サイボウズは2月3日、愛媛県西予(せいよ)市がオフィス改革推進の柱として、クラウド版グループウェア「Garoon(ガルーン)」を活用し、「Garoonログ解析レポート」で改革の成果を定量的に評価することに成功したと明らかにした。

同市では、財政悪化、職員減少、多様化する行政サービスに対応するために、生産性の向上が喫緊の課題となっており、会議に時間がかかり意思決定が遅い、紙資料が多く外出時に業務ができないなどの状況が生産性を阻害していたため、2015年から7年にわたりにオフィスの改革を実施。

取り組みやすいクリーンデスクからスタートし、紙書類の削減、打ち合わせスペースの増設、役職者を含めて一部のフロアからフリーアドレス化などを行い、生産性の高いオフィスを実現したという。

  • 紙書類を削減してフリーアドレス化を行ったオフィス

    紙書類を削減してフリーアドレス化を行ったオフィス

職員アンケートによると、改革前後で職位が3~4階層異なる職員同士の会話が7.2倍になるなど、コミュニケーションが活発化、意思決定の迅速化ができていることが判明した。

また、Garoonはペーパーレス化とフリーアドレスにおけるコミュニケーションに役立っており、申請業務の電子化、会議資料の共有をGaroonで行うことで紙資料を削減し、2021年は複合機の出力枚数が前年比65万枚減を達成したという。

さらに、職員同士の問い合わせや相談をGaroonのコメントで行うことで、その場にいなくてもすぐ連絡が取れるようになり、生産性の向上に加えて、災害時のコミュニケーションの迅速化にもつながっているとしている。

今回、同市ではGaroonログ解析レポートを用いて、Garoonの活用状況とオフィス改革の成果の関係を調査した。

レポートでは、ワークフローの1カ月あたりの平均申請数は、クラウド版Garoonを導入した2019年から2021年の2年で1.7倍(下図を参照)となり、申請の電子化が進んだことが分かったという。

  • ワークフロー申請数の伸張

    ワークフロー申請数の伸張

さらに、5人以上が参加するスケジュールへのファイル添付率は2019年から2021年の2年で約3.4倍(下図を参照)となり、会議資料の電子配布が浸透したことがわかった。これらの数字は、2021年の複合機の出力枚数の削減と相関があり、紙からクラウド上にデータが移行したことを定量的に示せたとしている。

  • スケジュールへのファイル添付率の伸張

    スケジュールへのファイル添付率の伸張

また、Garoonの各アプリケーションの利用人数はいずれも上昇し、活用が進みつつあるという。

  • 2019と2022のアプリケーション別利用人数比較

    2019と2022のアプリケーション別利用人数比較

今後、同市ではより多くの職員にGaroonの活用を浸透させること、運用ルールを整備することを目標としている。Garoonログ解析レポートを利用することで「次にやるべきことを適切に設定できる」「定量データを示すことで職員への説明がしやすい」などのメリットがあり、スピード感を持った改善につながっているとしている。