NTTデータ先端技術は3月18日、統合運用管理ソフトウェアである「Hinemos」において、生成AIを使用してインシデント対応や分析から属人性を排除し、システム運用の自動化・効率化を推進する実証実験を4月30日まで実施すると発表した。同社はシステム運用AIアシスタントの2024年度下期の提供開始を予定し、順次サービスの拡充を進める。

  • Hinemosのシステム運用AIアシスタント構想

「システム運用AIアシスタント」構想の実現へ

Hinemosは、収集・蓄積、可視化・分析、自動化といったシステムの運用管理に必要な機能をワンパッケージで提供する、OSSの統合運用管理ソフトウェア。

同社は同ソフトウェアについて、生成AIを使用して過去の設計ナレッジやインシデント情報、ITシステムの稼働情報といった蓄積データを運用に活用するAIドリブン運用として、「システム運用AIアシスタント」構想の実現を目指している。

これにより、運用品質の向上、コストの低減、アジリティの向上が見込めるという。

  • 生成AIを用いた過去インシデント情報の有効活用イメージ

インシデントの早期解決、予防への実効性を検証

今回の実証実験では、蓄積したインシデント情報を基に、Azure OpenAI Service上の生成AIを用いて解決策の提案やインシデント発生状況の傾向分析を行い、インシデントの早期解決、予防への実効性を検証する。

具体的には、マイクロソフトが提供する「Azure OpenAI Service」上の生成AIに、発生したインシデントについて自然言語で問い合わせ、過去のインシデント情報を基に解決策を提案させることで、インシデントの早期解決が図れるかを検証するという。

これにより、従来の記憶や経験に頼ったインシデント対応が誰にでも対応可能となり、属人化の排除と運用の効率化に寄与するとしている。

また、蓄積したインシデント情報からインシデント発生状況の傾向分析やサマリーを生成する検証も併せて実施する。

生成した分析結果やサマリーをプロアクティブな対応に使用することで、インシデント発生を予防し運用負荷を低減できるかを確認するという。

従来のインシデント対応は運用者やエンジニアの記憶や経験に頼っていて属人化が増えているが、生成AIの利用により再現性を持たせ専門的な知識が無くても対応可能になることを目指す。