PowerShell 7で差出人メールアドレス切り替えを有効化

いよいよ、複数の差出人メールアドレスを有効化する手順を紹介します。 テナントにドメインを追加する方法については当連載の第116回～117回を、ユーザーに別のドメインのメールアドレスを追加する方法については第118回～119回を、PowerShell 7のインストールと起動方法については第120回の記事を参照してください。

差出人メールアドレス切り替え機能の有効化

PowerShell 7で差出人メールアドレスの切り替え機能を有効化します。具体的には、Exchange OnlineのSendFromAliasEnabledという設定値を初期設定の$falseから、$trueに変更するだけです。 第120回の記事を参考に、PowerShell 7を開いてください。

(1)「Connect-ExchangeOnline」コマンドレットを実行して、自分が管理するテナントのExchange Onlineにサインインして接続する

• 

ここで、Microsoft 365にサインインするウインドウが表示されたときは、いつものようにMicrosoft 365に管理者のユーザー名でサインインしてください。

(2)「Set-OrganizationConfig -SendFromAliasEnabled $true」と入力してEnterキーを押す
(3)「Get-OrganizationConfig | Out-String -Streams | Select-String “SendFromAliasEnabled”」と入力してEnterキーを押す
(4)「True」（$trueの値）と表示されていることを確認する
(5)「Disconnect-ExchangeOnline」コマンドレットを実行してサインアウトする

• 

上記作業の内容を説明します。
(2)は、SendFromAliasEnebledの値を$trueに変更しています。 (3)と(4)は、設定が正しく変更されたかどうかを確認するために、設定値のリストを取り出し、その中からSendFromAliasEnabledに絞り込んで表示しています。表示された値がTrue（$true）になっていれば設定変更終了です。Falseになっているときは、もう一度操作を確認してください。 (5)Exchange Onlineとの接続をサインアウトします。

以上で、Exchange Onlineの設定は終了です。

Outlook Webアプリの設定

次はテナント管理者ではなく、複数の差出人メールアドレスを使い分けたい個々のユーザーごとの設定になります。 Microsoft 365にサインインして、Outlook Webアプリを開いてください。

(1)「設定」（歯車）ボタンをクリックして「設定」ウインドウを開く

• 

(2)「メール」をクリックする
(3)「作成と返信」をクリックする
(4)「差出人を常に表示する」チェックボックスをオンにする
(5)スクロールバーをドラッグして設定ページの下部を表示する

• 

(6)差出人メールアドレスとして使いたいメールアドレスのチェックボックスをオンにする
(7)「保存」をクリックして設定を保存する

• 

なお、既定のメールアドレス（Microsoft 365サインイン時のユーザー名）はあらかじめチェックボックスがオンになっていて、既定のメールアドレスを解除しない限り、チェックボックスをオフにすることはできません。

これで第116回から続けてきた差出人メールアドレスを使い分ける設定がすべて完了しました。

差出人メールアドレスを選択して送信する

実際に、差出人メールアドレスを選択してメールを送信してみましょう。 Microsoft 365にサインインし、Outlook Webアプリでメールを新規作成します。Outlookデスクトップアプリを使用しているときも基本的な操作は同様です。

(1)Outlookで「新規メール」ボタンをクリックして新規メールを作成する

• 

(2)差出人メールアドレスの右側にある「∨」ボタンをクリックする
(3)使用できる差出人メールアドレスのリストからメールアドレスをクリックする

• 

あとは、通常通りメールを作成して送信してください。 これで複数の差出人メールアドレスを使い分けてメールを送信できるようになりました。

なお、今回は1つのテナントに複数のドメイン名を割り当てて、異なるドメイン名のメールアドレスを使い分けるものとして解説しました。 一方、1つのドメイン名しかないテナントで、同じドメイン名で複数のメールアドレスを作成して使い分けることもできます。その場合は、当連載の第118回からこの第121回を参考にしてください。新しいドメインを追加する以外は同じ設定操作になります。