色見本帳の役割と種類
色見本には日本塗料工業会が出しているものや塗料メーカーが出しているものなどさまざまな種類があります。それぞれの特徴を押さえてから色見本を取り寄せると、ご自宅に合った色を見つけやすくなります。
ここからは、色見本の役割を確認したうえで、それぞれの色見本の特徴を解説していきます。
色選びの際に役立つ資料
色見本とは塗料の色選びに役立つ資料です。厚紙などに塗料の色が塗られているので色見本を開くと多くの色を一覧でき、理想の色を探しやすくなっています。また色見本を見ながら話をすれば業者との相談もしやすいでしょう。
色見本を使うときにはいくつか注意点がありますが、適切に使えば色選びの強い味方になってくれます。外壁の色選びをする際にはぜひ色見本を活用するようにしてください。
![](https://news.mynavi.jp/homemaintenance/gaiheki/wp-content/uploads/sites/5/2024/02/外壁-色-おすすめ-160x90.jpg)
日本塗料工業会が発行している色見本帳
日本塗料工業会が発行している色見本帳は600色もの色が掲載されています。そのため、とことん色にこだわりたい上級者におすすめの色見本帳です。記載されている塗料用標準色の色票番号は日本全国のメーカーや塗装店に通じる番号なので、日本塗料工業会の色見本帳で気になった色はプロに正確に伝えられます。
しかし、掲載されている色数が多い反面、あまりメーカーにない色も掲載されています。気に入った色がマイナーな色だった場合、塗料のメーカーによっては再現できない場合があるので注意が必要です。再現できたとしても調合のために費用がかかるケースもあります。将来的に部分的な塗り直しが必要になった場合に、塗料の費用が高くなりがちなので要注意です。
また、退色しやすい色など外壁に使うのに注意を要する色も掲載されています。色選びに不安を感じている場合は、次に紹介する塗料メーカーの色見本から参照するのがおすすめです。
塗料メーカーが発行している色見本帳
日本塗料工業会だけでなく各塗料メーカーも色見本を発行しています。メーカーの色見本は日本塗料工業会の色見本帳ほど掲載されている色の数は多くありませんが、メーカーが用意できる色を載せているので安心です。
また、掲載されている色は今の時代の定番色が多く、メーカーの色見本から色選びをすれば失敗しにくいのも魅力です。色選びをするのが初めてで、定番色から探したい場合はメーカーの色見本が便利に使えます。
色見本を発行しているメーカーの例と内容は以下の通りです。
- 日本ペイント:ロングセラーから最新の製品まで網羅した色見本。すっきりしたデザインでカラーチップが見やすい
- 関西ペイント:標準色の35色を収録。定番カラーが並んでおり失敗しにくい
- 菊水化学工業:192色を収録。高頻度で使われるベースカラーの同系色がまとめられており分かりやすい
色見本の中には実際に注文するのを条件に安く販売しているものもあります。WEBなどであまりにも安い色見本を見かけた場合には条件などがないか注意しましょう。
色見本帳の入手方法
色見本は注文するかメーカーに問い合わせるのが主な入手方法です。色見本の種類によって入手方法は異なります。ここからは入手方法を種類ごとに詳しく解説します。
カラーシミュレーションでは自由に色を変えて試すことができる
カラーシミュレーションではデジタル上で家の色を自由に変えてみることができます。色見本とは違い、家の形に色が塗られるのでイメージしやすいと感じる方も多いでしょう。
モニターで再現できる色は実際の塗料の色と異なるのでカラーシミュレーションだけで色選びをするのはおすすめできませんが、イメージを掴む手助けにはなります。利用するのに特別な知識は必要なく、簡単に操作できるので色選びで悩んでいるなら試してみましょう。
塗装会社や塗料メーカーには無料で使えるものも
塗装会社や塗料メーカーの中にはWEB上に無料でカラーシミュレーションを公開している会社もあります。ここからはWEB上で利用できるカラーシミュレーションをご紹介します。
エスケー化研株式会社のカラーシミュレーション
エスケー化研株式会社のカラーシミュレーションは、さまざまな外観の家を自由に選んでからカラーシミュレーションを試せます。家の選択肢は限られていますが、ご自宅に近い形をした家を選びやすいのが魅力です。
また、外壁を部分ごとに塗り分けられるのも特徴です。一方、模様付きの塗装には対応していません。高級感のある模様付きの塗装を試したい方は他の会社のカラーシミュレーションを使いましょう。
さくら外壁塗装店のカラーシミュレーション
さくら外壁塗装店のカラーシミュレーションは、上下のツートンカラーを試しやすいカラーシミュレーションです。1階と2階を塗り分けられ、色も豊富なので、ツートンカラーを検討している人の心強い味方です。
一方で模様付きの塗装はタイル仕様しか対応していません。また、選べる家の種類がやや少ないのが短所です。
三和ペイント株式会社のカラーシミュレーション
三和ペイント株式会社のカラーシミュレーションは、模様付きの塗装の種類が豊富で、高級感のある塗装を試してみたい方におすすめです。外壁はモルタルとサイディングに塗り分けられます。
しかし、選べる家が1つなので、ご自宅と雰囲気が合っていないとあまり参考にならないと感じるかもしれません。他の家も試したい方は別のカラーシミュレーションも試してみましょう。
色見本帳を使用する時の注意点
色見本を使用する際にはいくつか注意したいポイントがあります。特に注意したいのは以下の点です。
- 色見本は実物より暗い色に見えてしまう
- 日陰と日向で見える色が違う
- 色見本にも有効期限がある
ここからはそれぞれの注意点を詳しく解説します。
色見本を使用する際にはいくつか注意したいポイントがあります。特に注意したいのは以下の点です。
- 色見本は実物より暗い色に見えてしまう
- 日陰と日向で見える色が違う
- 色見本にも有効期限がある
ここからはそれぞれの注意点を詳しく解説します。
実物より暗い色に見えてしまう
色見本に掲載されている色は、実際に外壁に塗装した時よりも暗い色に見えてしまいます。色には「面積効果」というものがあり、小さな面積に塗られた色は大きな面積に塗られた色よりも暗く見えてしまうからです。そのため気になる色が絞られてきたら、以下の方法を試してみましょう。
- 大きな見本を取り寄せる
- 気になる色と同じ色のモデルハウスを見学する
- 試し塗りを依頼する
より大きな見本として、A4サイズの板に実際に塗料を塗った「塗り板」というものがあります。候補となる色が絞られてきたら塗り板で色を確認できないかプロに聞いてみるとよいでしょう。また、塗装工事店によっては試し塗りにも対応しています。できれば実際に塗装する前に、色見本よりも大きな面積で塗料の色味を確認してみてください。
日陰と日向で見え方が違う
色見本は光の当たり方で色味が違って見えます。特に室内の明かりで見た時の色と屋外の太陽光で見た時の色は異なるので、色見本は必ず屋外に持ち出して色味を確認しましょう。
また、屋外で色見本を見る際には、日向と日陰の両方で見るのがおすすめです。そうすれば光が当たっている部分の外壁と陰になっている部分の外壁の両方のイメージが掴めます。雨の日の色は日陰で見たときの色が参考になるでしょう。日向と日陰の両方で見て丁度よい色を探してみてください。
色見本にも有効期限がある
色見本にも有効期限があるので、色見本を見るなら最新のものを取り寄せましょう。色見本は劣化するので古い色見本だと色味が実際の塗料の色からはずれていきますし、色見本に収録されている塗料のラインナップが変わっている可能性もあります。
前回の外壁塗装のときの色見本を取っておいている方もいるかもしれませんが、再使用はおすすめできません。少し面倒に感じるかもしれませんが、失敗を防ぐために新しい色見本を入手してください。
【2024年最新版】外壁塗装人気色ランキング
外壁の色選びをするなら人気色も確認しておきたい方もいるでしょう。2024年最新版の外壁塗装人気色は以下の通りです。
- ベージュ系
- 白系
- グレー系
ここからはそれぞれの色について詳しく解説します。
温かみがあり汚れが目立ちにくいベージュ系
ベージュ系は柔らかな印象になり温かみがあるので特に人気がある色です。中間色の柔らかな色合いなので砂埃などが付着しても汚れが目立ちにくく、美しい印象を保ちやすいのも魅力です。
また、ベージュ系なら周囲の環境にも馴染みやすく、悪目立ちしません。どんな場所でも塗装しやすい懐の深いカラーです。
清潔感や明るさ重視!ツートンカラーもおすすめな白系
白系は抜群の清潔感と明るさがある色として人気のカラーです。上品さとスタイリッシュさを兼ね備え、デザイン性に優れています。さまざまな色と合わせやすいのでツートンカラーに使う色の候補にもなります。
悪目立ちしない色でもあり、白系で塗装すれば周囲の環境にマッチするでしょう。白系は汚れが目立ちやすいと心配される方もいますが、汚れが目立ちにくい色味の白もあるので、不安であればプロに相談してみましょう。
いろいろな建物に合う万能色のグレー系
グレーはさまざまな建物に合う万能色として人気です。特徴的なデザインの家でもグレーなら合うことがしばしばあります。シックで都会的な雰囲気のある色でもあり、建物全体をおしゃれに見せてくれます。
相性が良い色が多いので使いやすいのも魅力です。また中間色なので汚れが目立ちにくく、外観の美しさを保ってくれます。周囲の環境に合いそうならグレーも検討してみましょう。
![](https://news.mynavi.jp/homemaintenance/gaiheki/wp-content/uploads/sites/5/2024/02/外壁塗装-人気色-160x90.jpg)
失敗しない色選びの方法
より理想に近い外壁にし、失敗を防ぐために知っておきたい色選びの方法もあります。知っておきたいポイントは以下の通りです。
外壁の色選びをするなら人気色も確認しておきたい方もいるでしょう。2024年最新版の外壁塗装人気色は以下の通りです。
- なるべく汚れが目立たない色を選ぶ
- 映えるツートンカラーも検討してみる
- 周囲の家とのバランスも考慮する
- 景観ガイドラインに注意する
汚れが目立たない色
特に強く希望する色がなければ、なるべく汚れが目立たない色を選ぶのがおすすめです。汚れが目立たない色にしておけば日々のお手入れの手間を省きやすいからです。例えばベージュ系やグレー系、薄いグリーン系のような中間色はあまり汚れが目立ちません。
汚れが目立ちそうな色でも細かな色味を調整すればある程度汚れを目立たなくできます。気になる場合はなるべく汚れが目立たない色がよいという希望をプロに伝えてアドバイスが貰いましょう。
映えるツートンカラー
外壁を2色に塗り分けるツートンカラーの外壁はデザイン性が高く映えるので人気を集めています。例えば以下のような組み合わせでツートンカラーにする家もあります。
- 白とグリーン
- 白とブラウン
- 白と黒
- ベージュとブラウン
ツートンカラーの組み合わせ方はさまざまで、上下に色を分ける場合もあれば、縦に色を分ける場合もあります。特に縦のツートンカラーにするとスタイリッシュな印象になります。家によって見栄えの良い色の組み合わせ方や塗り分け方は異なるので、プロに希望を伝えつつ相談してみましょう。
周囲の家とのバランスも気にしよう
色選びをする際には周囲の家とのバランスも考慮しましょう。ご自宅単体の色味がよかったとしても、周囲の家から浮き過ぎた色にすると悪目立ちしてしまいます。
折角外壁の塗り替えをするのに色のせいで居心地の悪い思いをするのは残念です。バランスを考慮するといっても周囲の家と同系色にする必要は必ずしもありません。悪目立ちしない範囲で好きな色を選びましょう。
景観ガイドラインに注意
地域によっては景観法や景観ガイドラインによって塗装できる色が決まっている場合があります。例えば京都市では彩度が6を超えるレッド系や彩度が4を超えるイエロー系など鮮やか過ぎる色は自然素材をそのまま使ったものを除き主要な外壁に使えません。
京都に限らず東京などでも景観ガイドラインは定められています。万一塗装してからガイドラインに違反していることが判明したら大変です。事前にガイドラインなどが定められていないか確認しておきましょう。
![](https://news.mynavi.jp/homemaintenance/gaiheki/wp-content/uploads/sites/5/2024/02/外壁塗装-種類-160x90.jpg)
迷ったときには塗装のプロに相談
色選びの方法や注意点を解説してきましたが、ご自分だけでは判断に迷うことも多いでしょう。迷った場合は依頼する塗装会社のプロに早い段階で相談すると失敗しにくくなります。色が決まり切っていなくてもプロに相談して色選びのアドバイスを受けるのがおすすめです。
色見本帳やプロの力を借りて後悔しない外壁塗装を
今回は外壁塗装での色見本と色選びについて解説してきました。注意点を踏まえつつ色見本を適切に使えば、後悔のない色選びをしやすくなります。人気色や色選びの方法なども確認しつつ、好きな色を探してみてください。
また、迷ったら早めにプロに相談しましょう。色見本やプロの力を借りて後悔のない外壁塗装をしてください。