Sansanは10月19日、インボイス管理サービス「Bill One」が、請求書関連業務に携わる人を対象に9月29日~10月4日に実施した、「電子帳簿保存法に関する実態調査」の結果を発表した。電子帳簿保存法への対応率はいまだ6割を下回っている一方で、同法に対応した企業のうち半数以上がメリットを感じていることが明らかになった。

  • 電子帳簿保存法への対応状況(Bill One調べ)

    電子帳簿保存法への対応状況(Bill One調べ)

請求書関連業務に携わる1000名のビジネスパーソンのうち、電子帳簿保存法に「対応している」と回答したのは59.5%、「対応していない」が29.4%、「分からない」が11.1%。今年2月調査時の対応率(49.2%)より10%程度上昇したが、宥恕期間終了が目前に迫る中で、いまだ対応が進んでいない現状が明らかになった。

業界別でみると。IT・情報通信業界および金融業界においては電子帳簿保存法の対応率が8割以上であった一方、食品・小売・飲食業界および公共機関・非営利団体では対応率が半数以下と、各業界によって対応状況に大きな差があった。

特に対応している割合が多いIT・情報通信業界および金融業界に対し、どのような方法で電子帳簿保存法に対応したか尋ねると、「(自社対応ではなく)電子帳簿保存法に対応したサービスを導入した」と回答した人が他業界よりも多く、電帳法に対応したサービスを活用して効率的に対応を進めていた。一方、対応率が低い食品業界および公共機関等に理由を聞くと、「紙の請求書のやりとりが多く、請求書の電子保存は予定していない」という回答が多かった。

  • 電子帳簿保存法への対応状況(業界別)(Bill One調べ)

    電子帳簿保存法への対応状況(業界別)(Bill One調べ)

続いて、電子帳簿保存法に対応した企業に変化をたずねると、メリットを感じている人が50.6%。特に対応のメリットを感じているのは従業員数が1001名以上の大企業で、全体の3分の2以上(67.4%)を占めた。

また、メリットの方が大きいと答えた企業に具体的な理由を聞くと、1位は「請求書を処理する時間が減った」、2位は「請求書を探すのが容易になった」、3位は「勤務先で書類のペーパーレス化が進んだ」となり、電子帳簿保存法への対応は、業務効率化の推進やペーパーレス化につながっていることがわかった。

  • 電子帳簿保存法への対応に関する印象(Bill One調べ)

    電子帳簿保存法への対応に関する印象(Bill One調べ)

Sansanは、宥恕期間が終了する2023年12月末までに対応方法を見直す企業も出てくると考えており、電子帳簿保存法への対応と業務効率化を同時に実現できるサービスの需要はより一層高まるとみている。