プロジェクトが終了して初めて「赤字だった!」と判明した経験はないだろうか。IT/システム開発、コンサルティング、広告業などプロジェクト型・案件型で業務を行う業種では、プロジェクト進行中の収支把握が難しいという話をよく耳にする。こうした課題に、いかに対処すれば良いのか。統合型基幹業務システム「MA-EYES」を開発・販売するビーブレイクシステムズで営業部リーダーを務める堀井勇也氏に、課題解決の道筋と有用なソリューションについて伺った。

  • (写真)堀井勇也氏

    株式会社ビーブレイクシステムズ 営業部 リーダー 堀井 勇也 氏

プロジェクト型業務で発生する収支管理の課題とは

プロジェクト型・案件型、あるいは労働集約型の業務を手掛ける業種における収支管理の課題について、堀井氏はこう解説する。
「最も多く聞くのが、プロジェクト進行中は、言葉は良くないですが“どんぶり勘定”で、プロジェクトが終わってからでないと赤字か黒字かわからないという課題です。すべてのデータを集めてみたら実は赤字だったと判明することも多いようです。その背景にあるのは、表計算ソフトなどを使って収支管理をしているため、収支の分析をリアルタイムに行えないという事情です」(堀井氏)

いうまでもないが、表計算ソフト自体に問題があるわけではない。ただ、表計算ソフトでの収支管理では例えば以下のような問題が起きやすいと堀井氏は指摘する。
「まずは、1つのファイルで管理しようとすると、複数人が任意のタイミングで数字を入力できないという問題があります。反対に複数のファイルを扱うケースでは、データがファイルごとに分散してしまったり、担当者個々にファイルを作って一元管理できずどの数字が最新で正しいのかわからなくなったり、といった問題が起きがちです。また、収支をまとめるために複数ファイルから数字をコピー&ペーストした際、行がずれてデータの整合性が取れなくなる場合もあります」(堀井氏)

こういった表計算ソフト利用にまつわる種々の問題は、IT/システム系、コンサル、広告業と業種を問わず共通する課題だと堀井氏は示す。加えて、そもそも収支管理自体がまったくできていない企業も決して少なくないという。とりわけ従業員規模が小さな企業では人員を充てられず、収支の把握が困難なケースもあるようだ。

クラウドの基幹業務システムが課題解決をサポート

こうした収支管理の課題解決で力を発揮するのが、クラウドの統合型基幹業務システム「MA-EYES」である。堀井氏がその機能と強みを解説する。
「一番の特徴は、プロジェクト単位の業務や案件型業務の収支管理に特化している点です。基本的にはプロジェクトごとに予定原価を立て、それに対して経費や人件費などの実績を紐付けていくことで、プロジェクト単位での原価管理や予定原価と実績原価の比較などを行えるのが強みです」(堀井氏)

プロジェクトの収支管理だけでなく、プロジェクト受注前の引き合いや見積書作成、外注への支払処理、取引先への請求と入金後の消込といった一連の業務をトータルでカバーする点も「MA-EYES」の強みの一つ。プロジェクトに直接紐づく原価以外にも間接費の配賦ができ、より細かな収支管理を実現する。

ユーザーの声を受けて、大きな機能開発から細かな改修まで常に行われている。最近では、「MA-EYES」に備えられた既存帳票とは別にプロジェクトの関連情報を、属性や期間に応じて任意にレポート出力できる汎用分析機能、大掛かりなカスタマイズを施すことなく他の製品とAPIで手軽に連携できる機能、特定プロジェクトに紐付く各種情報(請求、販売物品、アサイン/作業実績、発注計画/購買申請、経費申請)を一画面でまとめて閲覧できるプロジェクト台帳機能、サブスクリプション請求対応を自動化する機能などが追加された。

  • (写真)堀井勇也氏

“いいとこ取り”のSaaS+版で享受できるメリット

「MA-EYES」を導入する際は3種類の方式(ライセンス体系)から選ぶことができる。ライセンスを買い取り、オンプレなどユーザー企業が指定する環境にパッケージ製品として導入して、ニーズに応じ機能のカスタマイズ(セミオーダー)も可能な「一括版」、月額料金でパッケージ製品の標準機能のみを利用できる「SaaS版」、そして、SaaSでありながら機能を自社業務に合わせてカスタマイズできる「SaaS+版」の3つだ。SaaS+版は2023年2月にサービス提供が始まった新しい導入方式である。

「オンプレ環境で標準機能を利用しながら、足りない機能の追加や画面項目の追加、名称変更を行いたい場合や、自社独自のセキュリティポリシーを重視される場合は一括版がおすすめです。こちらは機能をカスタマイズでき、柔軟性が高いのですが、オンプレでのサーバー運用に関する初期費用や運用コストがかかり、構築までに時間も要します。そのため費用感や手間、スケジュールを考え、標準機能を利用できれば十分という場合には、SaaS版がフィットします。対してSaaS+版は、サーバー運用の手間やコストがかからず、かつカスタマイズも可能なので、一括版とSaaS版のいいとこ取りができる方式といえます」(堀井氏)

中小企業の場合、費用面の制約から、SaaS版で標準機能のみの利用を選択するケースは多いという。ただ、その場合は業務スタイルを標準機能に合わせて変えなければならないこともある。その点、SaaS+版ならカスタマイズできるので、自社で使っている形式のレポートを出力する、画面に独自項目を追加するなど「ここだけはどうしても譲れない」機能の追加・改修が可能であり、まさに費用と運用のバランスを取った導入を実現できるといえる。

企業それぞれのニーズに応じた導入方式で課題を解決

「MA-EYES」導入を検討したいときは、まず堀井氏をはじめとする同社営業担当に相談するところから始めるのが良い。要件やニーズ、費用感などを聞いたうえで、最適な提案をしてくれる。例えば費用重視でいきたい場合、最初は標準機能のみのSaaS版を念頭に話を進め、標準機能に合わない業務があるときは運用回避の方法を提案。そのうえで、業務スタイルを変えたくないならSaaS+版でのカスタマイズを提案する、といった流れだ。

「総じて20、30人規模の企業ですとSaaS版を選ぶケースが一般的です。100人前後かそれ以上の企業であれば、費用感としては一括版、SaaS+版の双方が検討対象になり、自社でサーバー管理を行わずクラウドを利用したい場合はSaaS+版を選ぶことが多いですね。対して、セキュリティ要件が厳しい企業は一括版によるオンプレ活用を選択する傾向があります」(堀井氏)

実際に、堀井氏が当初はSaaS版で提案していく中、経理処理の部分で標準にはないある機能がなければ困るとの話になり、SaaS+版に切り替えた事例があったという。
「お客様独自のこだわり機能をカスタマイズで追加しつつ、クラウドで安価かつ手軽に利用できるのが、やはりSaaS+版の最大のメリットです」(堀井氏)

  • (写真)堀井勇也氏

また、当初は一括版で提案したところ「費用を抑えたい」「短期導入したい」という要望を聞き、SaaS+版に切り替えた事例もあったとのことだ。いずれにせよ、ユーザー企業側の機能面でのニーズやコスト・導入期間などの要望を細かく聞き、柔軟な提案につなげられるのも「MA-EYES」の、そして同社の強みだといえるだろう。

ただし一つ強調しておきたいのは、一括版でも、またSaaS版やSaaS+版でも標準機能は共通で、プロジェクト型・案件型業務における収支管理の課題解決に寄与する点では同じ成果が得られるということ。つまり、ライセンス体系によって機能が変わるわけではないため「どの方式で導入されたお客様も、プロジェクトの収支を一元管理できるようになり、多重入力やレポート作成の手間もなくなって業務を効率化できた、という声は共通していただきます」と堀井氏。

効率化の具体的な数字による可視化は難しいものの、例えば従来は1週間かかっていた月次決算を3日に短縮できた、といった話は聞くと話す。またそうした成果以外に、承認履歴が残ることから内部統制の強化につながる事例もあり、SaaS版導入後しばらくしてから上場を実現した企業もあるとのことだ。

「機能開発には常に取り組んでおり、電子見積書・請求書発行機能/送付機能などの新機能やAPI連携の拡張は近々実装する予定です。これからもお客様それぞれの多様なニーズを踏まえ、魅力的な価格で最適なご提案をしていこうと考えています。プロジェクト収支管理にお困りであれば、ぜひお声掛けください」(堀井氏)

前回の記事「IT/システム開発や広告・コンサル業のプロジェクト型案件における管理課題をクラウドERPで解決」はこちら

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