インターネットイニシアティブ(IIJ)は1月16日、クラウド型のネットワークサービス(SD-WAN)である「IIJ Omnibusサービス」において、企業ネットワークのトラフィック負荷の軽減を目的に、特定のSaaS向けのトラフィックについて、拠点から直接インターネットに流すことが可能なローカルブレイクアウト機能を強化することを発表した。

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IIJ Omnibusサービスに追加した機能の概要

具体的には、IIJ Omnibusが、ローカルブレイクアウトを実現するために必要な宛先情報を収集する「IIJクラウドナビゲーションデータベース」と連携する。これにより顧客は、特定SaaS宛のトラフィックを直接各拠点からインターネットへ流すネットワーク構成を容易に取ることができ、企業ネットワークの輻輳やインターネットゲートウェイ設備へのアクセス集中を回避することが可能となる。

また、IIJクラウドナビゲーションデータベースにて提供している宛先テンプレート(宛先リスト集)について、従来のMicrosoft 365、Google Workspace、Windows Update、Zscalerに加え、Zoom、Boxのテンプレートを2024年3月より提供開始する。

例えば、Microsoft 365やGoogle Workspace、Windows Updateなどでは、日々FQDNやIPアドレスが予告なく更新されるが、SaaSの宛先情報の自動更新により、管理者はいつあるか分からないSaaSの更新情報を追従する面倒な運用から解放されるという。

また、SaaSの宛先情報を、IIJクラウドナビゲーションデータベースからWANを構成する各拠点に置かれたサービスアダプタに送信する。さらに顧客自身で、通信の振り分けが必要あるいは不必要なFQDNやIPアドレスをIIJが用意したテンプレートから専用画面で設定・変更することが可能。テンプレートに無い宛先においても、手動で追加可能なため、より柔軟な振り分けルールの作成が可能だという。

IIJクラウドナビゲーションデータベースの提供価格(税抜)は、基本機能が初期費用 120,000円、月額費用 38,000円。宛先テンプレート(テンプレート1つあたり)は月額25,000円、経路配信機能(ルータ1台あたり)は月額2,000円。