企業広報戦略研究所は6月19日、生活者が企業のどのような活動に魅力を感じ、その魅力がどのように伝わっているのかを分析することを目的に、「第2回企業魅力度調査」を実施しその結果を公表した。

企業魅力度調査は、10業界計150社について、「人的魅力」「会社的魅力」「商品的魅力」の3つの要素で企業を分析したもの。2016年3月に第1回調査を行っており、今回は第2回調査として、2017年3月に全国20~60代の男女1万人を対象に実施した。

今回の発表では、全調査結果のうち、企業魅力度の業界別ランキング、魅力項目ランキング、魅力ポイント数の経年変化について分析している。

業界別ランキング1位は「食品」

調査対象者1万人が「魅力を感じる」とした項目の合計ポイント数を業界別に積算すると、食品業界が1位(3万4223ポイント)となり、2016年6位(2万5105ポイント)から大きく順位を上げた。

また、この魅力度数は、2016年トップの電気機器業界(2016年3万2760ポイント)よりも1463ポイント高いという結果となった。

食品業界が大きく魅力度を伸ばしたのは、3つの魅力のうち「商品的魅力」の項目で、「アフターサービスや問い合わせ対応がしっかりしている」が245ポイント高くなり、前年比178.0%となったことが要因の1つ。

また、「革新的・先進的な商品・サービスを提供している」も前年比167.8%となっており、魅力を感じたきっかけを自由回答で聞いた設問では「これまでになかった商品を開発し、常に先を行っている感じがあるから」(男性60代)や、「とにかく、新しい商品が斬新だったり、楽しかったり、うれしかったりするから。消費者が喜ぶことをしてくれる努力を感じる」(男性30代)、「健康に配慮した製品であるとともに、おいしさも感じられるところ」(女性20代)、「健康志向の高い食品を販売しており、生活習慣病などの健康問題を改善しようと努力されているように感じた」(女性20代)など、各企業による最新のトレンドやニーズに機敏に対応した商品開発や取り組みを生活者が評価していることがわかった。

一方、順位を4位へと下げた電気機器業界は、3つの魅力すべてでポイントを落とす結果に。特に「会社的魅力」は成長戦略や投資・財務戦略に関わる項目で2割以上ポイント減となった。

生活者は「人的魅力」をさらに重視する傾向に

生活者が魅力を感じる企業の活動をランキングにしてみると、1位は2年連続で「ビジョンを掲げ、業界を牽引している」(51.6%)との結果に。2016年と比較すると、4位と5位が入れ替わったものの、ランキングに大きな変化は見られなかった。

また、全業界の魅力ポイント数の合計は前年比103.5%となり、その内訳を見ると、「人的魅力」の総量は5459ポイント増加し前年比106.0%との結果に。「会社的魅力」は1938ポイントの増加で前年比102.9%、「商品的魅力」は1202ポイントの増加で前年比101.4%となった。

以上のように、生活者は、企業の魅力を判断する際「人的魅力」を重視しており、その傾向は昨年よりもさらに強まっていることが明らかになった。