支配欲の強い人の特徴や心理。上手な付き合い方とは?
支配欲の強い人の特徴とはどういったものがあるのでしょうか? そもそも支配欲とはどんな意味なのでしょう? 今回は支配欲とは何か、支配欲が強い人の心理や対処法などについて、心理コーディネーターの織田隼人さんに解説してもらいました。
人はそもそも物事をコントロールしたい、支配したいという気持ちを少なからず持っている傾向があります。
その傾向が強ければ「支配欲の強い人」となり、接する相手をコントロールしようとしたり、コントロールできないとイライラしたりします。
今回は、支配欲の強い人の心理と対処法について見ていきましょう。
支配欲とは?
まずは支配欲の言葉の意味について見ていきましょう。
支配欲の意味
支配欲
物や人などを自分の勢力下に置いて治めたいという欲望、欲求。
(出典『実用日本語表現辞典』)
支配欲とは相手を自分の思い通りにしたい、行動や考えを束縛したいと思うことを指す言葉です。
支配欲と独占欲の違い
似た言葉に「独占欲」があります。
独占欲は、あるものを自分だけのものにしたいという欲求を表した言葉。
支配欲は「自分の言う通りに動かしたい気持ち」ですが、独占欲は「相手を独り占めしたい」という意味合いになります。
支配欲の類義語
支配欲と似た意味の言葉は以下となります。
所有欲
人や物を「所有したい、自分のものにしたいという欲望」を指す言葉。
征服欲
対象を自分のほしいままにしたいと思う欲望。 相手を征服して思い通りにしたいと考えることを指す言葉。
支配欲の強い人が恋人だったら……
支配欲とはその名のとおり、支配したいという欲求です。
他人や組織、物事を自分の勢力下に置いて、思い通りにしたいという欲望のことです。
支配欲が強いと物事を「自分がコントロールしたい」という気持ちが強まります。
コントロールできると満足し、コントロールできないと不満を感じるようになります。
支配欲の強い恋人と付き合うと「コントロールされる側」の存在となり、相手にとって思い通りに動かないとイライラされたり、文句を言われたり、場合によっては暴力をふるわれたりする可能性もあります。
支配欲の強い人の特徴・性格
支配欲の強い人にはいくつかの共通点があります。
代表的な5つのポイントを見ていきましょう。
(1)正義感が強い
支配欲の強い人は、自分が正義だと思って行動しています。
自分自身が正しいと思っているので、「まわりは自分の思う通りに動くべき」という考え方をします。
また、正義感が強いので世の中の理不尽などに対して怒りを表明することが多いです。
SNSやニュースなどを見てすぐに怒るタイプの人は、支配欲が強い傾向があります。
(2)まわりから面倒がられている
支配欲が多少あるくらいならいいのですが、支配欲が強くなりすぎてしまうとまわりに対して「自分の思う通りに動かそう」という傾向が強く出すぎてしまいます。
その結果、まわりから腫れ物扱いされたり、面倒な人扱いされたりすることが多いです。
(3)自分の意見を人に押しつける
自分の意見が正しいと思っているので、自分の意見を人に押しつける傾向があります。
自分の思う通りにすることが正しく、そしてうまくいくと考えているからです。
また、自分の考えに従わない人に対してはいろいろと妨害や嫌がらせをしたりします。
説得によって人を動かすのではなく、圧力によって人を動かそうとします。
(4)支配できているときは一時的に安定している
支配欲の強い人は、人や物を支配できているときに心が安定しています。
自分の思うがままにいっており、満足しているからです。
満足しているときはまわりの人に対してもやさしくなります。
問題は支配できていないと感じているときで、その場合はまわりに対して冷酷な対応を取りがちです。
(5)イライラしたり感情的になりやすい
支配欲の強い人は、勝ち負けなどにこだわりやすい傾向があります。
負けず嫌いで一番になりたいと思う傾向が強いため、自分の思い通りにならないと感情的になってムキになることが多いです。
(6)嫉妬深い
嫉妬深いからこそ、相手を支配したいと考えることもあります。
人に取られたくないからこそ、自分の手元に置いておきたいと考えて相手を束縛してしまうのです。
支配欲が強くなってしまう理由とは
支配欲が強くなるのにはいくつかの要因があります。
5つのポイントから紐解いていきましょう。
(1)「正しさ」にこだわりすぎている
正義の反対は別の正義、という言葉もあるように正しいことはいくつもあります。
しかし、支配欲の強い人は自分の正義感のみにとらわれており、人の正義に対して興味が薄い傾向があります。
人の正義を理解しないので、自分にとっての正しいことに対してこだわりが強くなりすぎ、結果、相手を支配して自分が正しいと思っている世界を作ろうとしてしまいます。
(2)プライドが高い
「自分を強く見せたい」「自分は本当はもっと偉いんだ」という気持ちを強く持っています。
しかし、自己実現がまだうまくできていないのでそのギャップに悩まされています。
高いプライドに対して現実がついてきていないので、そのギャップが支配欲となって表れます。
(3)自信がない
本当に自分に自信があれば、自分の行動に対して結果もついてきますし、物事もうまくまわって自分自身の支配欲を満たせる状態になるでしょう。
物事がうまくまわっておらず、自分の思い通りに支配できていない状態に対して、自分に足りないところがあるという認識から自分に自信が持てなくなっています。
自信のない状態からストレスもたまって、まわりに対してストレスを発散することがあり、それが支配欲を振りかざす迷惑な行動につながっていきます。
(4)人から圧力をかけられた経験がある
人から圧力をかけられたい経験があり、支配されるつらさを知っています。
そして、逆に支配する状況にもなったことがあり、その際には優越感を感じたりしたこともあると、支配力が強い人になりやすいです。
たとえば、部活などで上下関係が厳しいところなどにいると、支配されてつらい思いをし、年次が上がって支配することの気持ちよさを知ると、結果的に支配する側にまわったほうがよいと学習することになり、支配欲が強まったりします。
(5)心配性である
常に誰かに裏切られるのではないか、未来に嫌なことが起きるのではないかと心配している傾向があります。
心配しているからこそ自分がコントロールできる範囲を増やそうとして、その結果「支配できることを増やす」という行動につながっていきます。
支配欲が強い人との上手な付き合い方
支配欲の強い人との付き合いも相性がよければうまくいきます。
どのような付き合い方がいいのか確認しましょう。
(1)小さなケンカをなんどもする
支配欲の強い人は支配できている状態になると満足しますが、どんどん支配範囲を広めようとします。
従順に対応してしまうと相手の支配がどんどん広がってしまい、苦労が増えていきますのでマメに「ケンカ」をすることが効果的です。
ケンカという言い合いをすることで相手に自分の意見をぶつけ、相手の思い通りにならないことを学習してもらうことができます。
不満をためて大きく爆発させるのではなく、マメにケンカをしてお互いの落とし所をなんども探していくとよいでしょう。
(2)愛情はしっかりと伝える
支配欲の強い人は心配性で自信がないことが多いので、愛情をしっかりと伝えるとうまくいきます。
「好き」と言葉でしっかり示していくといいでしょう。
言葉で伝えれば伝えるほど、相手は安心して心が安定していきます。
(3)抱きしめたり、なでたりする
支配欲を弱める方法のひとつに、相手を守ってあげるという方法があります。
支配欲の強い人は常にまわりと戦っていて、常に傷ついています。
そんな支配欲の強い人を守ってあげる形になると相手の気持ちが落ち着いてきますので、守る態度を見せるために抱きしめてあげるといいでしょう。
相手の頭をなでるのもおすすめです。
相手を支配するのではなくて、守ってあげるような態度を取ると支配欲が落ち着いてきます。
(4)不安を煽る情報に触れないように誘導する
ニュースやSNSでは常に不安を煽る情報が流れてくるもの。
そういった情報を見れば見るほど不安がきっかけとなって支配欲が強まっていきます。
極力、不安を煽るような情報を見ないように、テレビではドラマや映画、アニメを見たりして、エンタメの幸せな情報であふれる環境を作るとよいでしょう。
(5)甘えさせる
支配欲の強い人は自信がないので、表には出せないけれど甘えん坊なことが多いです。
しかし、甘えん坊な面を出すことに対して抵抗を持っていることが多いので、誘導して甘えさせてあげるとよいでしょう。
恋人であれば膝枕をしてあげたり、耳かきをしてあげたりすると、支配欲よりも甘えたい気持ちが強くなってきて性格が丸くなっていきます。
支配欲の強い人も付き合い方次第でうまくいく
支配欲の強い人はどうしても面倒な部分も多いですが、自信のなさなどをうまくカバーしてあげたり、接し方を工夫したりすれば、上手に付き合えるようになることも多いです。
うまく相手の支配欲をコントロールして、いい関係を作っていきましょう。
(織田隼人)
※画像はイメージです
※この記事は2019年06月30日に公開されたものです