Fujitsu Technology Solutionsは6月17日、スポーツイベントにおけるソーシャルディスタンスを保った安全運営と収益性向上の両立を目指し、「デジタルアニーラ」を用いたチケット販売システムの有効性検証を実施したと発表した。

同検証は、ドイツのベルリンオリンピックスタジアムおよびニュルブルクリンクにおいて、2021年1月から2021年3月まで実施されたもの。コロナ禍に既存のシステムでチケット販売を行った実データと、「デジタルアニーラ」を活用した場合のチケット販売数を比較したところ、同システムは座席割り当て数を最大60%増加させ、収益を大幅に向上できることが明らかになったとのこと。

スポーツイベントで観客がチケットを購入する場合は、一緒に観戦する友人や家族のチケットをまとめて購入するのが一般的であり、これまでのオンラインチケット販売では、同一グループがより近くで観戦を楽しめることを優先した座席配置となるように販売していたという。

しかし、コロナ禍ではソーシャルディスタンスの基準を満たした上で、可能な限り観客が仲間と近い座席で観戦を楽しめる座席の割り当てが必要であり、既存のシステムではチケット販売数が減少し、大幅な収益低下を招くことが課題だったとのこと。

そこで同検証では、複雑な組合せを最適化できる「デジタルアニーラ」活用し、オンラインチケット販売のシステムに活用することで、観客のニーズや地域ごとに定められたソーシャルディスタンスの基準に合わせて、チケット販売数を最大化できる座席の割り当てを素早く計算できるかを確認したという。