建築業を主な業務とするゼネコンの三和建設が運営するECサイト「ゼネコンがつくったしおゼリー」では、パウチ状のゼリー「ゼネコンがつくったしおゼリー」を販売している。ゼネコンであり、食品とは全く縁のなかった同社が「しおゼリー」の販売に至るまでには、担当者の建設業界への熱い思いと、偶然の出会いがあったという。
「ゼネコンがつくったしおゼリー」は塩分が配合されたスティックタイプのゼリー。疲労回復を図る成分や、清涼感を目的とした成分などが配合されている。
マスカット・ライチなど5種類のフレーバーがラインアップされている。
同社が「しおゼリー」を作り始めたきっかけは、岩瀬コスファの倉庫の建設を受注したことだったという。岩瀬コスファは、食品などのOEM事業も展開しており、ゼリーの製造も行っていた。
建築業界では熱中症対策が大きな課題になっていた。この悩みを、同社の大阪本店長・川口秀夫氏が岩瀬コスファの担当者に、食事の席で打ち明けたところから開発が始まったのだという。
熱中症対策には、塩分の適切な補給が重要だ。岩瀬コスファが特に、ゼリー形状の食品の製造を得意としていたこともあり、「しおゼリー」を開発することになったという。
▲「ゼネコンがつくったしおゼリー」
暑い建設現場でもすっきりと口に含めるように、「しおゼリー」には、清涼感を感じさせる原料を配合することにした。
「しおゼリー」は1日4回の摂取が推奨される。作業員たちが飽きずに食べられるよう、5種のフレーバーを準備したという。
毎年、熱中症シーズンの少し前から販売を開始している。今年は4月24日から注文受付を開始した。すべり出しは順調だという。
昨年、販売開始から3ヵ月で売り切れてしまった反省から、今年は昨年の倍の100万本を目標に、増産を行ったという。
同社の「しおゼリー」事業の目指すところは海外進出。中東、特にドバイではおよそ6000人の建築作業員が働いているという。そういった場所へも販路を増やすことが目標だとしている。
「建設業界にはたくさんお世話になった。『しおゼリー』は建設現場への恩返しだ」と川口氏は語っていた。