外壁塗装のローンはどういう人におすすめ?
外壁塗装をするのに本当にローンを組むべきなのか悩んでいる人も多いでしょう。ローンは借金なので慎重になるのは当然です。
しかし、以下で紹介する状況にあてはまる方はローンを組むのもおすすめです。ローンを組んだ方が最終的にコストパフォーマンスに優れていたり、安心できたりする状況もあるので確認してみてください。
劣化が激しくすぐに施工が必要な人
外壁の劣化が激しく、すぐに施工が必要な場合は、資金が貯まるのを待つよりもローンを組んで早めに外壁塗装をするのがおすすめです。 工事を先送りにして劣化した外壁を放置すると、家の内側にまで劣化が進み、家の寿命が縮んでしまいます。
そうなると修繕や建て替え、引っ越しが必要になり、余計に費用がかかります。 ローンの利息を考えたとしても、ローンを利用して早く外壁塗装をする方がお得である場合も少なくありません。
貯金を大きく崩したくない人
貯金を大きく崩したくない方もローンを検討してみましょう。お子さんの進学や車の買い替えなど近い将来に出費が予定されているなら、ローンを使って手元にまとまったお金を残しておくのも選択肢の1つです。
外壁塗装のローンの中には金利を抑えられるものもあるので、他のタイミングでお金を借りるよりも外壁塗装でローンを組んで貯金を残しておいた方がお得である場合もあります。
この記事の内容を理解し、向いていると思った人
人によって経済的な状況や要望はさまざまなので、上記にあてはまらなくてもこの記事を読んでご自宅に向いていると思った方はローンを組むのもおすすめです。
この記事はローンのメリットやデメリット、費用総額を減らす手段なども解説します。ローンの正負の両面を理解した上でなお魅力的に感じるなら、選択肢として検討する価値は十分にあります。
外壁塗装でローンを利用するメリット
外壁塗装で利用できるローンにはさまざまなメリットがあります。借金なので慎重に検討しなければなりませんが、ローンを利用すると助かったりお得だったりする状況も多々あります。以下、メリットを詳しく解説します。
手元にお金がなくても施工できる
ローンを組めば手元にお金がなくてもすぐに施工できます。外壁の耐用年数は外壁材や塗料によっておおむね決まっており、貯金の有無に関係なく塗装工事が必要な時期はやって来ます。
劣化の具合によっては思っていたよりも早く施工が必要になる場合もあるでしょう。ローンを利用すれば塗装が必要になったタイミングで施工できるので、施工の遅れによる劣化の進行などのトラブルを抑えられます。
劣化が進む前に施工できる
劣化が進む前に外壁塗装ができるのもローンを利用するメリットです。外壁の劣化が進むと美観を損ないますし、内側まで劣化が進んで建物の寿命を縮めてしまいます。
そうなると建物自体をメンテナンスする費用が高くつきます。外壁塗装はいつかしなくてはならないものです。劣化が進む前に外壁塗装をする方が余計な出費を避けられる分、安く済む可能性があります。
他の用途のために資金を残しておける
ローンを利用すれば他の用途のために資金を残しておけます。外壁塗装を検討している方の中にはお子さんが進学を控えていたり、大きな買い物をする予定があったりする方もいるでしょう。
そのほか、万一のときの医療費にできるお金など、手元にある程度の資金を残しておきたい方も多いはずです。ローンを組むと、出費が重なるライフステージであっても必要な時期に外壁塗装ができます。
グレードの高い塗料も選択肢に
ローンを組むなら外壁塗装にあたってグレードの高い塗料も選択肢になるかもしれません。外壁塗装で使われる主な塗料は以下の通りです。
塗料の種類 | 耐用年数 |
---|---|
アクリル塗料 | 4~7年 |
ウレタン塗料 | 6~10年 |
シリコン塗料 | 8~10年 |
フッ素塗料 | 15~20年 |
光触媒塗料 | 10~15年 |
無機塗料 | 15~25年 |
表の下側に位置するグレードの高い塗料は、値段が高いため初期費用が高くつきますが、耐用年数が長いのがメリットです。耐用年数が長いと塗り直しの頻度が少なくなりますし、長期的なコストパフォーマンスが良好です。
また、グレードの高い塗料の中には雨で汚れが落ちやすい「セルフクリーニング機能」があったりカビや苔に強かったりする便利な特徴を持った塗料もあります。
貯金だけではグレードの高い塗料に手が届かなくても、ローンを利用すれば費用を工面できるかもしれません。グレードの高い塗料を使った方が長期的にはお得な場合もあるので、検討の価値はあります。
外壁塗装でローンを利用するデメリット
ローンにはデメリットもあります。ローンの利用を検討するなら、メリットとデメリットの両面を把握するのが大切です。以下、それぞれのデメリットを詳しく解説します。
総支払額は高くなる
ローンは借金なので、利息の分だけ総支払額が高くなります。そのため、一括で問題なく塗装費用を支払えるなら、ローンを利用しないにこしたことはありません。
現実的には、総支払額が高くなることと、工事を先延ばしにして外壁の劣化が進むことのどちらのデメリットが大きいかを考えて判断するのがおすすめです。利息によって総支払額がどのくらい高くなるかは後述します。
基本的に審査が必要
ローンを利用するには基本的に審査が必要で、審査に落ちると利用できません。ローンの審査基準は詳しくは公開されていませんが、以下のような場合は審査に通らない可能性があります。
- 定職についていない
- 年収が低い
- 返済負担率が高い
- 病気療養中で団体信用生命保険に加入できない
上記のどれかにあてはまったからといって、全てのリフォームローンが利用できないわけではありません。リフォームローンは住宅ローンに比べると審査が緩めで、一度審査に落ちても、審査の緩い借入先に申請すると通る場合があります。
しかし、審査に落ちると記録が残るので、むやみに審査を申請するわけにもいきません。ローンを利用するには審査に通りそうか自分でも考えておく必要があります。
ローンの種類によっては審査が比較的緩いものもあるので、不安ならそういったローンも検討しましょう。
ローンによる金利はどれくらい?
ローンを検討するなら金利がどのくらいになるか気になる方も多いはずです。金利はローンの種類によって異なるのでそれぞれ解説します。また、具体例を挙げつつシミュレーションするので参考にしてください。
有担保型なら1%、無担保型なら3~15%ほど
ローンの借り方には有担保型と無担保型の2種類があります。有担保型は土地や家などを担保にする代わりに低利子で借入できます。しかし、手続きが多く審査に時間がかかるデメリットもあります。
また、別途登記費用や手数料などが発生するため、無担保型に比べてトータルでお得かどうかは借入額に応じて検討しなければなりません。
無担保型は何も担保にせず、手続きが少なく審査期間が短い代わりに有担保型に比べると金利が高めです。しかし、同じ金融機関で有担保ローンを組んでいる場合は金利が低くなる場合もあります。
金利の相場は有担保型が1%台やそれを下回る場合もある一方で、無担保型は3~15%ほどとなっています。
仮に有担保型の金利を1%、無担保型の金利を9%として、100万円を60回払いしたシミュレーションは以下の通りです。
金利 | 総支払額 | 毎月の支払額 |
---|---|---|
1% | 1,025,389円 | 17,499円 |
9% | 1,228,750円 | 24,166円 |
三菱UFJ銀行 ネットDEリフォームローンの場合
例えば三菱UFJ銀行 ネットDEリフォームローンで100万円を60回払いするローンを組む場合の総支払額と毎月の支払額は以下の通りです。
金利 | 総支払額 | 毎月の支払額 |
---|---|---|
2.875% | 1,074,780円 | 17,913円 |
2.375% | 1,061,520円 | 17,692円 |
三菱UFJ銀行 ネットDEリフォームローンは通常金利が2.875%、住宅ローンも三菱UFJ銀行で借りている場合は優遇金利で少し安くなり2.375%です。
ローンの借入先の選び方
ローンの借入先によって、金利や審査の期間・通りやすさなどが異なります。そのため、それぞれの特徴を踏まえて自分に合った借入先を選ぶのが大切です。ここからは、外壁塗装で利用するローンの主な借入先を紹介します。
住宅ローンと同じ金融機関
住宅ローンが残っているなら、住宅ローンと同じ金融機関は最初に検討しておきたい選択肢です。同じ金融機関に依頼すると金利が優遇される可能性があります。また、すでに住宅ローンの審査に通っているので、審査に通りやすいのもメリットです。
金利の優遇が受けられるなら他の借入先と比較しても利息を抑えやすいでしょう。もし、住宅ローンを借りている金融機関の金利が高いなら、別の低金利の住宅ローンに塗装代ごと借り換えをするのも1つの手です。
銀行
都市銀行や地方銀行なども借入先の1つです。都市銀行は安定性があり、金利が低めなのが特徴です。地方銀行は都市銀行に比べると金利が高めですが、審査に比較的通りやすいでしょう。
いずれの場合でも銀行は信販会社に比べると金利が低めです。しかし、審査に時間がかかるデメリットもあります。また、信販会社に比べると審査は厳しく時間がかかります。
信販会社
信販会社からも借入ができます。信販会社は金利が高い代わりに銀行に比べると手続きがスムーズで審査完了までの時間も短いのが特徴です。銀行の審査に落ちた人が信販会社の審査には通った例もあります。
しかし、銀行に比べ金利が高い場合も多いので、どのくらい利息が発生するかしっかり確認してから契約しましょう。また、信販会社のローンは時期によって金利が変動する場合があります。なるべくお得な借入時期を見極めつつ利用するのがおすすめです。
外壁塗装を依頼する会社
外壁塗装を依頼する会社もローンの相談ができる場合があります。大きな会社であれば、自社のローンや提携先を持っていることもあるからです。
金利や審査の通りやすさはそれぞれの会社によってまちまちです。塗装を依頼する会社にローンを紹介されると便利に感じるかもしれませんが、金利などの条件にはよく目を通して契約しましょう。
ローンを使用する際の注意点
ローンを利用するならいくつか気を付けておきたいポイントがあります。ローンはお金に関わることなのでトラブルを防止したり損をしないようにしたりするのが大切です。以下、ローンを利用する際に知っておきたい注意点を解説します。
利用する旨をあらかじめ塗装会社に相談
ローンを利用する場合は、利用する旨をあらかじめ塗装会社に伝えておきましょう。ローンは基本的に工事前に申請する必要があります。工事が始まってからでは融資を受けられません。
ローンの書類づくりも塗装会社に協力してもらった方がスムーズに作れるので、早めに塗装会社に相談するようにしてください。塗装会社によっては必要書類の作成サポートだけでなくローンの紹介などもしてくれます。
外壁材によってはお得じゃないことも
ご自宅の外壁材によってはローンを組むのがお得ではない場合があります。劣化が遅い外壁材なら、塗装費用を一括で支払える資金ができるまで十分待てる可能性もあるからです。
例えば、以下の外壁材は劣化が比較的遅いため、資金ができるまで待ってみてもよいかもしれません。
- タイル
- 樹脂系サイディング
- 金属系サイディング
一方、モルタルや窯業系サイディングの外壁は劣化が進みやすいので、ローンを組んででも早めに外壁塗装をした方が長期的に見てお得な場合があります。
現在の劣化の具合などが分からず、自分では判断が付かない場合はプロに相談してみるのも1つの手です。不安であれば、すぐにでも外壁塗装をした方がよい状態なのかプロに聞いてみましょう。
返済期間に注意
ローンを利用するなら返済期間にも注意しましょう。返済期間を長く設定すると、1回あたりの返済金額は抑えられますが、利息の関係で総支払額は高くなります。そのため、自分が無理なく支払える範囲で、あまり返済期間が長引かないようにしましょう。
また、返済期間が10年を超えると次のメンテナンス時期に重なる可能性もあります。そうなると2つのローンの支払いが重なるので、家計の大きな負担になるケースもあるでしょう。
次のメンテナンスが必要になる時期は外壁材や塗料によっても異なります。それぞれの耐用年数からおおよそのメンテナンス時期を割り出して、なるべく支払いが重ならないよう工夫するのが大切です。次のメンテナンス時期が分からなければプロに相談しましょう。
外壁塗装を安く・お得に行うために
ローンの検討をするのも大切ですが、お得に外壁塗装をするためにはそもそもの費用負担を減らす工夫もするのがおすすめです。助成金・補助金や減税制度などを確認しておくと、よりお得な施工ができるかもしれません。ここからは外壁塗装を安くお得に行うために知っておきたい制度や方法を解説します。
自治体の助成金や補助金を利用
住んでいる地域に外壁塗装のための助成金や補助金があるなら、費用負担を抑えられます。例えば東京都渋谷区では住宅簡易改修支援事業の1つとして、外壁塗装を含む自宅の改修工事に対して消費税を除く工事費用の20パーセントを助成しています。
助成金や補助金に関しては自治体がホームページなどで情報発信している場合もあるので調べてみましょう。
住宅ローン減税を利用
住宅ローン減税(住宅借入金等特別控除)とは、一定の条件を満たすとローン残高の1%を所得税から控除できる制度です。住宅ローン減税は住宅ローンだけでなく、リフォームローンでも受けられます。
外壁塗装で住宅ローン減税を受けられる条件は以下の通りです。
- 自宅で行う工事であること
- 工事費用が100万円を超えること
- 工事を行う面積が50㎡を超えていること
- 控除を受ける当人の年間の所得額が2000万円以下であること
- ローンの返済期間が10年以上であること
- 控除対象となる金融機関のローン商品であること
住宅ローン減税を利用している場合、条件を満たしていれば確定申告を行って還付金を受け取ることができます。確定申告の詳細は下記の記事から確認してください。
相見積もりをして業者を選ぶ
公的な制度を利用するだけでなく、業者選びで費用を抑える工夫をするのも大切です。業者を選ぶなら、複数の業者から見積もりを取る相見積もりをしましょう。
実際にいくつか見積もりを比較することで、どの業者がお得に施工してくれるか判断しやすくなります。見積もりを見る際には、見積もりに分からないところがないかも確認しましょう。不明点を残しておくと思わぬ出費が発生するなどトラブルのもとになります。
また、お得な業者を選ぶといっても、極端に安い業者は避けましょう。手抜きの施工をしたり、質の悪い塗料を使ったりする悪質な業者である場合があるからです。
極端な見積もりを出さず、丁寧に説明してくれる業者を選ぶのがおすすめです。
自分に合った方法でお得に外壁塗装を行いましょう
今回は外壁塗装に使えるローンについて解説してきました。ローンはメリットとデメリットを理解して、計画的に利用するのが大切です。特に次のメンテナンス時期を見据えて、将来の負担が大きくならないようにローンを利用しましょう。
また、ローン以外にお得に外壁塗装をする方法も解説しました。自治体の助成金や補助金があれば積極的に利用しましょう。また、住宅ローン減税が受けられないかも検討してみてください。
塗装業者を選ぶ際には相見積もりをして、比較しながら選びましょう。この記事で紹介した方法の中から自分とご自宅に合った方法を使ってお得に外壁塗装を行いましょう。