の屋根材と比較するとひび割れを起こしやすいというデメリットがあります。薄い素材ということで断熱性の低さも気になる点で、染み込んだ水が凍結することで膨張してひび割れにつながるケースもあるので寒冷地では屋根職人とも検討して工事に臨みましょう。

【デメリット】定期的に再塗装が必要

コロニアル屋根の表面には凹凸があり、水や汚れが溜まって汚れやすい点もデメリットでしょう。

しばらく塗装をしていないと徐々に塗膜による保護効果が切れて水が溜まりカビやコケが発生することもあります。カビやコケが生えた屋根は常に湿っている状態のため劣化が進行しやすく見栄えも良くないため定期的に汚れを落として清掃する必要があります。

また、コロニアル屋根は和瓦とは異なり塗装が必要な屋根材です。塗装時期になっても適切なメンテナンスを行わないとコロニアル屋根自体が傷み、寿命を短くしてしまうため適切なタイミングでメンテナンスを行うようにしてください。

コロニアル屋根の寿命と耐用年数

コロニアル屋根の寿命は20年~25年程度といわれています。しかし、定期的なメンテナンスを行わないと20年未満でも割れや欠けを起こして雨漏りをしてしまうこともあります。

コロニアルNEO(第二世代)は「ひび割れ、欠け、変色」を生じやすいため、塗装でのメンテナンスは難しいです。劣化が進んだらカバ―工法、または葺き替え工事が必要になります。

コロニアルクァッドのような第三世代は、5年~10年を目安に点検を依頼して劣化が起こっていないかどうか把握することが大切です。もし劣化症状が確認された場合には、早めに対策することでコロニアル屋根の耐用年数を延ばせます。自宅の屋根がどうなっているか不安な方や10年以内にメンテナンスを指定内容であれば専門業者に依頼して点検してもらうことをおすすめします。

外壁塗装Naviでは全国の塗装業者を独自調査して紹介しています。下記からお住まいの地域の塗装業者、屋根業者を探してメンテナンスにご活用ください。

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コロニアル屋根の劣化症状

本項ではコロニアル屋根の主な劣化症状について解説します。コロニアル屋根にあらわれる症状とその対処方法を知って長持ちさせられるようメンテナンスを行いましょう。

野地板の腐食

木造住宅の屋根では、家の骨組みの一つである垂木(たるき)の上に野地板を貼って防水シートを敷き、屋根材を施工します。野地板の上に敷く防水シートやコロニアル屋根には通気性がないため、野地板は結露や雨漏りの影響を受けて腐食してしまうことがあります。

野地板の腐食は害虫やカビの発生につながり、放置しておくと住宅の内部にまで影響がおよびます。コロニアル屋根の点検やメンテナンスのときには、必ず野地板の腐食についてもチェックが必要です。野地板の補修や補強が必要な場合は、葺き替え工事を行いましょう。

色褪せ

コロニアル屋根の塗装に使用する塗料は比較的高い耐候性を持つ塗料ですが、毎日の紫外線や雨風にさらされることで少しずつ色褪せの症状などが進行して塗膜が劣化していきます。色褪せをそのまま放置しておくと屋根材の基材の傷みにつながります。

色褪せの初期症状を的確にとらえて、早めに塗り替えることで屋根材の耐久性を維持することができます。また、住宅の外観を美しく保つためにも、定期的な塗装は行いたいメンテナンスです。

ひび割れ

コロニアル屋根は、セメントと繊維質を素材とした薄い板状の屋根材です。薄さが屋根の軽量化につながる一方で、強風や荷重によるひび割れや反りなどの劣化が起こりやすい素材です。ひび割れの発生によって屋根の隙間から雨水が入り込み、野地板の腐食や室内への雨漏りにつながる可能性が高くなる点は知っておきましょう。

また、表面の塗膜がはがれてコロニアル屋根が水分を含んだり乾燥したりを繰り返すことで、屋根が反ってしまう症状も起こります。「ひび割れ」や「反り」という劣化症状を早期に発見して補修することで、コロニアル屋根の寿命を延ばせます。

コケや藻の繁殖

コケや藻の繁殖は、ある程度の築年数が経ったコロニアル屋根によく見られる劣化症状です。屋根材にコケや藻が繁殖している状態は住宅の外観を損ねます。コケや藻の繁殖は美観的な問題だけではなく、放置していることで屋根材の劣化が進行してしまう点に注意してください。

また、コケや藻が生えると屋根材の水はけが悪くなります。水はけが悪くなったところへ砂やホコリが溜まるとさらに水は蒸発しにくくなり悪循環に陥ります。コロニアル屋根に生えたコケや藻に溜まった水は蒸発するまでとどまり、屋根材が湿った状態が続きます。このように、住宅にとって大敵である水分をため込む原因となるコケや藻の繁殖は、定期的なメンテナンスで取り除く必要があります。

コロニアル屋根のメンテナンス方法と費用

コロニアル屋根の主なメンテナンス方法には、塗装の他にカバー工法、葺き替えがあります。ここではそれぞれの特徴や費用について解説していきます。かかる費用はあくまで目安や相場であり、実際にかかる金額は屋根の状態によります。そのため一度専門業者に点検をしてもらうようにしましょう。

ひび、棟などの部分的な補修

コロニアル屋根は紫外線を浴びて表面の防水塗膜が劣化し、ひび割れや欠けが生じます。ひび割れを見つけたら、まずは専門業者に点検を依頼するのがおすすめです。屋根の上での作業はとても危険なので、ひび割れを見つけても自分で補修するのは避けてください。

小さなひび割れにはコーキング材などで補修します。足場を組む必要がない補修は2万~4万円程度の費用が目安です。コロニアル屋根に大きなひび割れや欠けを生じている場合には、「棟(むね)」と呼ばれる部分にも影響が及んでいることが考えられます。「棟」とは戸建て住宅の最も高い位置(頂上)に取り付ける屋根部材で、コロニアル屋根では棟板金が屋根の内部に雨水が入らないように覆っています。

棟板金を固定しているのは釘です。その釘が劣化によって弱っていると、台風などの災害時に棟板金が飛んでしまう可能性が出てきます。そこで、築10年程度を目安に、棟板金と下地の木材を交換するのがおすすめです。費用の目安としては10万~15万円程度です。

塗装

コロニアル屋根の主なメンテナンスは塗装で、定期的に塗装を行うことで寿命を延ばすことができます。コロニアル屋根の塗装によるメンテナンスには大きく下記のような7つの工程があります。

コロニアル屋根の塗装工程
  • 高圧洗浄:高圧洗浄機を使ってコケや藻、カビなどの汚れを落とす
  • 養生:塗装を行わない部分や飛散を防ぐために覆う
  • 下地処理:ひび割れや欠けを補修する
  • 下塗り:棟板金には錆止め塗装を、コロニアル屋根には適した下塗り材をムラなく
  • 中塗り:実際の屋根の色になる塗料を使って塗装
  • 上塗り:塗膜を厚くするため、中塗り乾燥後に同じ塗料を使って塗装
  • 縁切り:屋根材が重なる部分に隙間を作って雨水を逃がす

屋根塗装にかかる費用は使用する塗料によって差が出ます。屋根と外壁を同時に施工できるよう劣化しやすい屋根には外壁よりも耐用年数の長いものを使用するのがおすすめです。

塗料ごとの費用相場
  • シリコン塗料:2,500円~3,200円
  • ラジカル塗料:2,500円~3,000円
  • フッ素塗料:3,500円~4,500円
  • 無機塗料:4,500円~5,500円

カバー工法

カバー工法とは既存の屋根に新しい屋根を重ねて葺く補修方法です。既存屋根の撤去をしないため、リフォーム費用がおさえられて工期も短く済むメリットがあります。さらに、屋根が二重構造になることで断熱や防音の効果も期待できます。

一方、新しく取り付けた屋根の重さの分、住宅の耐震性が低下します。また、既存の屋根材や野地板まで劣化しているときにはカバー工法は利用できません。コロニアル屋根のカバー工法の費用は、施工面積や使用する材料などにもよりますが、工事一式で80万~140万円程度が目安となります。

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屋根葺き替え工事の工程
  • 足場仮設:高所作業のため安全確保のための足場が必須です
  • 既存屋根材の撤去:屋根材、防水シート、野地板を撤去します
  • 野地板設置:屋根材を置くために必要な新しい野地板を設置します
  • 防水シート敷設:雨漏りから家を守るために防水シートを敷きます
  • 瓦葺き:新しいコロニアル屋根や他の屋根材を葺きます
  • 足場解体:使用した足場を解体して清掃をして完了です

コロニアル屋根の特徴を知って適切なメンテナンスを

この記事ではコロニアル屋根の特徴やメンテナンス方法を紹介しました。現在の屋根材の主流であるコロニアル屋根。長く使い続けるためにはメンテナンスも重要であることがわかったかと思います。ここでエた知識をもとに自宅の外壁や屋根のメンテナンスにお役立てください。

外壁塗装Naviでは各地域の外壁塗装業者や屋根業者を調査してまとめています。依頼前には相見積もりを行なうのが重要なため気になった業者にまずは相談してみることをおすすめします。

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