Windows Server 2008の仮想化環境「Hyper-V」、WebサーバのIIS(Internet Information Service)と、次々に降りかかってくる課題に対してTechNet Onlineの助けを借りながら立ち向かってきた鈴木一郎君だったが、ロールプレイングゲームならずとも、相手はどんどん手強くなってくるもの。さて、新たに立ち向かうことになった相手は?

Exchange Serverを導入するぞ!

本連載ではこれまで、仮想化環境やWebサーバといった機能を例に用いてきた。これらの機能は、個人レベルでもある程度は試せるものなので、「まったく何も分からない状態」にはならずに済む場合が少なくない。ところが、今度の課題はそういうわけにもいかないようだ。

「今度、メールサーバをExchange Serverに切り替えることになった」

いくらなんでも、これは個人で日常的に使用するような製品ではない。値段が高い上に、Windows ServerとActive Directoryを必要とする代物だから、一般的な個人のレベルでは導入できない。第一、ユーザーが自分一人しかいないのに、自宅にメールサーバを立てるなんて大袈裟すぎる。

当然ながら、鈴木一郎君はExchange Serverを使ったことなどない。せいぜい「Exchange Serverとはメールサーバである。しかし、さらにグループウェアとしての機能もある。クライアントにはOutlookを使用する」という程度の認識しかないのが実情だ。

こうなると、すっかり恒例と化しつつある「困ったときのTechNet Online頼み」でいくしかない。幸い、過去にHyper-VやIISのTechCenterにアクセスした際に、画面上のTechCenter一覧を見ているから「そういえば、TechNet OnlineにはExchange ServerのTechCenterもあったな」という認識はある。

Microsoft Exchange Server TechCenter

これが、Exchange ServerのTechCenter(メイン画面)。前回に取り上げたIISのTechCenterとは、また内容やレイアウトが異なる。TechCenterはいずれも、対象製品に最適化した内容になっている

Exchange Serverの情報は、アプローチ手段がいろいろある

そこで、まずは以前と同様に、TechCenterにアクセスしてコンテンツの概要を眺めてみた。TechCenterの構成は製品ごとに異なるので、Hyper-VやIISのTechCenterと同じ要領で済むかどうかは、アクセスしてみないと分からない。

コンテンツ一覧を見てみると、IISのTechCenterよりもHyper-VのTechCenterに似た感じがする。まず着目したのが、画面左側の記事一覧だった。

上から、まず「バージョン別で調べる」というグループがあり、Exchange Server 2010、Exchange Server 2007、Exchange Server 2003、Exchange 2000 Server、Exchange Server 5.5と、すべてのバージョンに対応するリンクがある。これから導入するのであればExchange Server 2007、あるいは2010以外の選択肢は考えられないが、旧バージョンのユーザーにも配慮しているわけだ。使用期間が長いサーバ製品らしいところだ。

興味深いことに、さらに別の種類のグループもある。Exchange Server 2007限定になるが、「利用方法別で調べる」というグループの下に、「評価」「計画」「展開」「管理」「トラブルシューティング」と、5個のリンクが並んでいる。つまり、Exchange Server 2007のユーザーであれば、自分がやろうとしている作業、あるいは自分が知りたいと思う分野の情報に対応する記事を探すことができるわけだ。

そして最後に、「サーバーの役割で調べる」というグループもある。これもExchange Server 2007限定となる。ここでいうサーバーの役割とは、メッセージング環境において特定の機能を実行するために必要な機能およびコンポーネントを論理的にグループ化する単位のことで、「メールボックス」「クライアント アクセス」「ハブ トランスポート」「エッジ トランスポート」「ユニファイド メッセージング」といった内容になっている。つまり、「Exchange Serverにどんな仕事をさせたいか」という切り口からアプローチしているようだ。

事業所がひとつしかなくて、それほど大規模なメッセージングシステムを構築するのでなければ、「メールボックス」と「クライアント アクセス」だけで用が足りるだろう。しかし、複数の事業所にそれぞれサーバを置くような大規模システム、あるいは電子メール以外のメッセージング環境までまとめて面倒をみてしまおうという場面になると、他のコンテンツにも出番がありそうだ。

このように、Exchange ServerのTechCenterでは、目的の情報にたどり着くためのアプローチをいろいろ用意している点が特徴といえる。

メイン画面で少し下にスクロールすると、左側に「バージョン別」「利用方法別」「役割別」のリンク集がある

編集部より

なお、次回の連載からマイクロソフト様協力によるプレゼント企画をスタートさせますので、ご期待ください。