脱毛による痛みの程度は脱毛方法によって異なり、医療レーザー脱毛の場合はよく「輪ゴムでパチッと弾かれるような感覚」と表現されることが多いです。しかし、中には「泣くほど痛い」「耐えられず中断した」といった声や、さらには「回数を重ねるごとにだんだん痛くなる気がする」という感想も…。
医療レーザー脱毛の痛みは本当に耐えがたいものなのでしょうか?また、施術を受けるごとに痛みは増していくのでしょうか?
本記事では、脱毛方法の種類や仕組み、医療レーザー脱毛の痛みが強い理由、男性が痛みを感じやすい部位、そして回数を重ねるごとに痛みが増すのかについて解説していきます。
脱毛方法の種類と仕組み
脱毛の方法には、一般的に「光脱毛」「医療レーザー脱毛」の2種類があり、それぞれ特徴や効果、痛みの感じ方などが異なります。
光脱毛
光脱毛は主にエステやサロンで受けられる施術で、特殊な光を照射することで抑毛・減毛効果を得る方法です。フラッシュ脱毛とも呼ばれます。いくつか種類がある中でも、「IPL(インテンス・パルス・ライト)脱毛」、「SHR(スーパー・ヘアー・リムーバル)脱毛」、「SSC(スムース・スキン・コントロール)脱毛」の3種類が主流で、それぞれで毛に対するアプローチの仕方が異なります。
▼IPL脱毛
メラニン色素に反応する光を照射し、熱ダメージを与えて毛の成長を抑制する方法
▼SHR脱毛
毛根ではなくバルジ領域(発毛の指示を出す組織)に繰り返し熱を加えて、毛の再生を抑える方法
▼SSC脱毛
制毛効果を持つジェルを塗り、その上から光を照射して、抑毛効果を得る方法
光脱毛は毛の成長を遅らせたり細くする効果は期待できるものの、発毛組織を破壊するほどのパワーはないため、医療レーザー脱毛のような長期間の脱毛効果は得ることができません。
痛みは比較的少ないですが、十分な効果を実感するまでには1年以上かかることがあります。また、ホルモンバランスの変化によっては再び毛が生えてくることもあります。
医療レーザー脱毛
一方、クリニックで行われる医療レーザー脱毛は、毛のメラニン色素に反応するレーザーをあて、毛乳頭や毛母細胞などの発毛組織やバルジ領域を熱で破壊する仕組みです。光脱毛とは異なり、発毛組織を破壊することができるという点が大きく異なります。医療脱毛の照射方法は「熱破壊式脱毛」と「蓄熱式脱毛」の2種類です。
▼熱破壊式脱毛
毛乳頭、毛母細胞に熱を与えて破壊する方法(高出力)
▼蓄熱式脱毛
バルジ領域に繰り返し熱を与えてじわじわ破壊する方法(低出力)
照射パワーが強いため光脱毛と比べると痛みを感じやすいものの、その分少ない回数で効果を実感することができます。また、医療レーザー脱毛は長期にわたって毛の再生を抑えることが可能です。
医療レーザー脱毛では高出力のレーザーを扱うため、施術は医療従事者のみが取り扱いを許可されています。
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医療脱毛で使われるレーザーの種類
医療レーザー脱毛で使用されているレーザーは、主に「アレキサンドライトレーザー」、「ダイオードレーザー」、「ヤグレーザー」の3種類です。それぞれ異なる波長を持ち、レーザーが肌に届く深さや、メラニンへの反応の仕方が異なります。
アレキサンドライトレーザー(波長755nm)
アレキサンドライトレーザーは、3種類のレーザーの中で最も波長が短い(755nm)レーザーです。メラニン色素への反応が強いため、濃い毛に対する効果が高いとされています。
ただし、レーザーが届く深さが比較的浅いことから、ヒゲやVIOといった毛根が深い部位への効果が弱い場合もあり、十分な効果を得るにはレーザーの種類を変えて施術しなければいけないケースもあります。
また、黒い色素に強く反応することから、日焼けしている肌や色黒の肌、色素沈着のある部位への照射は向いていません。
施術時の痛みは、ダイオードレーザーより強く、ヤグレーザーよりは弱いとされています。
ダイオードレーザー(波長800〜940nm)
ダイオードレーザーは、アレキサンドライトレーザーとヤグレーザーの中間的な特徴を持つレーザーです。そのため、幅広い毛質や肌質に対応できます。
日焼けをしたあとの肌や色黒の肌にも照射することができ、メラニン色素が薄い産毛にも高い効果を発揮するとされています。さらに、比較的痛みが少なく、敏感肌や痛みに弱い方にもおすすめされることが多いレーザーです。
ヤグレーザー(YAGレーザー・波長1064nm)
ヤグレーザーは波長が1064nmと長いため、皮膚の深部までレーザーが届き、深い毛根に熱を与えるのに効果的です。そのため、ヒゲやVIOといった根深い毛に対して高い脱毛効果を発揮します。
波長が長いことでメラニン色素への反応が弱いので、色黒肌や日焼けした肌、色素沈着のある部位にも照射することができます。
ただし、3つのレーザーの中でも特に痛みが強いことが特徴です。男性のヒゲやVIOといった毛が密集している部位に照射する際には、麻酔をしていても痛みを感じることがあります。
医療レーザー脱毛はなぜ痛みが強い?
医療レーザー脱毛に限らず、脱毛は痛みを伴うもの。光脱毛でも医療レーザー脱毛でも、照射時の痛みは主に、「光やレーザーにメラニンが反応し生じた熱が毛根や周辺組織に伝わること」が原因と言われています。特に、IPL脱毛(光脱毛)や熱破壊式脱毛(医療レーザー脱毛)は、メラニン色素に強く反応するため、より痛みを感じやすいです。
一方、SHR脱毛(光脱毛)や蓄熱式脱毛(医療レーザー脱毛)は、発毛を指令する組織であるバルジ領域に低出力でじわじわと熱を加える照射方法のため、比較的痛みが少なく、じんわりと温かみを感じる程度とされています。ただし、熱自体は発生するので、肌の状態によってはチクチクとした痛みが生じることもあります。
また、医療レーザー脱毛は使用するレーザーの種類によっても生じる痛みの程度が異なります
そのため、どの脱毛方法でも多少の痛みは伴いますが、医療レーザー脱毛はエステやサロンと比べて照射時のパワーが強いため、より強い痛みを感じやすくなるのです。
ただし、脱毛の照射時における痛みの感じ方は、毛の濃さや太さ、肌の状態、体調・ホルモンバランス、心理的な要因、施術部位、照射方法などによっても異なるので、個人差が大きく、どの程度の痛みであるかは一概には表現することはできません。
医療レーザー脱毛は照射方法によって痛みの感じ方が違う
「脱毛方法の種類と仕組み」の項で紹介した通り、医療脱毛には熱破壊式脱毛と蓄熱式脱毛の2種類の照射方法があります。大きく異なるのは「照射時の熱の強さ」と「レーザーが作用する部位」です。そのため、痛みの感じ方にも違いがあります。
熱破壊式脱毛
熱破壊式脱毛は、高い出力のレーザーを照射し、発毛組織である毛乳頭や毛母細胞を破壊する方法です。今生えている毛にもアプローチできるので、早ければ数日でぽろぽろと毛が抜け落ちることもあり、短期間で効果を実感することができます。
ただし、高出力のためバチッと弾かれたような痛みが生じやすくなります。そのため、途中で施術を断念する人もいるほどです。
また、メラニン色素が多く太くて濃い毛に効果的である一方、産毛や細い毛には脱毛効果を実感しにくくなります。
蓄熱式脱毛
蓄熱式脱毛は、低出力のレーザーを繰り返しバルジ領域に照射し、破壊する方法です。じわじわと熱を与えるので、熱破壊方式と比べて痛みを感じにくくなりますが、コンディションによってはチクチクとした痛みが生じることもあります
細い毛や産毛はメラニン色素が少ないためレーザーが反応しにくいですが、蓄熱式は比較的浅い位置にあるバルジ領域にアプローチする方法なのでメラニン色素の量に左右されず、産毛に対しても効果が期待できるほか、日焼け後や色黒の人、また敏感肌の人でも肌トラブルのリスクを抑えつつ照射することができます。
ただし、毛が抜けるまでに2週間~1ヶ月ほどかかるため、すぐには効果を実感しにくいです。
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脱毛時に痛みを感じやすい部位は?
一般的に、毛が太く濃い部分、毛量が多い部分は特に強い痛みを感じやすくなります。具体的にはヒゲやワキ、VIOなどです。これらの部位はメラニン色素が多く含まれているため、レーザーが強く反応して痛みを感じやすくなります。また、骨が近いフェイスラインや手足の指、皮膚が薄く、神経が多く通っている顔も痛みを感じやすい部位です。
男性が医療脱毛で痛みを感じやすい部位
脱毛で感じる痛みは個人差が大きいですが、男性の脱毛の対象となる部位の中でも特に痛みを感じやすいと言われている部位は以下の3つです。
①ヒゲ
鼻下や顎周り、頬、もみあげなどがヒゲ脱毛の対象となることが多いですが、毛が太く濃いだけでなく、いずれのパーツも皮膚が薄く、神経も多く通っていることから、他の部位と比べて照射時の痛みを感じやすいです。
②VIO
ヒゲや手足などの部位と比べると施術を受けている人はまだまだ少ないですが、最近は将来介護される可能性も視野にいれ、VIO脱毛を検討する人が増えてきました。VIOは皮膚が薄く粘膜に近いデリケートな部位であり、血管や神経も集中しているので、痛みを強く感じやすい部位です。
③ワキ
ワキは皮膚が薄く、毛が太く濃いことに加え、毛量も多いので、痛みを感じやすい部位になります。普段から自己処理をしていて黒ずみや色素沈着が生じている場合には、より強い痛みが生じることもあります。
※腕や脚は比較的痛みが少ない
人目につきやすいので施術を受ける人も多い腕や脚は、一般的には痛みを感じにくい部位です。ただし、皮膚が薄い部分や骨が近い部分は痛みが生じることもあります。ヒゲやVIO、ワキと比べると我慢できないような痛みではないですが、不安な場合は事前に相談しておくとよいでしょう。
また、毛量が多い場合、はじめの1~2回は痛みを感じることがあるものの、回数を重ねるごとにほぼ痛みを感じなくなると言われています。
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クリニックで行われている痛みを軽減する方法
照射時の痛みを軽減するために、多くのクリニックでは以下のような取り組みが行われています。
①照射パワーの調整
患者の肌質や毛質に合わせて照射の間隔や照射パワーを調整することで、痛みを和らげつつ効果的に脱毛を行います。特に痛みを感じやすい部位では、出力を下げることで痛みだけでなく心理的な負担も軽減できます。
②冷却機能が搭載された機器の採用
レーザー照射と同時に冷却ガスを噴射したり、照射面を冷却する機能を備えた機器を使用することで、肌を冷やしながら施術が行われるので、痛みや熱感が軽減されます。
③麻酔の使用
追加料金が必要になることがほとんどですが、痛みに敏感な人や、ヒゲ、VIOなどの特に痛みを感じやすい部位に対して、麻酔クリームや笑気麻酔を使用できるクリニックもあります。
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医療脱毛は回数を重ねるごとに痛みが増す?
「医療脱毛は回数を重ねるとだんだん痛くなる」と言われることがありますが、医療レーザー脱毛では施術を重ねるごとに痛みは軽減していくのが一般的です。
医療レーザー脱毛は、施術を繰り返すことで毛が細くなり、毛量も減少していきます。初めのうちは太くて密集した毛が多いことからレーザーが強く反応して痛みを感じやすいですが、回数を追うごとに反応する毛が減ることで照射に伴う痛みも和らいでいくことがほとんどです。また、施術を受けるにつれ体が痛みに慣れ、痛みを感じにくくなるケースもあります。
レーザー脱毛でも痛みが増す(強く感じる)ケースもある
施術回数が進むにつれて毛が薄くなると、レーザーが十分に反応するように出力を上げることがあります。また、はじめの数回は出力を抑えていたという場合、痛みに慣れてきたタイミングで照射パワーを強くすることもあります。これらのケースでは、一時的に痛みを強く感じることもあるかもしれません。
また、日焼け後や肌が乾燥しているとき、体調がすぐれないときなどは、普段よりも痛みを感じやすくなるため注意が必要です。基本的には回数を重ねるごとに痛みは減少していくものですが、施術の出力調整や肌の状態などによっては痛みを感じることもあります。
脱毛の痛みは軽減していくもの
男性は女性と比べて毛が濃かったり量が多いことも珍しくないので、痛みを感じやすくなると言われています。しかし、医療レーザー脱毛においては施術を受けるごとに痛みが軽減していくのが一般的です。それでも痛いという場合には、担当のスタッフに伝えて照射パワーやペースを落としてもらうようにしましょう。
脱毛時の痛みは、レーザーがメラニン色素に反応して生じた熱が周辺の皮膚に伝わることで生じているため、痛みが強いと「しっかり毛に反応している(効いている)」と思ってしまいがちですが、痛みが強いほど効果があるというわけではありません。
初めのころと比べてあまり痛みを感じなくなっていても、以前よりも生えてくる毛が減っているのであれば脱毛効果が低くなっているわけではないので、無理に出力をあげてもらうようにお願いしたり、痛みを感じる方法にシフトしたりせず、自分に合った方法で無理なく続けていきましょう。
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