「ブロック+ねんど型でプラットフォーム構築」AmidA (ハンコヤドットコム) 大田氏

株式会社AmidA経営戦略室 室長 兼 マーケティング事業部 副部長大田基樹氏

ユーザー企業講演1社めには、印鑑のインターネット通販でトップの実績を誇る「ハンコヤドットコム」の親会社AmidAで経営戦略室 室長 兼 マーケティング事業部 副部長を務める大田基樹氏が登壇。「効率的なデータ活用のための「ブロック+ねんど型」プラットフォーム構築」と題して、商品管理、製造、外注、出荷といった一連の業務プロセスをDataSpider Servistaとサイボウズのkintoneで連携させたプロジェクトを紹介した。

「DataSpider Servista導入のきっかけは、社内システムのリューアルのつまずきです。リリースまで1年半かかったうえ、完成品が要望に沿わず、開発費が高額になりました。そこで、フルスクラッチ開発をせず、ブロックとねんどによる開発に取り組みました」(大田氏)

ブロックはミドルウェアで、ねんどはスクラッチ開発を指している。データとUIのブロックをそれぞれDataSpider Servistaとkintoneで構築。ブロックで構築できないモノをねんどであるスクラッチ開発で追加することで、自由度と安心感を得た。

「DataSpider Servistaは、さまざまなデータ形式に対応できる柔軟性を持ち、プログラミングより何倍も早い。改善版を1ヵ月半でリリースし、開発費も削減しました」(同氏)

その後も、プロジェクトの進め方としてスクラム開発を取り入れ、プロトタイピングと分割リリースでギャップや作業時間を短縮する開発に移行した。大田氏は「プロジェクトの継続的な改善を続ける仕組みをつくることができました。業務の自動化によって手作業がゼロになり、顧客サービスの向上に集中しています」と、DataSpider Servistaのもたらした成果を明かした。

「DataSpider ServistaでFastな開発」バルス(Francfranc) 忽那氏

株式会社バルス システムチーム 忽那一賢氏

ユーザー企業講演2社めには、インテリア・雑貨店「Francfranc」をはじめとする複数のブランドを展開するバルスのシステムチーム 忽那一賢氏が登壇。「DataSpider Servistaを活用したFastな開発で、ユーザー満足度の向上を目指す」との演題で、環境変化に適応し分散された社内システムをDataSpider Servistaでどう連携させたかを紹介した。

DataSpider Servista導入のきっかけは、事業拡大にあわせて必要になった新しいMDシステムへの対応だった。同社は5年で商品数が2.5倍、約8000SKUを展開するようになった。PB比率が増加し、商品開発から販売までを一貫して行うSPA企業へと業容を拡大させた。そのなかで、各種計画や在庫コントロールを行うMDシステムを導入したが、そこで基幹システムとどう連携するかが課題になったという。

「基幹システムと外部システムの連携はすべてベンダーに依頼していて、コスト高、ロックイン、長い開発期間、柔軟性のなさといった課題がありました。そこでスピードと柔軟性を重視して、DataSpider Servistaに注目。シンプルなUI、最新のクラウドサービスへの対応、豊富な導入実績などを見て採用を決めました」(忽那氏)

現在は、kintoneを利用した簡易発注残管理や、Cloud FAXと連携した、発注書FAX送信、売上速報など各種レポートの作成、業務部門への各種データの送信などの仕組みにDataSpider Servistaを活用している。

「重要なのは、完璧を追い求めずにできるところからトライすること。また、ユーザーの声に答えながら、トライ&エラーを繰り返し、とにかくやってみること。DataSpider Servistaによりそれができるようなった」と成果を強調した。

「テキストデータと位置情報データの活用を」ウイングアーク1st 大畠氏

ウイングアーク1st株式会社 営業本部 営業企画部 副部長 大畠幸男氏

ベンダーセッションには、ウイングアーク1stの営業本部 営業企画部 副部長 大畠幸男氏が登壇。「使えるデータはまだ眠っている! 拡がる『情報の原石』と活用トレンド最前線」と題して、新しいデータを活用に向けたツールの使い方やアプローチ方法を解説した。

「企業が課題を解決し、さらなる成長を目指すには、既存の社内データに加えて、地図/位置情報や多様なテキスト情報、第三者が提供する公開情報なども含めた新たなデータ活用が重要になります」(大畠氏)

そうしたさまざまなデータのなかでも特に注目したいのは、現場で発生するテキストデータと、位置情報を含むデータの2つだという。まず、テキストデータは、販売データや実績データ、顧客の行動データなどさまざまなものがある。データ活用でポイントになるのは、分析したデータをどうアクションにつなげるかということ。「利益率などの数字を把握することは簡単です。ただ、経験や勘、ノウハウは数字に現れません。そこをどう数値化し、アクションにつなげるかがポイントです」と大畠氏。

一方、位置情報を含むデータは、現場での活用が難しいことが課題だ。位置情報を含むデータというと特殊なものに思えるが、実際は、顧客の住所から店舗の住所、名刺情報などまでさまざまだ。店舗の住所と売上を地図にプロットし、ヒートマップとしてエリアの売上を表示するだけで、表上の数字だけではわからなかった「気づき」が得られるケースが多い。

大畠氏は、この2つのデータについて、同社が展開するBIツール「MotionBoard」で簡単に活用できることを示した。そのうえで「テキストデータを数値化することで、アクションの裏付けに活用できます。また、地図で見えない情報を発見し、外部の第三者データと組み合わせることで新しい気づきが得られます」とアドバイスした。