もうすぐ新年度。この4月から社会人になる皆さんの中には、「社会人になったら、メイクを始めてみようかな」と考えている人がいるのではないでしょうか。また、普段からメイクしていても、「オフィス向けのメイクってどうすればいいの? 」と疑問を抱く人もいるかもしれません。
そこで今回は、SKINCARE LOUNGE BY ORBISでメイクワークショップをしている本山友美さんに「フレッシュ感・清潔感」を演出できるオフィス向けメイクのコツを教えていただきました。新社会人の方はもちろん、ビジネスシーンのメイクのコツを知りたいという方はぜひ参考にしてみてください。
■まずはスキンケアで肌を整えることがオフィスメイクの基本
━━本日はオフィス向けな「フレッシュ感・清潔感」を演出できるメイクを教えていただきたいのですが、まずスキンケアやベース(肌)作りのコツから教えてください。
やはり、清潔感のあるキレイなお肌が土台となるベース作りのポイントになりますので、まずは、ご自身の肌に合ったスキンケアを選んでしっかり肌を整えましょう。そのうえでメイクすると、お化粧の「ノリ」や「持ち」もよくなりますよ。
スキンケアの一番のポイントは、「保湿」です。潤いのある肌は、透明感がありツヤも出てきます。マットな肌も悪くないですが、場合によっては少し顔色が悪く見えたり、元気がなさそうに見えたりすることも。なので、まずは保湿をしっかりして潤った肌にし、程よい血色感やツヤを出すのが大事です。
ベース作りとしては、肌の色ムラをしっかりカバーしつつ、ナチュラルな質感のメイクがポイントです。程よくマット感もありつつ、ツヤが欲しいところにはツヤがあるといった絶妙な感じが理想的ですね。ファンデーションは、メイクが初めてという方はパウダー系が使いやすいですが、少し慣れている方は、リキッドやクッションタイプだと自然なツヤ感が出せて素肌がキレイに見えますよ。
あとは、クマがあると元気がないように見えるので、目元をコンシーラーなどでカバーすると明るい印象になります。
■「フレッシュ感・清潔感」を演出するオフィスメイクの手順
次に、フレッシュ感や清潔感を出すオフィスメイクの方法を、ステップごとに実演していただきました。
<オフィスメイクbefore>
1.アイブロウ は"やや短め"に仕上げるとフレッシュ感が出る
フレッシュ感・清潔感を出すには、眉はやや太さを出し、眉尻は基本の位置よりも短めに描くのがポイント。
男性もそれは同じで、どちらかというと直線的な感じにしてあまり細くせず、元々の自然な感じも活かしながら眉尻を少し短めにすると、フレッシュ感が出ますよ。
<フォーマル感を出したい場合>
基本の位置よりもやや長めの眉尻を意識し、目の横幅をしっかり出してあげましょう。眉山は少し曲線的な感じにすると華やかさが出しやすいです。
2.目元は作りこみすぎず、やわらかめの色味を選ぼう
ベージュやオレンジ、黄色系など少しやわらかめの色味を使うとフレッシュな印象になります。
目元は作りこみすぎず、自然な感じのツヤ感やグラデーションでふんわりと仕上げるといいですね。オフィス向けなら、グラデーションは基本の2~3色で控えめに作るといいですが、オレンジなどを入れたい場合は、目尻側に少しだけ入れるとポイントになります。
2-1.ベースカラー(パレット左上)を塗る
まずはベースカラー(パレット左上)を目の形に添わせながら塗ります。目の際からアイホール全体に入れていくことで、1色だけでもきれいなグラデーションになりますよ。少しずつ重ねると色味が調整しやすいですし、失敗しにくいです。
2-2.パレット右上のベージュカラーを塗る
次に、右上のベージュカラーを付けていきます。
ブラシを使って目の際からアイホール全体に、目の丸みに合わせるようにふんわりつけましょう。ブラシにアイカラーを取った後にティッシュや手の甲に一度なじませると、濃くついてしまったり、ムラ付きを防ぐことができ、失敗なく色味の調整ができます。
2-3. パレット右下の締め色を塗る
際に入れるカラー(パレット右下)は細めのチップを使い、キリッとしすぎないよう先ほど入れた色となじむよう少しずつ付けていきましょう。
2-4.ポイントカラー(パレット左下)を指でポンポンと入れる
ポイントカラー(パレット左下)を入れる時は、指でポンポンと入れると自然になじんで少し陰影がつきます。
2-5. 目の下にベースカラー(パレット左上)をラインで入れる
最後に、ベースで使った色(パレット左上)を目の下にラインで細く入れると、明るさが出るのでおすすめです。
<フォーマル感を出したい場合>
ピンク系やパープル系など深みのある色味の多色パレットでグラデーションを作り、立体感を出すのがおすすめです。目の横幅を広げるように付けると、フォーマルな印象になりますよ。
3.チークは肌なじみのよい色をぼかして入れる
チークは、肌なじみのよいオレンジ系やベージュ系をふんわりと入れていきます。
チークをブラシに取ったら少しポンポンと叩くと、ブラシ全体にお粉が行きわたり、その分ふわっとした感じに仕上がりますよ。
まずは頬骨の高い位置にスッと乗せて、その後、少しずつ周りにぼかしていきます。
ハイライトも少し入れると、自然なツヤ感でフレッシュ感を出しやすくなります。
まずは眉下から目尻にかけてのCゾーンに入れましょう。
そして、鼻の根本と鼻先にトントンと入れると、鼻が高く見えてメリハリがつきます。
鼻筋にしっかり入れるとギラギラしてしまうので、ポイントで入れてあげましょう。
4.リップはチークに合わせた色味にすると統一感が生まれる
リップは、チークに合わせてピンク寄りのベージュやオレンジ系が入っている色味だと相性がいいです。
直に塗ったり指でポンポンとおさえたりするとふんわりナチュラルな感じに仕上がりますし、もう少しオフィス向けにしたい場合は、ブラシで塗ると輪郭がしっかり取れてキリッとします。
<フォーマル感を出したい場合>
ツヤのあるタイプやグロスっぽいものもおすすめ。リップナイナーなどで輪郭をしっかり取り、色味はローズ系やレッド系で深みを出しましょう。
5.アイラインは目の幅くらいの長さにするとナチュラルに仕上がる
アイラインはオレンジ系やブラウン系でナチュラルに入れていきます。ペンシルでまつ毛とまつ毛の間を少し埋める感じで、目尻はあまり跳ね上げず目の幅くらいで止めておくと自然に仕上がります。
先ほど入れた濃いめのアイカラーでぼかすのもおすすめですよ。
<フォーマル感を出したい場合>
アイラインを少し長めに入れたり、リキッドを使ったりするとキリッとメリハリが出て印象が変わります。
6.マスカラはブラウン系の色味にするとやわらかな印象に
ビューラーはまつ毛の根本からやや離し、少しずつ上げていくとキレイなカールが付いてアイラインも落ちません。先にまつ毛を上げるとアイラインを入れにくくなってしまうので、ビューラーはアイラインの後に使いましょう。
マスカラはダマにならないよう、はじめに少しティッシュオフしてから塗り、1本1本セパレートさせるためにコームでといていきましょう。
やわらかい印象にしたいなら、ブラウン系のマスカラがおすすめです。
新社会人におすすめなオフィスメイク、完成!
<オフィスメイクafter>
<オフィスメイクbefore→after>
メイク後は、全体的にパッと明るいフレッシュな印象でありながら、派手さはなく、オフィスに相応しい落ち着きも感じられる仕上がりになっています。アイテムを上手く選び、コツをおさえてメイクすることで、「自分がなりたい理想の仕上がり」になることがとてもよくわかりますね。
■お直し時間がない…オフィスメイクを崩れにくくするコツは?
━━新社会人の方だと、メイクを直す時間や余裕がない人も多いと思います。崩れにくいメイクのコツを教えていただきたいです。
崩れにくくするには土台となるベースをしっかり作っておくのが大事ですが、お肌の性質は人それぞれですので、まずはご自分に合うものでスキンケアの段階から調整してあげましょう。
皮脂が出やすい方なら、皮脂の出やすいところの乳液は薄く伸ばしたり、皮脂を抑える下地を使ったりすると崩れにくくなります。ファンデーションも、皮脂が出やすい部分は薄く伸ばしましょう。
乾燥しやすい方なら、スキンケアでしっかり保湿したり、潤いをキープできる保湿成分の入った下地や、リキッド、クリーム、クッションタイプのファンデーションを使ったりするのがおすすめです。
ベース以外にも、アイブロウにはコーティングアイテムがありますし、チークにも下地があるので、そういうものを使うと落ちにくくなりますよ。
アイカラーはベースを付けたり、目周りをお粉でおさえたりすると密着性が高まります。また、アイライナーは描いた後に上から少し濃いめのアイカラーを重ねると崩れにくくなります。リップは、付けた後に軽くティッシュでおさえ、その上からもう1回重ね塗りすると持ちがよくなるんですよ。
━━ベースのメイク直しをする場合は、どのような手順で行えばいいのでしょうか。
あぶらとり紙で額や鼻の脇などの皮脂をおさえてから、油分のない化粧水で潤いケアをしてあげて、最後にファンデーションやお粉でお直しするというのが流れになります。
化粧水は1滴取って手のひらでなじませ、顔を包み込むように付けます。
スプレータイプを使う場合も、最後にしっかりハンドプレスして密着させましょう。鼻など細かい部分は指の腹を使い、特に目元は薬指で優しくなじませます。
ファンデーションは、崩れているところをスポンジで軽くなじませ、ムラを防いでからパウダーなどでお直ししてあげると均一にカバーできますよ。
重ねすぎるとどんどん固まっていってしまうので、お直しの時は「少なめ、部分的に」を意識しましょう。
■オフィスメイクはアイテムを「少しずつ」重ねると美しい仕上がりに
━━最後に、上手にメイクするために大事なポイントを教えてください。
ファンデーションや下地、アイカラーやチークなど全般に言えることですが、量を一気に入れてしまう人が多いんですね。でも、一気に入れると修正が大変になります。少しずつ重ねたほうが修正しやすいですし、ご自身のお好みの濃さに調整しやすいです。
あとは、使うアイテムによっても仕上がりが変わりますので、シチュエーションなどによって変えるといいですね。たとえば、アイカラーならチップだとしっかり付き、指やブラシだとふわっと仕上がります。
そして、小さい鏡を見ながらメイクをしていると左右のバランスがわかりにくいので、大きい鏡を使うか、小さい鏡でメイクする場合も、全体が写る鏡で時おり確認しながらメイクするといいですよ。ライトの付いている鏡もおすすめです。
取材協力:SKINCARE LOUNGE BY ORBIS
「自分の肌を知り、本来の力を引き出す体験を」をコンセプトにオルビスが提供する体験型施設。“ここち”を、感じ・知り・持ち帰る「FEEL」「LEARN」「TAKE」を軸に、五感を満たしながら、あなたらしい「ここちよさ」、あなたらしい「美しさ」を見つけていただける、さまざまなコンテンツをご用意しています。