あと2回を残した「アーカイブする理由」シリーズですが、今回は、PSTの管理という課題を取り上げます。PSTが組織にとって潜在的な脅威になる理由と、PSTの特定、移行、管理、削除がもたらすメリットについて解説します。

PSTの管理:PSTファイルの特定、移行、削除

現在、多くの組織がPSTファイルの管理に頭を悩ませています。PSTファイルは、エンドユーザが個人用のメールアーカイブとして使用することが多く、価値の高いビジネスデータが含まれています。PSTファイルは、エンドユーザデバイスやネットワークストレージの広い範囲に分散して保存されている可能性があります。PSTファイルの平均的なサイズは1.3GBもあり、10万を超えるメールに相当します。このようなPSTファイルを、各ユーザが平均で3~4個所有していると言われます。

なぜPSTファイルは問題になるのか

重要なITプロジェクトを開始するとき、PSTファイルはさまざまな問題を引き起こします。データを運用する上でIT部門を悩ますばかりか、企業全体にリスクを及ぼすため法務部門もその対処に追われることになります。

セキュリティ

PSTファイルは、高い移植性が特徴です。これは非常に大きなメリットであると同時に、不適切な場所に配置してしまうと、価値の高いデータの紛失や悪用といった危険につながります。

低い信頼性

PSTファイルは、長期的な保管を考慮した設計になっていないので、簡単に破損してしまいます。PSTファイルで発生した問題への対応は、IT管理者にとって大きな負担になります。

ファイルの所有者

IT管理者は、PSTファイルの数や保存場所を把握できません。PSTファイルがOutlookと関連付けられていない場合には、ファイルの所有者を特定できない場合もあります。

バックアップ

通常の場合、デスクトップやノートPC上にあるPSTファイルはバックアップの対象になっていません。ネットワーク上にサイズの大きなPSTファイルが存在すると、バックアップや復元にかかる時間が長くなる可能性があります。

ディスカバリ

eディスカバリでの情報開示請求や検索請求では、PSTファイル内に保存されているデータも対象に含める必要があります。適切に管理されていない場合や、保存場所や所有者を特定できない場合、情報収集作業は非常に困難になります。

コンプライアンス

PSTファイルは社内ガバナンスの対象になっていない場合が多く、特にエンドユーザデバイスに保存されているPSTファイルはガバナンスの対象から除外されがちです。このようなファイルは、コンプライアンス違反のリスク要因になります。

プロジェクト

重要なITプロジェクトでは、PSTファイル内のデータをすべて新しい場所に移行する作業が必要になるケースがあります。この作業には非常に大きな手間がかかり、プロジェクトの成功を脅かす要因になります。

アーカイブソリューションの効果

このように、PSTファイルにはさまざまな問題が存在するわけですが、アーカイブソリューションがあれば、企業環境のあらゆる場所に保存されているPSTファイルの特定/管理/削除が可能になります。また、PSTファイルに現在含まれているデータについてもコンプライアンス要件を満たし、情報開示請求などの情報請求にも対処できます。PSTファイルを管理することには、つぎのようなメリットがあります。

リスク軽減

組織環境内にあるPSTファイルに現在格納されている貴重なビジネス情報をすべて特定し、1つのアーカイブにまとめて安全な方法で管理します。これにより、紛失や破損のリスクがなくなり、データは必要に応じてすぐに使用できる状態になります。

コスト削減

PSTファイルの保存、セキュリティ確保、サポートには、時間とリソースが必要です。エンドユーザのデバイスやネットワークサーバには、削除しても問題のないデータが何テラバイトも存在する可能性があるので、中央のアーカイブへの移行によって管理作業を効率化できます。

コンプライアンスの実現

PSTファイルのデータに保持/削除ポリシーを適用すれば、必要なデータのみを保持できるので、法規制や社内の情報管理ポリシーへの完全な準拠が可能になります。

ディスカバリのサポート

企業環境内にあるPSTファイルを個々に特定および検索可能な状態にすることにより、調査や情報開示請求に迅速に対応します。または、PSTファイルをすべて削除してデータを中央のアーカイブに移行すれば、ディスカバリプロセスがシンプルになります。

C2CのPST管理ソリューション

C2Cのソリューションは、企業環境内のあらゆる場所に存在するPSTファイルを特定し、そのままの場所でPSTファイルを管理するか、Exchangeや中央のアーカイブへとデータ移行することにより、保存/管理に伴うコストを最小限に抑えます。また、コンプライアンス要件を満たすだけでなく、PSTファイルに含まれる貴重なビジネスデータに対する情報開示請求に対応します。

次回は本シリーズの最終回として、アーカイブの将来を展望する予定です。

※本内容はBarracuda Product Blog 2014年9月15日Reasons to Archive – PST Managementを翻訳したものです。

Peter Mullens

本稿は、バラクーダネットワークスのWebサイトに掲載されている『バラクーダラボ』10月23日付の記事の転載です。