毎日のヒゲ剃りは肌への負担が大きいため、ヒゲ脱毛によって刺激を減らすことで肌荒れを改善できる可能性があります。その一方で、ヒゲ脱毛前後に正しいケアを行わないと肌への刺激が強くなり、逆に肌荒れを引き起こす可能性もあります。
そこで本記事では、ヒゲ脱毛による肌荒れの原因や肌荒れが起きた場合の対処法をご紹介します。
1.ヒゲ脱毛で肌荒れを防止できる?
ヒゲ脱毛は、毎日のヒゲ剃りによる肌への負担を軽減するため、肌荒れの予防になるといわれています。一方で、刺激の強い施術のため脱毛前後で注意すべきポイントもあります。
ヒゲ脱毛が肌に与える影響について正しく理解し、安心して施術できるようにしましょう。
1-1.ヒゲ脱毛で肌がキレイになる理由
ヒゲ脱毛をするとヒゲ剃りの頻度が減ることで、カミソリやシェーバーによる摩擦・小さな傷など肌への物理的な刺激が軽減します。物理的な刺激が軽減することで、肌へのダメージも抑えられ、肌がキレイになります。
さらに、ヒゲ脱毛は青ヒゲの解消にもつながります。
濃いヒゲの毛根は皮膚の下で青く透けて見え、肌全体を暗く見せる原因になりますが、ヒゲ脱毛によって毛根が破壊されると影が消失するため、肌本来の明るさが強調され、肌のトーンが均一になります。特に色白の肌ほど効果が顕著に表れます。
また、ヒゲ脱毛後は一時的に毛穴が開くため、化粧水や美容成分が浸透しやすい状態になります。脱毛期間中は皮脂バランスに変化が起きやすいため、肌の状態に合わせてケアを調整することでよりキレイな肌を目指すことができるでしょう。
1-2.ヒゲ脱毛で肌荒れが起きることもある
一方で、正しいケアを行わないと、ヒゲ脱毛のレーザーの熱刺激によって一時的な赤み・炎症が生じることがあります。
レーザーは毛根のメラニンに吸収され、瞬間的に約70℃以上まで熱を発生させるため、熱で毛細血管が拡張し、血流が増加します。
また、タンパク質変性によって、熱が真皮層のコラーゲンを変性させ、ヒスタミンなどの炎症物質を一時的に放出することもあります。血管の拡張や炎症が進むことで、赤みやほてりが悪化するため、注意が必要です。
さらに、表皮の水分が蒸発し、角層の保湿機能が破綻することで外部刺激に敏感な状態になります。
その結果、雑菌が侵入しやすくなり毛嚢炎やニキビが発生しやすい肌環境になります。
また、過剰な洗顔や刺激が強い成分を含むケアを行うと、施術後の炎症がさらに悪化してしまう場合もあるため、施術後は普段以上に注意しましょう。
2.ヒゲ脱毛後の肌荒れの原因
ヒゲ脱毛による肌荒れには主に3つの原因があります。
2-1.熱ダメージ
レーザーが毛根のメラニンに吸収され、瞬間的に70℃以上の高温が発生するため、周囲の皮膚もやけど状態になります。
熱で真皮層のコラーゲンが変性し、ヒスタミンやプロスタグランジンなどの炎症物質が放出されることで、日焼けと同じメカニズムで赤みやヒリヒリ感を引き起こし、肌にダメージを与えます。
また、熱によって肌の防御機能が低下し、角層のセラミドが減少することで、肌内部の水分が蒸発しやすくなるため、乾燥やかゆみ、赤みの症状も出やすくなります。
2-2.雑菌繁殖
脱毛で毛根が破壊されると、一時的に毛穴が開いた状態になります。特にヒゲの毛根は、太いため破壊時のダメージが大きく毛穴周辺に小さな傷がつきやすくなります。
毛穴が開いた状態だと、開いた毛穴の隙間から黄色ブドウ球菌や表皮ブドウ球菌などの細菌が侵入しやすくなり、毛嚢炎や炎症を引き起こす原因になります。
さらに、毛包内は酸素不足のため細菌が増殖しやすく、かゆみや痛みを伴うニキビが発生しやすいため、注意しましょう。
2-3.過剰な皮脂分泌
ヒゲ脱毛の熱刺激で角質のセラミドが減少すると、バリア機能が低下するため、肌は乾燥から身を守るために過剰に皮脂腺を活性化します。皮脂腺が過剰に活性化されることで、毛穴詰まりや角栓の原因になります。
詰まった毛穴は酸素不足になりやすく、急激にアクネ菌が繁殖するため、炎症性のニキビが増加します。特に、皮脂腺が密集して汚れが蓄積しやすい頬や、ヒゲの毛根が太く脱毛時の熱ダメージが大きい顎はニキビが増えるリスクが高くなります。
また、脱毛時の熱ダメージが毛乳頭細胞を刺激することでジヒドロテストステロンという男性ホルモンの分泌を促すことがあります。
ジヒドロテストステロンが増えることで皮脂の分泌量が通常の2倍以上になり、より肌荒れのリスクが高まります。
3.ヒゲ脱毛後の肌荒れはどれくらい続く?
ヒゲ脱毛後の肌荒れは、症状や重症度によって回復期間が異なります。
軽度の赤みやほてりは、照射直後の日焼けのような赤みのため数時間~翌日の比較的早い段階で鎮静します。
一方、乾燥やかゆみは、熱ダメージにより角質の保湿機能が一時低下するため、1週間程度かかります。
毛嚢炎やニキビは、毛穴に細菌が侵入することで炎症を起こしているため、1~2週間かかります。
やけどや水ぶくれなど重度の炎症は回復までに2週間~1ヶ月かかることがあります。
場合によってはステロイド軟膏や抗生物質の処方を要するため、医療介入が必要になります。
1ヶ月以上炎症が続く場合は、毛が太くなったり、本数が増えたりする可能性があるため、クリニックに相談しましょう。
4.肌荒れ時の正しいケア方法
ここからは、万が一ヒゲ脱毛後に肌荒れしてしまった場合の正しいケア方法を紹介します。
4-1.炎症を抑える方法
冷却ジェルや保冷剤をタオルで包み、1回10分×2~3回、間隔をあけて患部を冷やすのが良いとされています。直接肌に当てると凍傷の恐れがあるため、必ずタオルで包むようにしましょう。
1時間以上連続して冷やすことや氷水での洗顔は、バリア機能を破壊させる懸念があるため避けましょう。
化粧水を選ぶ際には、アルコールや香料フリーのものを選ぶと良いでしょう。アルコールが含まれている製品は血管を拡張させるため、レーザー後の赤みやほてりを長引かせる可能性があります。
炎症を抑えるには、グリチルリチン酸やアラントインが配合されたスキンケアを使用することがオススメです。
グリチルリチン酸は、炎症物質の生成をブロックし、レーザー後の赤み・腫れを軽減させ、アラントインは真皮層のコラーゲン生成を促進し、熱ダメージを受けた皮膚の再生を助けるといわれているため、炎症を効果的に抑えられます。
4-2.かゆみ・乾燥のケア
洗顔後3分以内にセラミドやヒアルロン酸配合の化粧水で保湿をした後、乳液やクリームでフタをすることで、バリア機能を回復できます。
洗顔時は、32~34℃のぬるま湯を使用し、泡洗顔ネットでしっかり泡立てて、肌をこすらず泡を転がすように洗顔しましょう。
洗顔は1日2回までを心がけ、過剰な洗顔や強い摩擦を避けるよう注意しましょう。
夜間のケアは、ワセリンを乾燥部位にのみ薄く塗布し、外部刺激から肌を保護すると良いでしょう。
ワセリンが角質に薄い油膜を形成するため、就寝中の肌と枕の摩擦やエアコンなどの乾燥から肌を保護することができます。
4-3.ひどい場合の対処法
医療介入のサインとしては72時間経過しても赤みやひかない場合や、黄色い膿が出る場合、熱感があり触ると痛い場合です。
当てはまる症状があれば医療機関を受診しましょう。
医療機関で抗生物質軟膏やステロイド外用剤、内服薬を処方してもらい、早めに対処することで最悪の事態を防ぐことができます。
また、医療介入が必要になった場合は、施術クリニックに連絡しアフターケアのアドバイスを受けるようにしましょう。
クリニックによっては無料相談も可能なので、今後の予防のためにも確認してみましょう。
5.ヒゲ脱毛後の肌荒れを防ぐ方法
ここからは、ヒゲ脱毛後の肌荒れを防ぐための予防法をご紹介します。
脱毛後に正しいスキンケアをすることで、肌荒れを予防するだけでなく脱毛の効果を最大限まで引き上げることができます。
5-1.正しいスキンケア
日焼けするとメラニンが増加し、レーザーが肌表面に反応してダメージが増加します。
そのため、日焼け止めを毎日塗布し日焼けを最大限防ぐことが重要になります。
特に、紫外線量の多い10~14時の間は外出を控えるか、帽子と日傘も併用し、徹底的に日焼け対策を行いましょう。
施術の2週間前後は、特に肌が敏感なため普段以上に気をつけましょう。
また、肌が敏感な人は事前にパッチテストを受け、機器との相性を確認しておくと安心して施術できるでしょう。
パッチテストで赤みや水ぶくれが出た場合は、医療用冷却ジェル併用のクリニックを選択すると安心できます。
施術前後は、角質を修復するセラミド配合の保湿クリームや、炎症を抑制できるヒアルロン酸、グリチルリチン酸の配合された化粧水を使用しましょう。
アルコールの含まれた製品は角層の水分を奪い、脱毛後の乾燥を悪化させたり、血管拡張作用でレーザー後の赤みを長引かせたりする要因になります。
また、香料の含まれている製品はリモネンなどの香料成分が、かゆみや赤み・腫れの原因になることもあるため、使用しないようにしましょう。
5-2.生活習慣の見直し
施術当日は血流促進で炎症が悪化するリスクがあるため、飲酒・辛い食事・激しい運動は避けましょう。
飲酒は血管拡張で炎症が悪化するだけでなく、脱水症状により肌の回復力が低下します。少なくとも施術前日から24時間は禁酒しましょう。
辛い食事は、カプサイシンなど辛味成分が血流を促進し、ほてりの原因になります。
施術後3日間は辛いものや刺激になるものは控えましょう。
ジョギングや筋トレなどの激しい運動は、施術後48時間は行わない方が良いでしょう。施術後の運動は軽いストレッチ程度にとどめ、発汗による雑菌繁殖を防ぐことが重要になります。
また、入浴も注意点が必要です。
施術当日は湯船に浸かるのを避け、38℃以下のシャワーで2分以内に済ませましょう。
熱いお湯は毛細血管を拡張させ、レーザーによる炎症を悪化させる要因になるため避けましょう。
体を洗う際は、泡立てた石鹸を手のひらで優しく撫でるように洗うことが大切です。
ナイロンタオルは、繊維の間隔が黄色ブドウ球菌の繁殖に最適で細菌が増殖する懸念があるため使用しないようにしましょう。
入浴後のタオルや睡眠時の枕カバーは毎日交換し、清潔に保つことで雑菌増殖を防止できるため、脱毛後は意識的に交換しましょう。
5-3.やってはいけないこと
カミソリの使用は脱毛後1週間控えましょう。カミソリは刃で肌を傷つけながら剃るため、毛嚢炎リスクが上昇してしまいます。
電気シェーバーもローラーが肌を摩擦し、バリア機能を破壊するため、脱毛後は控えた方が良いでしょう。
スクラブやピーリングなどの過剰なスキンケアも避けましょう。
スクラブやピーリングは、角層を剥がすことで、肌の防御機能が崩壊しバリア機能をさらに失う原因になるため、施術後2週間は行わないようにしましょう。
患部を触ったり、爪で掻いたりする行為も厳禁です。一度患部に接触しただけで表皮に約1,000個の細菌が付着するといわれています。
爪で肌を掻いた場合も、引っかき傷から黄色ブドウ球菌が侵食し、肌荒れの原因になるので避けましょう。
無意識な肌への接触を防ぐため、就寝時は綿の手袋を着用することが有効です。
これらの対策を徹底すれば、ほとんどの肌トラブルを未然に防げます。
万が一肌荒れが起きた場合は、速やかに施術クリニックか医療機関を受診するようにしましょう。
6.肌荒れが起こりにくいヒゲ脱毛のポイント
脱毛方法やアフターケアを工夫することで、ヒゲ脱毛による肌荒れを防ぐことができます。
6-1.脱毛方法
ヒゲ脱毛後の肌荒れを防ぐには、肌への負担が少ない脱毛方法を選ぶことが大切です。
このサイトのおすすめは、SHR医療レーザー脱毛と、SSC光脱毛です。
SHR医療レーザー脱毛は、低出力のレーザーを連続照射する「蓄熱式」で、痛みが少なく肌へのダメージを最小限に抑えられます。
従来のIPL式より肌への熱ダメージを軽減させることができる点や、照射中に冷却装置が作動し、火傷リスクを低減させる点から推奨されています。
SSC光脱毛は、専用ジェルを塗布した上から光を照射するため、ジェルで肌を保護しながら脱毛することができます。
光が直接肌に触れないため、赤みや炎症が起こりにくい点や、ジェルが毛穴の炎症を予防する点から推奨されています。
反対に、避けた方が良い方法は除毛クリームです。
除毛クリームは、成分が肌バリアを破壊し、かぶれや乾燥を引き起こすリスクがあるため、避けた方が良いでしょう。
6-2.クリニック選びのポイント
クリニック選びにおいて、確認すべきポイントは冷却機能、無料パッチテストの可否、医師または資格保有者の在籍有無です。
冷却機能付きマシンは、熱ダメージを軽減しながら脱毛できるため肌への負担を軽減し、肌荒れを防ぐことができます。
無料パッチテストができるクリニックは、施術前に肌との相性を確認できるため、特に敏感肌の方には安心材料になります。
クリニックに医師または資格保有者は在籍していると、トラブル時に迅速な対応が可能になるため、万が一の時に安心できます。
6-3.アフターケア
肌荒れ予防のためには、アフターケアも重要です。
施術直後~24時間後までは、保冷剤をタオルで包み、10分間隔で冷やすことで肌の炎症を抑えることができます。
洗顔は、施術後6時間は避け、6時間経過後はぬるま湯で優しく洗顔するようにしましょう。
施術後1週間は、スキンケアにも注意する必要があります。
スキンケアは、アルコールや香料が含まれておらず、セラミド・アラントインが配合された製品を使用しましょう。
また、ワセリンを塗布することで患部を保護し肌を守ることができるため、トラブルの予防に効果的です。
カミソリやシェーバー、スクラブ洗顔は、脱毛後の敏感な肌には特に刺激が強いため避けましょう。
6-4.特に注意が必要な肌質
敏感肌、アトピー肌、ニキビ肌の方は特に注意して、脱毛法を選びましょう。
敏感肌の方は、SSC光脱毛か、SHR医療レーザー脱毛がオススメです。
SSC光脱毛は、ジェルを塗布した上から光を当てるため、直接的な熱ダメージが少なく、肌への負担が軽減できます。
SHR医療レーザー脱毛は、蓄熱式で出力の低いレーザーを照射するため、痛みが少なく敏感肌でも施術しやすいです。
アトピー肌の方は、施術前に皮膚科医と相談するようにしましょう。ステロイド外用剤を使用中の場合は脱毛が不可になるケースもあるため、事前に確認しておくと安心できます。
ニキビ肌の方は、炎症部位を避けて施術するようにしましょう。
ニキビの炎症部位にレーザーを照射すると、熱によって赤みや腫れがさらに悪化する可能性があります。
イソプロピルメチルフェノールなどの配合された抗菌化粧水で事前にケアすることで、毛嚢炎やニキビの発生リスクを軽減できます。
7.まとめ
ヒゲ脱毛は肌荒れ改善効果が期待できる一方で、施術後のケア不足で逆に肌荒れの要因になることもあります。
適切なケアや清潔な状態を維持することで、肌荒れを防ぎながら脱毛効果を最大限まで引き上げることができます。
万が一肌に異常が発生した場合は、早期に専門家に相談し、適切な処置をするようにしましょう。
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