リコーとサイボウズは12月20日、資本提携契約を締結したことを発表した。両者は協業関係を強化し、国内外でのデジタルサービス事業の展開を加速する。

サイボウズはリコーを処分予定先とする第三者割当による自己株式の処分を実施し、サイボウズの普通株式174万100株(同第三者割当による自己株式の処分後のサイボウズの発行済株式総数に対する割合3.30%、議決権保有割合3.66%)をリコーに割り当てる予定だとしている。

両社は2022年4月27日に、国内外でのDX(デジタルトランスフォーメーション)加速を目的にしたデジタルサービス事業において業務提携に合意していた。以後は現場のデジタル人材やソフトウェア技術者の人材交流などを進め、2022年10月にはクラウド型の業務改善プラットフォーム「RICOH kintone plus」を共同開発して国内市場向けに発売開始した。

このRICOH kintone plusはリコーの共創プラットフォーム「RSI(RICOH Smart Integration)」と連携するサービス。リコーが中小企業向けのスクラムパッケージや中堅企業向けのスクラムアセットの提供を通じて培ってきた業務改善ノウハウや、これまでkintoneを提供するなかで受けた要望に基づき、リコーオリジナルアプリテンプレートやプラグインを提供する。また、リコーの複合機との連携も可能。

サイボウズが持つローコード・ノーコードの開発力と、リコーのグローバルでの販売サポート体制による課題解決力を掛け合わせて、顧客に寄り添う伴走型のサポートを提供するとのことだ。

両社は今後、2022年度中に米国を皮切りとして、その後は欧州などに順次展開地域を拡大する予定。サイボウズは今回の資本提携により調達する資金の使途として、国内外の協業展開の礎となるサーバ機材の強化を含むクラウド基盤の拡充、組織体制の構築とその運用などを挙げている。

具体的には、RICOH kintone plusによる事業拡大を想定して、サーバ機材の購入などでクラウド基盤を拡充。さらに海外展開の第一弾となる米国では、リコーが保有する顧客基盤とサイボウズがこれまで米国事業で蓄積したノウハウを組み合わせ、より強固な組織体制を構築し維持するために、今後3年間にわたって人件費やマーケティングのための広告宣伝費などに投資する方針。