旧Twitter現Xがイーロン・マスクに買収されて以来、「Twitterはもう終わりだ」と言われ続けて来たし、実際Twitterユーザーの耐久度をテストしているとしか思えない機能変更がされてきた。

その度に「そろそろ移住先を確保しなければいけない」と言ってきたが、体感で言えば未だTwitterに残っている奴の方が多いし、「Twitterから脱出しなければいけない」と書き込んでいる場所がTwitterな時点でもうダメなのである。

確かにTwitterという名前がいともたやすく廃棄されたことも今となってはどうでもいいし、ロゴの青い鳥が更迭され「X」になったのも、「最終的にイーロンが磔にされて完成する」と思えば青より黒が正しい気がする。

しかし、インプレッション数に応じた収益化機能が実装した時点で、これ以上荒廃しようがないと思われていたXが通称「インプレゾンビ」が徘徊するラクーンシティと化してしまった。

そういう意味ではイーロンはウェスカーと肩を並べたと言える。

収益化機能はパンドラの箱だったのか

「インプレゾンビ」とは、インプレッションを稼ぐために、バズっているポストに手あたり次第リプや引用をつけてくるアカウントのことである。

「とにかくプロフを見て欲しい人」として、リプ欄にぶら下がってくるだけならウザいだけで済むのだが、リポスト数、つまりは「金」を稼ぐために、わざと炎上目的の過激な発言をしたり、デマを流すアカウントが以前より増えたように感じる。

さらに、2024年は能登震災をはじめ、暗いニュースや悪いニュースが相次いでいる。

そんな不幸すらダシにしてインプを稼ごうとするアカウントが散見されるようになり、今までX川の水をゴクゴクいっていた住人たちもさすがに腹を壊し気味になってきた。

その結果X自体がギスギスするようになり、現在私のおすすめ欄は、半分が辛いニュース、もう半分がそのニュースに対して激怒している人と、それに引用リプで激怒している人で構成されている。

少し前までは、3ポストごとに出現する悪役令嬢に婚約破棄を言い渡す男に辟易していたが、現在ではそれを遥かに凌駕するモラ男情報が逆に広告をプレスするようになってきた。

だが、これだけXに対する文句が止まらないのに、事実として私はまだXにいるし、さすがにもう1日62時間とは言わないが48時間はXをやっているのである。

もはや体がXの中で溶けてXも体の一部になってしまっているため離れられないというのもあるが、そんなバイオベース状態のユーザーの言い訳の一つが「他に行くところがない」である。

正直他のSNSはいくらでもある。

しかしX民が求めているのは正確には「行くところ」ではなく「X臭が染みついた俺を受け入れてくれる場所」である。

つまり「XみたいなXじゃない場所」であり、そんな思春期が言い出す「ここではないどこかへ連れてって」みたいな姿勢ではどこにも行けないのだ。

ブルースカイ、アカウント作りました

だが、前々からXの代替えとして有力視されていたSNSがある。

それが「ブルースカイ」だ。

  • これだって将来、黒い蝶とか、零~赤い蝶~とかにならないとも限らない

    これだって将来、黒い蝶とか、零~赤い蝶~とかにならないとも限らない

以前から「仕様がかなりXに近い」と言われていたが、登録方法が「招待制」だったため、そこまでXからの大移動は起こっていなかったし、私もやんわりと「ブルースカイの招待がほしい」という独り言を言ってきたが、今までフルシカトされてきたため、ブルースカイがどのようなものか知ることができなかった。

それが2月7日に招待制をやめ、誰でも登録可能となったため、一気にXユーザーがブルースカイに登録しはじめた。(参考記事)

私も早速登録してみたが、確かにXに似ている、というかほとんどXである。

これがパクリではないというなら、パルワールドなど他に類を見ないオリジナルゲームと言える。

しかし、当初からパクリと騒がれたパルワールドに比べ、ブルースカイをXのパクリだというって糾弾している人間は観測した限りではおらず、いかに皆がXみたいなXじゃないSNSを待望していたかが良くわかる。

ここで下手に騒いで、仕様をXと似ても似つかぬ物にされては困るのだ。

7日の当日だけでもかなりの数のXユーザーが「ブルースカイアカウント作りました」と言っており、ついにX本格終了かという様相を呈していた。

しかしブルースカイアカウントを作った人間のポストは軒並み「一応登録しました」「いざというときの避難先として置いておきます」であり、「これにてXアカウント終了です」など、くう~と聞こえてきそうなポストはあまり見られなかった。

それに前にもこれと同じ現象を見たことがある、メタが「スレッズ」を始めた時だ。

その時も多くのXユーザーが「とりあえず」「避難先」としてスレッズのアカウントを取得していたが、おそらくXからスレッズに完全移住した者より、避難先は避難先のままXに居座り続けているユーザーの方が多いのではないかと思われる。

確かに、今までのことでXについていけなくなったユーザーは既にほかのSNSに移っている。

それをくぐり抜けて今Xにいる人間がいう「いざという時」の「いざ」と言えば、完全有料化、本名顔出し義務化、そしてサ終ぐらいしかないような気がする。

イーロンの買収以来、「またイーロンがおかしなことを言っていやがる」と何度思ったかわからない。

だがイーロン側も「そろそろXから本格移行を考える時が来た」と言っている我々を親の顔より見ているとは思う。