富士フイルムは4月12日、バイオ医薬品の開発と製造受託事業の成長を加速させるため、バイオ医薬品CDMO(Contract Development & Manufacturing Organization)の中核会社であるFUJIFILM Diosynth Biotechnologies(以下、FDB)の北米拠点に12億ドル(約1800憶円)の投資を実施することを発表した。

今回、2025年稼働予定としてFDBがノースカロライナ州ホーリースプリングス市に建設している新拠点(ノースカロライナ新拠点)に新たな設備投資を行い、抗体医薬品の原薬製造設備を増強する。増強設備の稼働は2028年予定。

現在同社は抗体医薬品の生産能力増強に向けて、2万リットルの動物細胞培養タンクの設備投資を進める。デンマーク拠点では稼働中のタンク6基に加えて14基、ノースカロライナ新拠点では8基の導入を進行中。デンマーク工場と設計や設備を共通化し他拠点に展開するアプローチにより拠点間の迅速な技術移管を実現して、品質の確保や建設リードタイムの短縮化を図っているという。

今回は、現在増強中の生産能力を上回る抗体医薬品の製造委託ニーズを受けて、現在8基のタンクを建設中のノースカロライナ新拠点に新たに動物細胞培養タンク8基を導入する。これにより、ノースカロライナ新拠点におけるタンクを16基まで拡大し、抗体医薬品の原薬の生産能力拡大を見込む。