嫌いな人を避ける5つの方法
さまざまな人が働く職場には、どうしても苦手な人、嫌いな人がいる方も多いのでは? この記事では、嫌いなのになぜかその人が気になってしまう理由や、嫌いな人を上手に避けるための方法などについて、心理カウンセラーの小日向るり子さんに解説してもらいました。
過去から現在の職場を振り返り、「嫌いな人はひとりもいなかった」と言える人は、ほとんどいないのではないでしょうか?
職場だけでなく、関連会社や取引先など仕事上でコミュニケーションを取る人も加えれば、必ず「嫌いだな」「苦手だな」と思う人はいると思います。
プライベートなら連絡を取らないようにすればよいですが、仕事が絡むとそうはいかないのが悩ましいところですよね。
今回は、嫌いな人がいる人の心理状態や嫌いな人への対処方法などについて書いてみたいと思います。
嫌いな人はいて当たり前。苦手と思うなら距離を置いてもOK
人間が一人ひとり異なる個性を持っている以上、嫌いな人がいるのは当たり前のことです。
嫌いな人を好きになろうとすることに注力するあまり、仕事に対する自分のポリシーを曲げたり他人に忖度ばかりしていたりしては、仕事が本来持つ「生産性を上げて利益を産み、社会に還元する」という目的から反してしまうことになりかねません。
業務に支障が出ない程度であれば、嫌いな人とは適度に距離を置くのが正解。
これは仕事の生産性を上げること以外に、自身の精神衛生上の観点からも大切なことです。
もちろんどの職場に行っても嫌いな人ばかりで文句ばかり言っているのでは考えものですが、嫌いな人がいること自体は人間であれば自然なこと。
自責の念は不要です。
嫌いな人が気になって仕方がない3つの理由
でも嫌いな人の存在って、なぜか気になりませんか?
嫌いなのだから存在を無視できたら楽なのに、なぜ気になってしまうのでしょうか?
その理由を見ていきましょう。
(1)自分が我慢していることを相手がしているから
一番わかりやすいのが、いわゆる「サボり」です。
「喫煙に出かけると戻ってこない」「給湯室に行くといつも誰かとしゃべっている」など、そういう人が気になりませんか?
「自分だってサボってお給料がもらえるのならそうしたいけど、がんばって仕事をしている」……このように、自分だってしたいけれど我慢しているのにそれを平然とする人の存在は、非常に気に障るものです。
(2)自分の理解の範疇を超えているから
たとえば、いつも怒鳴っている上司、毎日居眠りしている同僚など、「いったいどうしたら職場でこんな言動ができるのか」といった自分の常識を超えている人の存在も気になるもの。
このときの心理は嫌いというよりも、異次元の生物を見ているような感覚で気になってしまいます。
そして、その言動が自分に不快感を与えるものであると「嫌い」という感情が強くなります。
(3)劣等感を抱くから
できる人がすぐそばにいると、自分ができない人に見られてしまいますよね。
特に上司や先輩から「○○はできているのに、どうしてあなたはできないのか」などと比較されて注意を受けたりすると、相手をうらやましいと思う反面、劣等感がわいて嫌いになってしまうものです。
一種の逆恨みともいえますが、その反骨精神をバネに自分が成長できれば結果オーライです。
嫌いな人から離れたい! 「無視」は悪影響が出るので注意
「嫌いな人と距離を置くことは悪くない」と前述しましたが、だからといってあからさまに無視するのは問題ありです。
それで業務に支障が出るのは論外ですが、それ以外でも無視する相手が後輩や部下など自分より立場が下の人である場合は、やりすぎるとパワハラのひとつと見なされる場合もあります。
嫌いになる理由が相手の非常識な言動だとしても、それに非常識で対応してしまっては同じ穴のムジナ。
こちらは常識的に対応していきましょう。
嫌いな相手を上手に避けるには? 自然に距離を置く5つの方法
嫌いな相手は無視するのではなく、上手に避けて距離を置いていきましょう。
以下は私がおすすめするやり方です。
(1)面と向かって会話する時間を最小限にする
視覚と聴覚からの情報は、記憶に長く残りがちです。
そのため、嫌いな人の顔を見て(視覚情報)、相手の声を聞く(聴覚情報)という時間は極力少なくしてストレスを小さくしましょう。
メールで事が足りるものであればメールで連絡するなど、工夫してください。
(2)信頼のおける人に相談する
職場に信頼できる仲間がいる場合は、自分がその人を苦手としていることを伝えてみましょう。
誰だって人の好き嫌いはあります。
「私は苦手じゃないから、飲み会のときの席は私があの人の隣になるようにする」などと仲間がさりげなく助け舟を出して、嫌いな相手との接点を少なくしてくれたりします。
ただし、これが派閥とならないように注意してください。
(3)仕事以外の接点を極力持たない
仕事以外の接点を極力持たないようにしましょう。
「プライベートの誘いは徹底してお断りする」「私的な会話はさらっと流す」などを繰り返していれば、相当鈍感でないかぎり相手側が気づいて距離を置いてくることも多いです。
(4)挨拶だけはしっかりと!
先述した対応方法で(1)や(3)をすることは有効ですが、相手の性格によっては上司まで巻き込んで大騒動になったり派閥を作られたりする危険性もあります。
そうしたことを防ぐためにも、挨拶だけはしっかりしておきましょう。
無視はせず、社会人としての常識は守ることが大切です。
(5)相手との接点が多い日は自分にご褒美を用意する
これは直接的な対処法というよりストレスケアになりますが、たとえば嫌いな上司との面談日や嫌いな相手との長時間の会議などストレスがかかる日には、そのあと自分にご褒美をあげましょう。
「仕事帰りにマッサージの予約を入れる」「気のおけない友人と食事をする」「デパ地下で好きなお惣菜をたくさん買う」など、「これが終われば楽しいことが待っている」というものがあるだけで、嫌いな人と過ごす時間が和らぎます。
嫌いな人がいるのは当たり前。「自分に集中!」しよう
「和」が美徳とされる傾向が強い日本では、嫌いな人がいるというと「その人のいいところを見つけよう」などと言われがちですが、それだけが対処法ではありません。
大切なことは、自分の仕事に美学を持つことです。
仕事に集中して達成感を得る体験をすると、嫌いな人のことを考えている時間が無駄に思えてきます。
美学とまではいかなくても、「家族を支えるためにプライドを持つ」「趣味を楽しむために稼ぐ」「転職や独立に備える」など、仕事によりどころを見出すだけで嫌いな人の存在の大きさは小さくなります。
「自分に集中!」、これをぜひ心がけてくださいね。
(小日向るり子)
※画像はイメージです
※この記事は2019年06月06日に公開されたものです