AMD Ryzenを搭載しているパソコンでしばしば動作が断続的に遅くなるという現象が報告されていた。ファームウェアトラステッドプラットフォームモジュール(fTPM: Firmware Trusted Platform Module)が関係しているのではないかと指摘されていたが、原因が突き止められて修正版提供の目処が立った。ただし、修正版の提供は2022年5月以降になるとされており、しばらく待つ必要があるようだ。

Advanced Micro Devices (AMD)は3月8日(米国時間)、「Intermittent System Stutter Experienced with fTPM Enabled on Windows® 10 and 11|AMD」において、Windows 10およびWindows 11を実行している一部のAMD Ryzenシステム構成のパソコンにおいて、断続的にパフォーマンスの低下が発生する可能性があると伝えた。

マザーボードのSPIフラッシュメモリ(SPIROM)においてfTPM関連のメモリトランザクションが断続的に拡張され、トランザクションが完了するまでシステムのインタラクティブ性や応答性が一時的に停止する可能性があると説明している。

  • Intermittent System Stutter Experienced with fTPM Enabled on Windows® 10 and 11|AMD

    Intermittent System Stutter Experienced with fTPM Enabled on Windows® 10 and 11|AMD

該当するパソコンで問題を解決するには、BIOSのアップデートが必要とされている。BIOSのアップデートが提供されるのはメーカーのテストスケジュールなどに依存することから正確なところはわからないとしつつ、2022年5月初旬ごろから利用できるようになるのではないかと説明されている。

Advanced Micro Devicesは当面の回避策として、トラステッドプラットフォームモジュール(TPM: Trusted Platform Module)の機能を使っている場合はfTPMではなく、代わりにディスクリートトラステッドプラットフォームモジュール(dTPM: Discrete Trusted Platform Module)を使うという方法があると説明している。ただし、その回避策は使っているマザーボードやシステムがアドインのディスクリートトラステッドプラットフォームモジュールに対応していることが前提になり、回避策を講じる前にサポートされているかどうかを確認することが推奨されている。