他社のFEMとFLOW-3Dの連携を強化する「F.SAI」

「F.SAI(FLOW-3D Structure Analysis Interface)」は構造解析とFLOW-3Dの練成計算をしたいという時に、より操作性を良くして練成計算を進めていくことを目的に開発された手法で、イメージとしてはFLOW-3Dの解析結果からデータを抽出し、節点座標に補間してから市販のFEM 構造解析ソフトに各種の荷重データを転送することを可能にするものとなっている。

具体的には、流体圧力や流体温度、構造材温度などの荷重データを出力するほか、FEMメッシュのサポートや、データ探査距離の設定といったことも可能。また、FLOW-3DとFEMでやり取りする際の補間を妥当なものにするための上/下限値の設定や補間値がとれなかった場合のデフォルト値のユーザー指定なども可能だ。ちなみにF.SAIは単独実行が可能なので、FLOW-3DやFEMソフトが搭載されていない状態でも起動して利用可能だ。

F.SAIの概要と転送例

さらにサポートフォーマットとしては、ユーザーが簡単に良好な補間を得ることなどを目的に、NASTRANやSIMULA Abaqus、MSC Mentat Marc 2012、Altair HyperWorks OptiStruct、Altair HyperWorks Radioss、LS-DYNAなど実際に使用している製品にそのまま即したデータの形式で提供することも可能。中でもNASTRANとAbaqusについては協力会社として業務提携をしているため、よりスムーズに構造解析への橋渡しができるように今後も強力に開発か進められていく予定だという。

個人の経験に頼らない気泡の発生、最終位置などの評価を可能に

液体などで発生する気泡は、条件などによってさまざまなサイズが生じるが、そのサイズによって挙動が変わってくる。従来のFLOW-3Dでは気泡のモデル化は2流体もしくは1流体でモデル化する手法が提供されきたが、1流体の場合、流体とボイド(ガス領域)として解析が行われており、FLOW-3Dでも複数のボイド領域のタイプが提供されてきた。

ボイド領域のタイプ

こうした気泡を扱う場合、とりわけ空気の巻き込みについては「空気巻き込みモデル」である程度の評価はできるものの、評価者の経験の差により評価が分かれてしまうという課題があった。そうした評価の差異を減らすためにはメッシュを細分化し、微小な気泡にするという方法もあるにはあるが、解析時間が長くなるという課題があった。そこで同社がそうした課題の解決に向けて開発を進めてきたのが「気泡追跡」の機能だ。

解析時間を長くしたくないが、気泡がどこから発生し、どこに移動していくか、どこに集中するのかといったことを知りたいというニーズを受けて、メッシュを変更せずに個人の経験によらない評価を実現することを目指して開発されている機能で、FLOW-3Dの標準機能である粒子モデルに置き換えることで、これを実現しようというものだ。

粒子モデルにはマーカと質量粒子が用意されており、例えば断熱気泡モデルだと、従来であれば圧力が上昇し、メッシュサイズよりも小さな気泡になると消えてしまっていたが、その瞬間、これまでは潰れてしまっていた気泡を粒子モデルに置き換えることで、微小な気泡がどこに行くのかをある程度まで追跡することが可能となる。

気になるのが実際の解析時間がどの程度長くなるかという点だが、同社によると、いずれも同一条件の下でボイドのみで3時間52分58秒であったものが、ボイド+粒子(マーカ)の場合で3時間55分2秒、ボイド+粒子(質量粒子)の場合で4時間14分28秒と若干伸びる程度で済むことが確認されたという。一方、メッシュを細分化し、各軸に対して2倍にした場合(1/8のボイドまで追跡できる状態にした場合)、3日と5時間41分29秒かかったとのことで、質量粒子で見ることで、時間的な節約が可能になるとする。

ボイド+粒子で解析した場合、ボイドのみで解析した時間とあまり変わらないで、より詳細な解析結果を得ることが可能であることが示された

同機能については、現在も開発が進められている段階であり、ユーザーからもニーズやアイデアなどをヒアリングし、より良いものにする作業が進められているという。また、今後の課題として、粒子を発生させるための条件を、体積なのか、圧力なのか、そういったものによって粒子を発生させるか発生させないかといった条件付けや、粒子ごとの追跡を可能にしていく方針。さらに、粒子-粒子間がぶつかったときの再計算や各分野に適した出力項目(出力方法)の検討も進めていくとしている。

3D CADデータをFLOW-3Dで活用するソフトやデータを表示だけを実現するソフトも

近年、ものづくりの設計現場では、3D CADの活用が進んでいる。「Cad2Stl」は、そうした3D CADデータをSTLファイルに変換し、FLOW-3Dで読み込み可能とするソフト。

ファイルのエラーにより発生する法線ベクトルの反転を修正する機能を有しているほか、STLファイルに変換する際に、4種の形状近似精度の中から選択することが可能だ。精度を向上させると、ファイルサイズは大きくなるが、処理時間はそれほど変わらないという。また、バージョンアップごとに対応するフォーマットが増えており、2014年12月19日時点の最新バージョンである「Ver 1.4.1」では以下の3Dフォーマットに対応している。

  • Autodesk 3D Maxファイル(3ds、3DS)
  • Autodesk Aliasファイル(obj、OBJ)
  • IGESファイル(igs、iges)
  • STEPファイル(stp、step)
  • BREPファイル(brep、BREP)
  • ABAQUS入力ファイル(inp、INP)Ver.6.2以降
  • NASTRAN(バルクデータ)ファイル(blk、BLK)
  • Marc入力ファイル(dat、DAT)

また同社は、FLOW-3DをインストールしていないPCでも解析結果の表示がしたいというニーズに対し、FLOW-3D GUIで作成された表示データ(f3dデータ)を入力することで3D表示を可能にするソフト「FLOW-VU」の提供も行っている。

このFLOW-VUならびにCad2Stlはこれまで紹介した4機能とは異なり、FLOW-3D/FLOW-3D Castユーザは無償利用が可能であり、外出先などでも手軽に活用することが可能となっている。

「Cad2Stl」のイメージ

「FLOW-VU」のイメージ