Twitterは、その運営会社であるTwitter社が11月7日に上場して話題となりました。日本では特に高い人気を誇るTwitterは、リアルタイム性に高く、自社商品・サービスなどに関する評判や反応を知るのに向いています。一歩踏み込んで、アクティブサポートに利用することもできます。今回はアクティブサポートのやり方を中心にご紹介します。

テレビ視聴率などマーケティング向きツール

140文字という文字数制限があり、ミニブログとも呼ばれるTwitter。リアルタイム性と、通常のソーシャルメディアとは違い一方向フォローができ、興味関心でつながるインタレストグラフを持つところに特徴があります。リツイートによる拡散力が高く、情報収集・拡散に向いています。

2013年第3四半期末時点の月間ユーザー数は2億3170万人。世界一のSNSであるFacebookのユーザー数11億人から見ると4分の1強程度で、それほど多いわけではないと感じるかもしれません。その一方で、日本では圧倒的人気を誇り、アニメ映画「天空の城ラピュタ」放送に合わせた「バルス」一斉ツイートは、秒間のツイート数世界記録トップになりました。

最近では米ニールセンやビデオリサーチ社などにより、ツイートがテレビ視聴率を図る一つの指標として用いられています。その他にも、多くの企業で自社・商品・サービス名などでエゴサーチすることにより、評判や問題点などを知るためのマーケティングに利用できるでしょう。

公式アカウントにより「バルス」がツイート数世界記録を更新したことが告げられた

niconicoでは、「バルス」ツイートボタンが用意された「バルス祭り会場」が開設された

企業自ら顧客にアクセスする「アクティブサポート」

改めて、「アクティブサポート」とは何かご存じでしょうか。「自社に関するポジティブ・ネガティブなツイートをエゴサーチし、そのユーザーに話しかける」ことです。

従来のようにユーザーが自ら問い合わせの電話やメールをする、企業から見て受け身の「パッシブ(受動的)サポート」と区別して、アクティブサポートと呼ばれています。Twitterでのツイートは公開されていることが多く、特にこのアクティブサポートを行うのに向いたツールなのです。

Twitterを利用してアクティブサポートに取り組んでいる企業は多数あります。例えば、ソフトバンクカスタマーサポート担当(@SBCare)アカウントが有名です。SBCareのTwitterアカウントは、「SBCare」を含めて3種類用意されています。それらのアカウントが、アクティブサポート、パッシブサポートの他、FAQや障害情報などのツイートも行っています。

SBCareのTwitterアカウントは内容に合わせて3種類用意されている

アクティブサポートの効果とリスク

アクティブサポートには、様々な効果が期待できます。期待を上回るサービスによりユーザーの満足度を高められる可能性があり、また不満を解消すれば、解約などのリスクも減らすことができるでしょう。

ただし、ユーザーに嫌われるリスクもある点には注意が必要です。当然、話しかけられたくないユーザーもいます。意図せずに話しかけられることで「監視されている」と感じるユーザーもいるかもしれません。丁寧な対応を心がけ、Twitter上での過去のやりとりなどを把握した上で、個別対応を心がける必要があるでしょう。

また、セキュリティ上Twitterで個人情報のやりとりは行わず、適宜メールでのやりとりに切り替えたり、電子メールや電話による対応窓口を紹介する必要もあります。

アクティブサポートは行ってもいい?

宣伝会議による「企業の公式Twitter、Facebookページの印象に関する調査」(2012年4月)によると、アクティブサポートを実施している企業は26.0%であり、6割が「実施していない」と回答しています。さらに「ネガティブなつぶやき」に対するアクティブサポートについては、「実施している」は15%、「実施していない」は7割とより少なくなっています。

一方、ユーザーはどう感じるか聞いたところ、ポジティブな内容のつぶやきに対するアクティブサポートは52.7%、ネガティブなつぶやきに対するアクティブサポートも45.3%が、「良い印象を受ける」と回答しています。さらに、アクティブサポートを実施する企業アカウントに対して「悪い印象を受ける」というユーザーは、1割未満という結果となりました。

企業側は全体に消極的なところが多いものの、ユーザーはむしろ歓迎する傾向にあることが分かります。あまり過剰に怯えすぎることなく、取り組みを行ってみるのがよいと思われる結果と言えます。

ツール活用で効率的に導入しよう

アクティブサポートを成功させるのに何より大切なことは、ユーザー視点を持つことです。担当者自身がしっかりとTwitterを使いこなし、Twitterの作法や距離感などについて体感的に知っておくことが重要なのです。

実際の効率的な運用には、ツールの利用も欠かせません。例えば、「Yahoo!リアルタイム検索」では特定のキーワードに関するツイートがリアルタイム検索できます。「Topsy」は、公式検索では検索できない過去のツイートも検索でき、検索結果の更新をメールやRSSで受信することもできます。「Backtweets」は、ツイートに含まれるリンク情報を解析、URLで検索できるサービスです。自社サイトについての言及はこれで見つけましょう。

アクティブサポートにご興味を持った方は、導入を検討してみてはいかがでしょうか。

Yahoo!リアルタイム検索

Topsy