日立製作所(日立)は1月20日、日立建機のDX(デジタルトランスフォーメーション)加速に向けて、データ利活用を促進するプラットフォーム「DX基盤」を構築したことを発表した。

  • 「DX基盤」の概念図

同基盤は、生産・販売・在庫といった業務システムの情報や建設機械の稼働情報など、複数のシステムやアプリケーションに分散するデータを集めて一元管理し、日立建機のサービスソリューション「ConSite」などと連携する。画像などの膨大なデータを管理する機能、分析を行うための機械学習、AI(人口知能)を用いた分析ツールを備えており、複数のデータや条件を掛け合わせたデータ分析が可能になるとしている。

日立建機グループは同基盤を活用する第1弾の取り組みとして、「営業支援アプリ」の運用を年内に開始する予定。販売・サービス・レンタル・中古車の各担当者(全国243拠点、約1,000名)を対象に、顧客が保有する機械の稼働状況、取引履歴・メンテナンス計画などの情報を、タブレットなどのアプリ上で把握できるようにする。

  • 「営業支援アプリ」使用イメージ

さらに、顧客の今後の機械運用についてビッグデータやAIを活用し、自動で複数パターンをアプリに表示することで、営業担当者はそのパターンを参考にして提案をすることが可能になるとのこと。

具体的には、AIの分析をもとに、「この機械は長期間使っているから更新時期が近いと思われる」、「稼働率が高い機械の現場に対し、購入またはレンタルによる増車の提案ができる」など、顧客の保有機械の状況に応じた提案を、アプリを活用するすべての担当者が行えるようになる。

日立は今後、同基盤の監視から運用、問い合わせのサポートまで、マネージドサービスとして一括提供し、日立建機のDX推進を支援していく方針だ。