米Adobeは6月19日(現地時間)は、「Adobe Advertising Cloud TV」の提供を発表した。これは、自動的にデータドリブン型テレビ広告のプランニングとバイイングを行うためのソリューションとなり、同社が買収したTubeMogulが2014年にローンチしたソリューション「Programmatic TV(PTV)」をベースにしている。

昨今、多様なデバイスでさまざまな番組が生まれ、TV業界にとってかつてない複雑な時代に突入しており、従来のテレビ、オーバーザトップ(OTT)、ビデオオンデマンド(VOD)、コネクテッドTVアプリなどが、視聴者の関心を引き、広告収入を得ようと競い合っていると同社は指摘。

しかし、テレビ広告は従来と比べてインパクトを得られなくなっており、Adobe Digital Insights(ADI)の最新の広告効果に関する調査によると、テレビ広告が自分に関連していると感じる米国人は3分の1以下(26%)であり、テレビとデジタル、データ収集とその活用、メディアプランニングとバイイングの間に存在するサイロは、視聴者に効果的に訴求しようとする広告主の取り組みを妨げているという。

新ソリューションでは、リニア型テレビのライブストリーミング、アドレサブルTV、コネクテッドTV、VOD、OTTなど、あらゆる形態のテレビ広告のバイイングが可能になるという。また、Adobe Analytics Cloudとの統合が含まれており、これによりブランド企業が的確に従来のリニア型テレビ向け広告をターゲティングできる、ファーストパーティ視聴者データ(マーケティングおよび広告の取り組みから収集した自社ブランドの視聴者セグメント)を利用することができるという。

また、マーケターは、オンライン検索により、すでに興味を示しているオーディエンスに向けて、テレビ広告のプランニングとバイイングを行えるほか、有料テレビ事業者、MRI(Mediamark Research, Inc.)、テレビメーカーから得られるデータセットを加えることで、マーケターは個別のオーディエンスに対するプランニング、ターゲティング、バイイング、測定の能力を向上させることを可能としている。

さらに、新ソリューションは、多くの放送局やケーブルネットワークと連携しており、NBCUniversal、Univision、A+E Networks、Discovery Communicationsといったブランド企業と、リニアまたはオンデマンドの広告在庫へのアクセスを提供することができるという。