「脱毛＝永久にツルツル」と思っていませんか？脱毛には大きく分けて美容脱毛と医療脱毛があり、医療脱毛では「永久脱毛」が可能とされています。しかし実際には、ヒゲ脱毛を含めた脱毛全般において、「施術が完了すれば一生毛が生えてこない」というわけではありません。適切な施術を受け、ケアをしていても、数年後に再び毛が生えてくるケースもまれにあります。せっかく施術を受けたのに再び生えてきたら、「高いお金と時間を費やしたのに失敗だったのでは？」と不安になってしまいますよね。
そこで今回は、メンズ脱毛の中でも特に人気の高い「ヒゲ脱毛」に焦点を当て、脱毛が「永久じゃない」と言われる理由や再び生えてくる要因、そして効果を長持ちさせるためにできることをわかりやすく解説していきます。
1.そもそも「永久脱毛」とは？
「永久脱毛」と聞くと、「一生ムダ毛が生えてこないもの」と解釈する人は多いのではないでしょうか。しかし、脱毛における「永久」という言葉の意味は、私たちが普段使う「永久」のニュアンスとは少し異なります。
はじめに、「永久脱毛」の定義と、永久脱毛が可能な脱毛方法について解説していきます。
1-1日本の「永久脱毛」はアメリカの定義に基づいている
日本には「永久脱毛」に関する明確な定義がありません。そのため、多くのクリニックではアメリカの機関によって定義された以下の2つの基準を参考にしています。
①米国電気脱毛協会（AEA）の定義
※1：電気脱毛（ニードル脱毛）の定義。
②米国食品医薬品局（FDA）の定義
※2：医療レーザー脱毛の定義。正確には永久「脱毛」ではなく、永久「減毛」とされる。
上記の条件を満たす脱毛効果が得られれば、「永久脱毛」と表現されることが一般的です。
ただし、これらの定義からも分かるように、「永久脱毛」といってもまったく毛が生えてこない状態を意味しているわけではありません。最大で20％程度の毛が再生することや、3分の1の毛が残る可能性があることも前提に含まれています。
つまり、「永久脱毛」とは“毛がほとんど生えてこない状態”であって、ツルツルな状態が一生続くということではないのです。
1-2なぜ青ヒゲが目立つ人と目立たない人がいるの？
脱毛には「美容脱毛」と「医療脱毛」の2種類があり、施術を行う場所や使用する脱毛機器、得られる効果に大きな違いがあります。
美容脱毛は、主にエステやサロンで提供される施術です。中でも主流な「光脱毛」では、出力が制限された脱毛機器を使用しています。そのため、肌への刺激や痛みが比較的少ない一方で、発毛組織（毛乳頭やバルジ領域）を破壊するほどのパワーはなく、永久脱毛はできません。
一方、医療脱毛の中でも主流である医療レーザー脱毛は、高出力のレーザーを用いて発毛組織を破壊することで、長期的な減毛効果が期待できる施術です。発毛組織の破壊は医療行為にあたるため、施術は医療機関（クリニック）でのみ受けることができます。そのため、法律上「永久脱毛」が可能とされているのは、医療機関による施術に限られます。
ただし、医療レーザー脱毛であっても「一度脱毛が完了すれば一生毛が生えてこない」というわけではありません。医療レーザー脱毛は医学的には「永久減毛」と呼ばれているため、まれではありますが、何らかの理由により数年後に再び毛が生えてくるケースもあります。
長期的な効果を得るために医療レーザー脱毛を選択した場合でも、今後一切毛が生えてこなくなるという保証はないということを理解しておくことが大切です。
2.脱毛完了後に再び毛が生えてくる理由って何？
毎朝のヒゲ剃りが面倒だったり、青ヒゲに悩んでいたりする方にとっては、これらの悩みから解放される手段として脱毛を検討する人も多いと思います。しかし実際には、高い脱毛効果を見込める医療レーザー脱毛であっても、将来的にヒゲが再び生えてくる可能性は完全には否定できません。その背景には、人間の身体の仕組みや、施術の条件といったいくつかの要因が関わっています。
2-1ホルモンバランスの変化によるもの
脱毛後に毛が再生する原因の1つは、ホルモンバランスの変化によるものです。女性では、妊娠・出産・更年期などのタイミングでホルモンバランスが変わることで、一度脱毛が完了した部位に再び毛が生えてくることがあります。
ただし、これは男性も例外ではありません。特にヒゲは男性ホルモンの影響を受けやすい部位のため、加齢やストレス、生活習慣の乱れなどによってホルモンバランスが崩れると、休止していた毛根が再び活性化し、ヒゲが生えてくることがあります。
一度なくなった毛が、体の変化によって将来的に再生する可能性はゼロではないのです。
2-2毛周期による取りこぼし
医療レーザー脱毛は、発毛の源となる毛母細胞や毛乳頭といった組織を破壊することで、長期的な脱毛効果をもたらします。その効果を最大限に得るためには、毛が「成長期」にあるタイミングで照射されることが重要です。
毛には「成長期・退行期・休止期」というサイクル（毛周期）があり、1回の照射で効果を得られるのは成長期にある毛のみで、全体の20％程度とされています。
このため脱毛は数回に分けて行われ、照射を重ねることで徐々に減毛していきますが、毛周期には個人差があり、毛1本ごとにズレもあるため、すべての毛にベストなタイミングで照射できるとは限りません。
特に照射回数が少なかった場合や、施術間隔が不規則だった場合には、一部の毛が取り残され、後から再び生えてくることもあります。毛周期による「取りこぼし」は頻度こそ高くありませんが、再び毛が生えてくる原因になり得る要因の一つです。
2-3出力不足や照射漏れなどによるもの
脱毛効果は、使用する脱毛機器の性能や照射出力、施術者の技術に大きく左右されます。特にヒゲ脱毛は、毛根が深く太い毛が多いため、効果を出すには十分な出力が必要です。
しかし、ヒゲは痛みを感じやすい部位でもあり、人によっては痛みを軽減する目的でレーザーの出力を下げることがあります。その結果、出力が不十分となり、毛根を十分に破壊できずに再び毛が生えてくることがあるのです。
また、個人の毛質・肌質に合った設定でない場合や、照射にムラがあると、脱毛効果にばらつきが出てしまいます。とくに施術者の技術や照射範囲の確認が不十分な場合、照射漏れが発生し、部分的に毛が残ってしまうことも。
脱毛効果を最大限に引き出すには、適切な出力設定と丁寧な施術が不可欠ですが、必要な回数や出力を満たせていない場合、期待していたような効果が得られないケースもあるため注意が必要です。
3.永久脱毛に近づけるためにできること
医療レーザー脱毛であっても、「一生毛が生えてこない」とは言い切れないのが現実です。ですが、正しい方法で施術を受け、アフターケアや生活習慣に気をつけることで、脱毛効果をより高めたり、長期間維持したりすることはできます。
ここでは、脱毛の効果を最大限に引き出し、できるだけ永久脱毛に近づけるためのポイントをご紹介します。
3-1十分な回数、施術を受ける
ヒゲは毛の密度が高く、毛根も深いため、他の部位に比べて脱毛の完了に時間がかかるとされています。そのため、必要な回数を受け切る前に「効果がない」と判断して中断してしまうと、十分な脱毛効果を得られません。
医療レーザー脱毛の場合、一般的には8〜10回ほどで大きな効果が感じられるとされていますが、毛質や肌質には個人差があるため、状況に応じて回数を追加することも大切です。
3-2毛周期に合わせて通う
脱毛効果を得られるのは、毛が「成長期」にあるタイミングです。すべての毛が同じ周期で生えているわけではないため、間隔を空けながら数回にわたって施術を受ける必要があります。
ヒゲの場合は1〜2ヶ月ほどのペースで通うのが理想的とされており、自己判断で次回の施術を早めたり遅らせたりすると、かえって効果が落ちてしまうことも。適切な周期を守って通うことが、効率よく脱毛を進める鍵になります。
3-3定期的なメンテナンスも視野に
脱毛が一通り完了したあとでも、数年単位で微量な毛が生えてくることがあります。こうした「再発毛」に備えるために、年に1～2回ほどの頻度でメンテナンス照射（追加照射）を受けるのも有効です。
特にヒゲはホルモンの影響を受けやすい部位なので、長期的にツルツルな状態を保ちたい方は、メンテナンスを前提としたプランを立てておくと安心かもしれません。
3-4日焼け対策と保湿を徹底する
脱毛期間中の肌は非常にデリケートな状態です。日焼けした肌に照射すると、火傷や色素沈着のリスクが高まるだけでなく、脱毛効果も下がってしまいます。外出時は日焼け止めや帽子などでしっかりと紫外線対策を行いましょう。
また、乾燥している肌は光やレーザーの浸透効率が下がりやすく、刺激にも弱くなります。施術前後は毎日しっかりと保湿ケアを行い、肌のコンディションを整えておくことが大切です。
3-5生活習慣を整える
睡眠不足やストレス、乱れた食生活などが続くと、ホルモンバランスが崩れ、休止していた毛根が再び活動を始めることがあります。
バランスのとれた食事、十分な睡眠、適度な運動を意識し、ホルモンの安定を保つことが、脱毛後の再発毛を抑えることにも繋がるでしょう。
4.脱毛は「永久じゃない」が長期的な効果は得られる
ヒゲ脱毛における「永久脱毛」という言葉は、一生毛が生えてこないことを意味するものではありません。毛周期やホルモンの変化、照射の精度など、さまざまな要因によって再び毛が生えてくる可能性は十分にあります。
しかし、正しい知識を持ち、適切な施術やアフターケア・メンテナンスを行えば、見た目としては「ほとんど毛がない」状態を長期的に維持することは可能です。
「永久じゃないから意味がない」と捉えるのではなく、自分にとって理想的な状態をどう保っていくかを意識することが、脱毛との正しい付き合い方といえます。
また、男性のヒゲは、腕や脚、胸などの体毛と比べて特に太く、毛根が深く、毛量も多いため、脱毛完了までに時間がかかる部位とされています。個人差はありますが、他の部位よりも施術回数が多くなるケースは珍しくありません。数回で効果が見られなくてもすぐに諦めず、根気よく通い続けることが大切です。
なお、サロン脱毛であっても、回数を重ねることで自己処理が楽になるなどの効果を実感することは十分に可能です。通い方やケア次第で、満足のいく仕上がりに近づけるでしょう。
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