AZーCOM丸和HD、C&FロジにTOB C&F「事前連絡受けてない」

AZーCOM丸和ホールディングス(HD)は3月21日、冷凍・冷蔵などの低温食品物流事業を手掛けるC&Fロジホールディングス(以下、C&Fロジ)に対して株式公開買い付け(TOB)を実施すると発表した。

 

丸和HDの発表について、C&Fロジは「公開した情報の通り。事前連絡は受けていない」と本紙にコメントした。

 

2022年10月に丸和HDがC&Fロジに経営統合の提案を開始したが、2023年10月にC&Fロジは経営統合の検討中止決定を通知。この中止決定の理由について丸和HDは「シナジーが限定的」「企業文化の相違」などが挙げられていたという。

 

丸和HDは物流の2024年問題や、物流業界が抱える課題への対応などの必要性を強く感じたことを受け、経営統合よりも完全子会社化したほうがいいと判断した。

 

また、丸和HDはC&FロジのTOBによる複数のシナジー効果について「EC関連物流事業の拡大」「海外事業の展開」「モーダルシフトの推進」「人材の採用や育成」「省力化や省人化などへの投資の加速」を挙げた。

 

共同配送による両社の収益力向上や、丸和HDが持つEC関連物流の基盤やノウハウを活用したEC関連物流事業の迅速的な拡大、川上から川下までの物流網の構築、その他事業の共同化など成果もまとめている。

 

丸和HDは、C&Fロジの子会社化によって、低温食品物流のトップ企業を目指す。

 

株式買い付け期間は、2024年5月上旬まで。買付価格は1株あたり3000円。