実際、脱毛の効果や持続期間は、施術方法や使用される機器、そして個人の毛質や肌質によって大きく変わってきます。せっかく脱毛するなら、「思っていたのと違った…」と後悔しないためにも、あらかじめ正しい知識を持っておくことが大切です。
この記事では、「ヒゲ脱毛はどのくらい持つのか?」という疑問に対し、施術回数の目安や脱毛完了までの期間、そして効果を長持ちさせるためのポイントまで、わかりやすく解説していきます。
1.ヒゲ脱毛が完了するまでの回数と期間
ヒゲ脱毛には、「美容脱毛」と「医療脱毛」の2種類があります。それぞれ脱毛効果のあらわれ方や完了までにかかる回数・期間が大きく異なるため、希望する仕上がりや痛みの感じ方などをふまえて、自分に合った方法を選ぶことが大切です。
ここでは、美容脱毛・医療脱毛それぞれの特徴とあわせて、効果を実感できる回数や脱毛完了までの目安、通う期間の目安をご紹介します。
美容脱毛の特徴
美容脱毛(エステ・サロン脱毛)では、光を照射して脱毛効果を得る「光脱毛(フラッシュ脱毛)」が主流です。痛みが少なく肌にやさしいのがメリットですが、脱毛機器の出力に制限があるため、効果を実感するまでにはやや時間がかかる傾向があります。
また、美容脱毛は毛根を破壊するわけではなく、抑毛・減毛を目的とした施術のため、完了後も時間が経つと再び毛が生えてくる可能性も。
なるべく痛みや費用を抑えて脱毛をしたい人や、将来的にまたヒゲを生やしたくなりそうな場合は、美容脱毛がおすすめです。
◆効果を実感できる目安:5〜10回程度
美容脱毛では、5〜10回ほど施術を受けると、「ヒゲが生えるスピードが遅くなった」、「毛量が減った」といった変化を感じる人が増えてきます。
ヒゲがもともと薄い人なら、5回程度で効果を実感できることもありますが、太く濃いヒゲの場合は、はっきりとした変化が出るまでにやや時間がかかることもあります。
◆脱毛完了の目安:10〜20回以上
脱毛完了までに必要な回数は、毛量・毛質・肌の状態・毛周期のサイクル、そしてどの程度まで脱毛したいかによって大きく異なります。
そのため、あくまでも目安となりますが、「ヒゲ剃りを楽にしたい」、「全体的に毛を減らしたい」といったナチュラルな仕上がりを目指す方であれば、10回前後で満足することが多いです。
一方、ヒゲを完全になくしたい(ツルツルにしたい)場合には、20回以上の施術が必要になるケースもあります。
◆通う期間の目安:2年〜3年ほど
1回あたりの効果がゆるやかだからこそ、定期的な施術が大切です。効果を最大限に引き出すためにも、サロンで案内される周期を守って通うようにしましょう。
医療脱毛の特徴
医療脱毛には、「医療レーザー脱毛」と「医療ニードル脱毛」の2種類があります。白髪にはニードル脱毛が使われることもありますが、ヒゲ全体の脱毛で主流なのは医療レーザー脱毛です。
クリニックでは高出力のレーザー機器を使用できるため、発毛組織を破壊し、永久脱毛に近い効果が期待できます。そのぶん痛みはやや強めですが、多くのクリニックでは麻酔の使用も可能なため、痛みに不安がある人でも安心です。
短期間でしっかりと効果を得たい人や、ヒゲの自己処理から解放されたい人には医療脱毛が有効な手立てとなるでしょう。
◆効果を実感できる目安:3~5回程度
◆脱毛完了の目安:8〜10回程度
毛が濃い人でも、8〜10回程度施術を受けると「自己処理がラクになった」と感じる人が多くなります。
ただし、完全にツルツルの状態を目指す場合や、ヒゲの密度が特に高い方の場合には、15回程度の施術が必要になるケースも珍しくありません。
◆通う期間の目安:1〜1年半ほど
早めに効果を出したい方や、通院の負担を減らしたい方には嬉しいポイントと言えるでしょう。
2.脱毛後効果はどのくらい持続する?
ヒゲ脱毛が完了したあとに気になるのが、「この効果はいつまで続くのか?」という点ですよね。実はこの“持続期間”は、脱毛の方法によって大きく異なりますが、それだけでなく毛の生え変わりサイクルも関係しています。ここでは、美容脱毛と医療脱毛、それぞれの効果の持続期間について詳しく見ていきましょう。
美容脱毛の効果持続期間
美容脱毛(光脱毛)は、毛根を破壊せずに毛の成長を抑える「抑毛・減毛」を目的とした施術です。そのため、脱毛が完了したあとも、時間の経過とともに徐々に毛が再生してくる可能性があります。
特にヒゲのように濃くて根強い部位では、数ヶ月~数年後にうっすらと再び生えてくるケースも珍しくありません。効果をなるべく長くキープしたい場合は、年に1〜2回程度のメンテナンス施術を継続するのがおすすめです。
また、サロンによっては契約終了後にも施術を受けられる「保証付きプラン」を用意している場合もあります。再び生えてきたときの対応が気になる方は、契約前にアフターサポートや保証内容も確認しておくと安心です。
医療脱毛の効果持続期間
医療脱毛(医療レーザー脱毛)は、毛乳頭・毛母細胞やバルジ領域を熱で破壊するため、「永久脱毛」に近い状態が期待できます。
ただし、医療レーザー脱毛は医学的には「永久減毛」と呼ばれており、「3回の照射後、6ヶ月経過した時点で67%(約3分の2)以上の毛が減っている状態(※)」であれば、永久脱毛と表現されます。つまり、「一生毛が生えてこない」ことを意味するわけではありません。
そのため実際には、ホルモンバランスの変化や毛周期による取りこぼしなどにより、数年後に微量の毛が生えてくるケースもあります。
※米国食品医薬品局(FDA)の医療レーザー脱毛における定義
3.脱毛効果のカギを握る「毛周期」とは?
脱毛の効果や持続期間を語るうえで欠かせないのが、毛が生え変わるサイクル=毛周期です。ヒゲを含む体毛には、以下のような成長サイクルがあります。
段階 | 特徴 |
成長期 | 毛が活発に成長している段階です。メラニン色素を多く含んでいるため、光やレーザーが反応しやすく、最も脱毛に適した時期とされています。 |
退行期 | 毛の成長が止まり、毛根が縮小し始め自然と抜けていく段階です。この時期は脱毛の効果が得にくくなります。 |
休止期 | 新しい毛を生やす準備をしている段階です。この時期に照射しても脱毛効果は期待できません。 |
なぜ複数回の施術が必要なの?
光脱毛も医療レーザー脱毛も、成長期の毛にしかしっかり効果を発揮できません。しかし、目に見えている毛のうち「成長期」にある毛は全体の約10〜20%程度と言われています。
そのため、1回の施術ではすべての毛に反応させることができず、毛周期に合わせて複数回通う必要があるのです。これが「脱毛は回数がかかる」と言われる理由です。
ヒゲの毛周期は他の部位より長め
顔のヒゲは、ワキや腕などに比べて毛周期がやや長く、成長期も長めです。そのため、脱毛効果が出るまでに時間がかかりやすく、根気が必要な部位といえます。
4.ヒゲ脱毛の効果を長持ちさせるためのポイント
せっかく時間とお金をかけてヒゲ脱毛をするなら、その効果はできるだけ長くキープしたいもの。実は、脱毛の効果が持続するかどうかは、施術そのものだけでなく、日常のスキンケアや生活習慣も大切です。ヒゲ脱毛の効果を少しでも長持ちさせるために意識したい3つのポイントをご紹介します。
日焼けを避ける
脱毛後の肌は敏感になっているため、日焼けによって赤みやヒリつき、色素沈着などの肌トラブルが起きやすくなります。また、紫外線による日焼けは、肌に炎症や乾燥を引き起こすだけでなく、脱毛効果を弱める原因にもなることも。さらに、日焼けがあると施術自体が受けられなくなる場合もあるため、脱毛期間中は紫外線対策が欠かせません。
具体的には以下のような対策を行うようにしましょう。
✓外出時は日焼け止めを塗る・こまめに塗りなおす ✓帽子やフェイスカバー、日傘などで顔まわりを物理的にガードする ✓日差しの強い時間帯の外出を控える |
顔まわりは常に紫外線にさらされる部分なので、しっかりと対策することが大切です。脱毛効果を持続させるためにも、紫外線対策を習慣化しましょう。
保湿を習慣にする
脱毛後の肌は一時的に乾燥しやすくなり、肌のバリア機能が低下した状態です。この状態を放置すると、赤みやかゆみ、毛嚢炎などの肌トラブルを引き起こすリスクが高まります。
また、肌が乾燥するとターンオーバーの乱れを招き、毛の再生を促しやすい環境になってしまう可能性も。せっかく脱毛したのに効果が薄れてしまってはもったいないですよね。
脱毛後には以下のような点を意識して保湿ケアを行いましょう。
✓脱毛当日〜数日は、低刺激の化粧水や乳液で丁寧に保湿する ✓アルコール入りのスキンケアアイテムは避け、敏感肌用の製品を選ぶ ✓施術後、数日間はピーリングなどの刺激が強いお手入れを控える |
脱毛効果を長持ちさせるためには、肌を健康に保つことが何よりです。ヒゲ脱毛を機に、日々のスキンケアを見直してみるのもよいかもしれません。
生活習慣の見直し
ヒゲの濃さや毛の再生には、遺伝だけでなくホルモンバランスも深く関係しています。脱毛後の「キレイな肌」を保ち、効果を長持ちさせるためには、生活習慣の見直しも欠かせません。
✓質のより睡眠をとることを心がける ✓栄養バランスのよい食事を意識する ✓ストレスを溜めないように、発散する機会を設ける |
日々の生活習慣を見直し、十分な睡眠やバランスの整った食事、ストレス管理を心がけることで、脱毛効果の持続だけでなく、肌全体のコンディションの改善にもつながります。脱毛後の美しい肌を守るために、ぜひ生活習慣からもアプローチしてみましょう。
5.満足のいく脱毛効果を得るには施術方法とアフターケアがカギ
脱毛は「施術を受ければそれで終わり」というものではありません。個人サロンから大手のサロン・クリニックまで選択肢はさまざまですが、効果を実感できるまでの回数や、効果が持続する期間は、個人差だけでなく施術方法によっても大きく異なります。
満足のいく仕上がりを得るためには、仕上がりの希望、痛みへの耐性、予算なども含めて、自分に合った脱毛方法を選ぶことが大切です。
さらに、脱毛効果を長持ちさせたいなら、日々のスキンケアや生活習慣の見直しも欠かせません。施術後も「肌を育てる」気持ちで継続的にケアを行い、効果を最大限に引き出しましょう。
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