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第3部 システム戦略と開発技術 - 1.業務活動のモデル化技法

重要度 >>> ★★★★★

E-R図、DFDともに使用する記号の名称や意味が問われるでしょう。様々な状況が設定され、それを図にした場合の正誤を判断させる出題も考えられます。

合格への攻略ポイント

■業務のモデル化は何のため?

およそ人の仕事というものは、その細部から全体像までを把握しようとしてもなかなか難しいものです。業務モデルとは、情報システムを構築するにあたって現在実施している業務や書類の流れ、各業務段階における機能(処理内容)などを記号や図形を使ってモデル化したものです。システム化作業の初期の段階でこういった手法を活用して、可能な限り単純化したモデルを作成して伝達することになります。

■E-R図(ERD)

データをモデル化する技法として代表的なものがE-R図(ERD)です。これは、企業内で管理される情報をそれらの相互の関連性に注目して整理し、分析する手法です。具体的には以下の記号を組み合わせてモデル化します。

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■DFD

DFD(データフローダイアグラム)は、業務上の情報(データ)の流れに着目します。業務のモデル化をデータ(情報)中心のアプローチによって行うことで、日常の業務で使用している書類や帳票などを実体イメージで図形化でき、一般社員がその内容を確認しやすいというメリットがあります。これはトム・デマルコ氏により提唱されたもので、以下の4種類の記号を用いて図式化します。ただし、これはあくまでもその名のとおりデータの流れを表現するものであって、処理のタイミングなどの時間的表現を行うことはできません。

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本試験出題例

得意先からの注文がオンライン端末から入力されると、注文の記録を取り、在庫を引き当て、倉庫に設置してあるプリンタへ出荷指示書を出力するシステムがある。DFDを使ってこのシステムを記述したとき、a~dに当てはまる語句の組合せとして、適切なものはどれか。

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a b c d
端末注文登録済注文プリンタ
端末登録指示引当指示プリンタ
得意先注文登録済注文倉庫
得意先登録指示引当指示倉庫

【初級シスアド 平成17春期 問29】

解答と解説

業務の流れが説明された問題文から、データ源泉は得意先でありデータ吸収は倉庫であるとわかる。よって(a)は得意先、(d)は倉庫となり選択肢ア、イは誤り。また矢印はデータの流れを表すデータフローであり、選択肢エにあるような登録指示や引当指示などの業務処理を表現するものではないため、ウが正解となる。

正解